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[ロンドン 3日 ロイター Breakingviews] ノルウェーの画家エドバルト・ムンクの代表作「叫び」は、これまで長きにわたって「文化の象徴」として存在してきた。橋の上で恐れおののく男性のイメージは、近代(モダン)にうごめく闇の力を表現していた。
しかし先日行われた競売で、この作品はポストモダンにおける「金融の象徴」へと姿を変えてしまった。
「叫び」の何が人の心を動かすのか、正確に答えるのは難しい。競売大手サザビーズの説明には、「近代(モダン)の不安と恐怖を視覚的に具体化した作品」とあり、この絵画の価値を見出した数々の書籍や学術論文などをよくまとめている。
米ニューヨークで2日行われた競売で、「叫び」は美術品として史上最高の約1億2000万ドル(約96億円)で落札された。落札者の詳細は伏せられており、苦悶を表現した絵画を快楽に浸りながら眺める大富豪が一体誰なのかは分かっていない。
そして競売会場では、もう1つの驚くべき光景が広がっていた。数百人の参加者が、ただ道楽のためだけに1000万ドルもの大金を投じていたことだ。
ここに、「近代の文化的象徴」に「ポストモダンの金融政策」が与えた影響を見ることができる。
世界の中央銀行が実質マイナス金利政策や大量の資金供給といった非伝統的な金融政策を行わなければ、落札価格はもっと低かったに違いない。
美術品史上最高となった今回の落札額は、超富裕層の無頓着さも反映している。上位1%の富裕層と、その他の人々との格差が政治的な問題に発展し、各地で抗議活動も行われたにもかかわらず、富裕層がぜいたくを追い求める姿勢は変わることはないだろう。弱者にとっては、それこそ「叫び」たくなるものに違いない。
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