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過剰期待を寄せる「QEバブル」日銀が消極的に映る二つの理由   壁高い円滑化法の出口戦略 金融庁問題先送り
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/895.html
投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 09 日 01:01:04: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://diamond.jp/articles/-/18202
過剰期待を寄せる「QEバブル」
日銀が消極的に映る二つの理由 

 3月の日本のマネタリーベース(現金+日銀当座預金)前年比はマイナス0.2%だった。4月も若干のマイナスか横ばいだろう。これを見て、「日銀の資金供給は消極的過ぎる」と解釈してしまうと大きな誤解になる。

 マネタリーベースが伸びていない一つの理由は、流動性不安の後退にある。マネタリーベースの供給量が「緩和的か、緩和的でないか」を判断する際は、それに対する需要の強弱を考慮しなければならない。昨年の3〜4月は震災による流動性不安が市場に存在した。そのようなときは、金融機関は日銀から資金を借りて、流動性のバッファーとしてそれを日銀当座預金口座に退蔵したがる(それ自体は実体経済を何も刺激しない)。しかし、今は流動性不安が存在しないため、マネタリーベースへの需要は特別強くない。

 需要の程度を考慮すれば、最近の日銀のマネタリーベースの供給は昨年よりもむしろ一段と緩和的だ。実際、主要通貨の短期金融市場の様子を観察すると、最も緩和的になっているのは円である。企業がこれほどCP(短期社債)を低利で大量に発行できる環境は、ニューヨーク、ロンドン、パリ、フランクフルトでは見られない。しかし、企業の資金需要が高まってこないのが日本の問題である。

 もう一つの理由は、極めて逆説的だが、2月に日銀が国債の買い入れを10兆円増やすと決定したことにある。その追加緩和策を受けて、大半の金融機関は日銀の資金供給オペへの応札を消極化させた(オペの「札割れ」も多発している)。なぜなら、多くの金融機関は既に使わない準備預金を大量に保有している。それがさらに増加したところで、日銀当座預金口座に死蔵される「ブタ積み」が増えるだけだからである。

次のページ>> FRBは量的緩和策の効果に実は懐疑的

 準備預金の増加は逆に金融緩和効果を殺ぐ、という議論が米国では行われている。2009年6月のFOMCでFRB幹部は、「準備預金残高が非常に高水準になると、銀行はキャピタル・レシオの過剰な下落を防ぐために、貸し出しや証券購入を抑制する恐れがある」と結論付けた。FRBが準備預金を増加させないオペレーション・ツイストを現在行っている理由の一つは、そこにあるといえる。

 FRBは量的緩和策の効果に実は懐疑的であり、それ故、公式には「QE」という名称を政策に一度も採用していない(メディアが勝手にそう呼んでいる)。株式市場や外為市場は過剰な期待を抱いている。ブルームバーグのワシントン支局員・山広恒夫氏は、それを「QEバブル」と呼び、その破裂の反動を懸念している。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)
http://diamond.jp/articles/-/18201
壁高い円滑化法の出口戦略
金融庁の新政策に疑問符

金融庁が推進していた円滑化法とは、いったい何だったのか
 金融機関に、貸し付け条件の変更などに応じる努力義務を課した中小企業金融円滑化法。その期限切れが来年3月に迫り、金融庁は “出口戦略”に向けた政策パッケージを打ち出した。

 その中身は、金融機関に経営指導などコンサルティング機能を一層充実させるよう求めること、そして企業再生支援機構(ETIC)と中小企業再生支援協議会(再生協)の機能や連携を強化することで、再生が難しい企業への支援を行いやすくすることなどだ。

 しかし、いずれもその効果には疑問が残る。

 まず、金融機関のコンサル機能は、「すでに再生不可能なところも条件変更してしまっている」(地方銀行幹部)ことに加え、そもそも金融機関にそんな能力は「あるはずもない」(中小企業関係者)との指摘が根強い。

