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〆下馬評どうりの選挙結果だったようです。
かって、仏大統領を務めた同党のミッテランがそうしたように、それまでの社会主義的経済政策を改め、市場経済志向へと大きく舵を切ることもありえます。
ギリシャ:急進左派連合はIMFと合意したギリシャ救済合意の条件緩和を主張し、ユーロにとどまることを主張しています。
欧州市場は息を潜めて新政権の動向を伺っていますが、各セクターは選挙結果をすでに織り込んでいるようです。
●フランス大統領選挙結果の第一印象 オランド勝利の市場に対するインパクト
http://markethack.net/archives/51818286.html
日曜日に行われたフランス大統領選挙決選投票で野党・社会党のフランソワ・オランド前第一書記が勝ちました。
オランド勝利は市場にどう受け止められるのでしょうか?
先ずオランド勝利はかなり相場に織り込まれてしまっていると思います。
オランド自身については「ちょっと政治経験が浅い」とする市場参加者も居ます。
オランド大統領の所属する社会党の、市場からの評価はどうでしょうか?
一般に社会党は市場に対してフレンドリーではないというイメージがあります。
しかし実際には社会党の大統領がひとたび政権の座につくと、意外に保守的な財政政策になるという見方もあります。
実際、81年から95年まで大統領を務めたミッテランがそうでした。
ミッテラン政権は、それまでの社会主義的経済政策を改め、市場経済志向へと大きく舵を切りました。
なお、この当時は英国でマーガレット・サッチャーが市場主義の経済政策を強力に推進していた時であり、フランスの社会党政権が今回、どこまで市場経済志向であるかについては、そもそも環境が違いすぎるという指摘もあります。
それから社会党政権は市場の意表を突く行動に出る場合もあります。
上に書いた市場経済志向への転換を打ち出した僅か18カ月後、ミッテラン政権は当時のフランスの通貨だったフランを、故意に通貨安に導きました。
輸出競争力の確保がその狙いです。
なおオランド大統領は就任早々ドイツのメルケル首相と会談したいという意欲を表明しています。そして欧州の経済成長をいかに導き出すかについてフランスの考えを伝えたいとしています。
つまり「成長」ということが欧州の新しいテーマとして急速に浮上しているのです。
オランド大統領はドイツのショイブレ財務相がEUの蔵相の集まりであるユーログループの議長になることを支持する立場を表明しています。これはドイツの顔を立てるという意味合いがあると思います。
国内的には選挙戦を戦っていた際の公約として、欧州安定化債の発行という案を持っています。欧州安定化債とは、インフラ投資に向けた、ヨーロッパ政府が共同で出す公債を指します。
またオランドは選挙戦の過程で、年間所得100万ユーロ以上の裕福層に対して最高税率75%の課税比率を適用してはどうかという考えを表明しています。
現在の最高税率は41%ですから75%というのはかなり極端な数字です。従ってこの税制改革については実現可能性を疑問視する投資家も多いです。
この他、選挙戦の際に提示した公約としては、欧州投資銀行の役割強化、金融取引税の導入、EU構造基金の活用などが挙げられます。
●ギリシャ総選挙の第一印象 急進左派連合の大躍進は番狂わせだったhttp://markethack.net/archives/51818287.html
日曜日にギリシャの総選挙がありました。
現在のところ正確な得票結果はわかっていません。
しかし有権者への投票後聞き取り調査などから、選挙の結果に関するきわめて大雑把な印象が浮かび上がっています。
以下に書くことは、日本時間7日朝6時現在の暫定的な情報に基づく第一印象です。
先ず今回の選挙ではこれまでの第一党だった全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が議席比率を解散前の43%から14%前後に落とし、第三党に転落しました。
逆に第二党だった新民主主義党(ND)が第一党に躍り出ました。
ギリシャの総選挙では第一党には50議席(16.6%)のボーナス議席が与えられることになっています。従って、今回獲得議席数、約58議席(≒19%)とボーナスを合算した議席数は108議席で、議席比率は36%と予想されます。
今回最大の番狂わせとしては、急進左派連合(シリザ)が議席比率を解散前の4%から約16%へと伸ばし、全ギリシャ社会主義運動を蹴落とす形で第ニ党へと躍進した事です。
今回の結果をグラフで示すと下のようになります。内側の円が今回の結果で、第一党となった新民主主義党の議席比率にはボーナス議席の16.6%が含まれています。
ギリシャでは歴史的に全ギリシャ社会主義運動と新民主主義党の二政党が議席数の80%程度を支配してきました。従って、それ以外の政党との協調という事は過去に余り経験が無いわけです。
今回は新民主主義党の議席数と第三党に転落しそうな全ギリシャ社会主義運動の議席数を合計しても50%にならないリスクがあります。するとこれまでパワー・シェアリングしてきたパートナー以外の相手、すなわち急進左派連合と多数派形成工作をしなければいけなくなる可能性もあります。
新民主主義党と急進左派連合が上手く力を合わせることが出来るかは未知数です。
幸い急進左派連合はユーロにとどまることを主張しています。
なお新民主主義党と急進左派連合は、いずれも国際通貨基金(IMF)と合意したギリシャ救済合意の条件緩和を主張しています。
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