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【ニューヨーク=杉本貴司】電気自動車(EV)の充電方式を巡って、日本と欧米の自動車業界による規格争いが鮮明になってきた。米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)など米独8社は7日、新規の充電規格を公開。日本勢が採用を働き掛けている方式に対抗する姿勢を示した。EVの車両開発で日本は先行してきたが、充電規格では国際標準化に向けて厳しい競合を迫られそうだ。
ロサンゼルスで同日開幕したEVシンポジウムで、米独連合が「コンバインド・チャージング・システム(コンボ)」と呼ぶ新規格を公開。GM、VWのほか、米国勢ではフォード・モーターとクライスラー、ドイツ勢ではダイムラー、BMW、VWグループのアウディ、ポルシェが同方式の採用を表明した。
コンボ方式は最短15分で満タンまで充電することができる。緊急時の急速充電と、夜間電力を利用するなどして割安な電気を使う普通充電とを一つのプラグで行えるのが特徴だ。
これに対し、日本勢は急速充電のみに対応する「CHAdeMO(チャデモ)」方式を採用。日産自動車のEV「リーフ」の場合、30分で8割までの充電にとどまる。家庭電源を使う普通充電は急速充電とプラグの差し込み口が分かれている。
コンボ方式は今夏に技術的な詳細を公表した上で年内に充電器を実用化する。2013年から同方式による充電が可能なEVが市販化される予定。GMやVWは13年に小型車ベースのEVを投入する計画を表明しており、コンボ方式の普及を後押しする考えだ。
すでに欧州自動車工業会(ACEA)が17年以降にすべてのEVの新車に採用する方針を示し、米国の自動車技術者の団体であるSAEも採用の意向を示している。
一方、日本のチャデモ方式は日産自動車や三菱自動車が採用。東京電力が旗振り役となり、トヨタ自動車も含めた国内自動車メーカーや部品メーカーが10年3月に普及促進団体を設立した。4月時点で国内1154カ所、海外239カ所に充電設備を設置している。
日本勢では日産がリーフに続き16年度までに計7車種(仏ルノーを含む)を発売する計画で、世界のEV市場をリードしている。先行の利を生かして海外でも標準化を働きかける考えだ。
だが、米独8社が対抗規格を打ち出したことで競争の行方は不透明な情勢になってきた。コンボ方式が標準規格となれば、日本勢は車両の充電装置の改良や、充電インフラの再整備が必要になる可能性がある。
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