 一方、日本航空など大型案件に支援が偏っていたETICは中小企業の再生に軸足を移す予定だが、それでも「小規模の企業の支援は無理」(地銀幹部)とみられている。

 再生協についても今年度、実績の10倍弱に当たる3000件の計画策定支援を目指し、その対応として人員を増員、処理期間を従来の3分の1に短縮するとしている。が、それは金融機関の情報を利用して資産査定を簡素化するだけの話だ。

 結局、金融庁は「円滑化法の期限切れにより企業倒産が急増する責任を問われないようアリバイ作りに必死」(地銀関係者)なだけ。出口戦略は金融機関が地道に進めるしかないが、中小企業の再生は容易でなく、円滑化法の施行から終了までの3年強で、問題が先送りされるだけに終わりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)
 

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コメント
 
01. 2012年5月09日 17:47:32 : 3CNLte9sGM
日銀「銀行券ルール」が事実上形骸化、金利低下も安心できず
2012年 05月 9日 13:39 JST

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[東京 9日 ロイター] 日銀は、金融緩和強化に伴う国債の買い入れ増に伴い、保有する長期国債の残高が年末にはお札(銀行券)の発行残高を上回るとの見通しを示した。

財政ファイナンス(財政支援)懸念を払しょくするための自主規制である「銀行券ルール」が事実上形骸化し、金融緩和と財政ファイナンスの境界が曖昧になりつつある。長期金利の大幅低下など金融緩和の副作用とも捉えられる事象もみられ始めており、日銀の政策運営はさらに難しくなりつつある。

日銀が8日公表した資料によると、現在のペースで銀行券を発行する場合、2012年末の残高の見通しは約83兆円。基金による国債買い入れを月2.1兆円、銀行券需要に合わせた国債買い入れを月1.8兆円のペースで続けると、日銀の長期国債保有残高は12月末に92兆円と銀行券発行残高を上回る。

もっとも92兆円のうち24兆円は基金による一時的な買い入れで、銀行券ルールの対象である銀行券需要に合わせた買い入れは68兆円にとどまり、銀行券ルールには抵触しない、というのが日銀の公式見解だ。

しかし専門家の間では、日銀が2010年10月に資産買入基金による「包括緩和」政策を開始した際、財政ファイナンスとみられないために、基金による長期国債買い入れを別枠管理とした時点で、銀行券ルールは事実上形骸化しているとの見方がある。

また、日銀は包括緩和開始時に、長期国債などの買い入れ対象を年限2年以内としていた。しかし、4月27日の追加緩和の際に、買い入れ対象を3年に延長。3年への延長が可能であれば、4年、5年となし崩し的な延長による国債買い入れも連想可能となる。

4月末の追加緩和で日銀による2012年度の長期国債買い入れ額は約43兆円と12年度の新規国債発行額44.2兆円にほぼ匹敵する水準となり、日銀がいくら精緻な説明を試みても、外見上は財政ファイナンスと認識される可能性が徐々に高まりつつある。

白川方明総裁は4月27日の金融政策決定会合後の記者会見で「日銀が財政ファイナンスを行わないという意思は、私も他の政策委員会メンバーも一致している。私どもの言葉を信用して頂きたい。私どもの行動をしっかり監視して頂きたい」と強調した。

現在、国内債券市場では財政ファイナンス懸念の高まりは特段材料視されていない。むしろ、フランス・ギリシャ選挙を受けた欧州問題再燃で日米独の国債に資金流入が進むなか、長期金利(10年最長期国債利回り)は0.8%台まで低下している。ここまでの金利低下は、日銀の緩和強化が、結果的に金融機関の投機的な債券売買を支援した側面もありそうだ。

ただ日銀ウオッチャーや通貨当局者関係者の間では、消費増税法案の動向次第では、欧州ソブリン問題の連想から日本国債が売られるリスクが警戒されている。日米独国債の相関が高まるなかで、何らかのきっかけで欧米発の金利上昇が日本に波及するリスクの高まりを懸念する声は多い。物価上昇率1%を目途として行う強力な金融緩和を進めれば、それだけ財政ファイナンスとみなされる可能性が高まり、ある時点で、低下していた金利が急上昇するリスクが高まるという状況が生まれている。

(ロイターニュース 竹本能文:編集 石田仁志)


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