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3月から4月にかけて、多くの時事問題が表れては消えていきました。
尖閣諸島問題、北朝鮮ミサイル問題、鳩山のイラン訪問、など、極東⇔中東を中心とする国際関係の激変が、今後の世界の情勢を考える上での中心ポイントとなるでしょう。
一方で、日本では2011年に就任した野田首相が、文字通り政治生命を賭けて、「消費税増税」を推進してきました。この裏には何があるのでしょうか?
●野田が異常に固執する「消費税増税」
2011年8月末に、野田氏が首相に就任して以降、異常な拘りを持ってきた「消費税増税」だが、2012年に入って本格的に議論が盛り上がり、2012年3月末に閣議決定された。
この背後には、野田首相を操る財務省の意向があり、その背後には大企業≒経団連の意向が強く働いている。
●軽減税率を通じて、天下り先を増やそうとする財務省
現行の5%から10%に引き上げられる消費税だが、全ての品目に関して10%になる訳ではないと考えられている。欧米のように、食料品など生活必需品の税率を、他の品目(贅沢品など)よりも引き下げる=軽減税率を適用すると言われている。
各業界において、軽減税率が適用されなければ、税率が高くなり消費が落ち込むことになる。つまり、どの業界も軽減税率が適用されるように、財務省に必死に嘆願することになる。
その嘆願を受けた財務省は、軽減税率を適用する見返りとして、軽減税率を適用する。つまり、財務省が消費税増税に固執する理由の一つに、「天下りポストの確保」があることになる。
●経団連=大企業連合は、消費税増税によって、金が入ってくる
政府・官僚にも大きな影響力を持つと言われる大企業連合=経団連は、財政健全化のために消費税増税は必要だと言う一方で、国際競争力を保つ為には法人税の減税が必要だと繰り返してきた。要するに、法人税減税の穴埋めとして、消費税増税を訴えてきたのだ。
さらに、「輸出戻し税」という制度があるがゆえに、輸出大企業は『消費税率が上がった方が、儲かる』という仕組みを享受している。
※輸出には消費税が課せられない。一方で輸出企業は原材料などの仕入れ時には消費税を払っている。そのため、その分が国から還付されるというのが輸出戻し税。ただ、大企業の多くは下請けに『消費税分くらいはまけろ』と迫り、自腹を切らせているケースが多く、実質的には消費税を払っていない。しかし書類上ではきちんと消費税を納めている形になっているので、後にその額が還付される。
輸出系大企業にとって消費税増税とは、内需の冷え込み以上のメリットを受けることができる政策なのだ。
国際巨大資本→大企業→財務省→野田首相 という軸を貫いて、「消費税増税」にひた走っていることになる。表に出ているのは野田首相くらいだが、彼があれだけ必死だということは、その背後に控える 巨大資本・大企業・財務省が形振り構わず消費税増税にひた走っていることを意味している。
<参考> これからの税制どうする? 第1回〜消費税増税するのなんで?
なぜ、国際金融資本(金貸し勢力)は、なんとしてでも消費税を増税しようとするのか?
●消費税増税を巡る別の切り口⇒日本国債暴落危機との関係は?
「消費税増税が必要である論」の前提になっているのは、財政収支のマイナス=膨らみ続けている国債発行残高にある。つまり、「この財政赤字を放っておけば、国債の発行残高が膨らみすぎて、いつか破綻する(大暴落を起こす)」というものだ。
実際、消費税増税議論が日本国内で活発化し始めた2012年3月には、海外の経済アナリストたちが「消費税増税が実現されなければ、日本国債が大暴落する可能性がある」ことをおおっぴらに表明していた。
しかし、(よく言われることではあるが)消費税が増税されれば、物価が上昇した分だけ消費が落ち込みむから、税率アップ分ほどは税収は増えない。逆に、消費が落ち込んだ分だけ景気が悪化し、法人税・所得税の税収が落ち込み、トータルの歳入が減少する可能性が高い。つまり、消費税増税によって、財政赤字=国債発行に歯止めが掛かるとはとても言えない。
※もし、景気を維持しながら、税収を上げようと考えるなら、消費や所得などのフローに税をかけるのではなく、所有している不動産などの資産に、つまりストックに税をかける必要があるだろう。
このように、長期的な視点から見れば、国債暴落の歯止めにはならない。
しかし、「消費税増税による財政健全化」がアナウンスされれば、短期的には世界中のマネーを日本国債に集中させる効果がある。
2008年リーマンショック以降、海外投資家による日本国債買い越しは高い水準を維持しており、今なお上がり続けている。これが、「消費税増税による財政健全化」によるアナウンスと共に、さらに加速する可能性が高い。
外国人による日本国債買い越し額(=買い付け額ー売り付け額)
これは、今まで「日本国内の金融機関が保有しているから、安全」とされてきた日本国債の価格決定権≒暴落の引き金が、海外ファンドに移りつつあることを意味している。日本国債暴落の引き金を、海外ファンド・金融機関が主導権を握るということは、海外ファンド(←国際金融資本)が日本経済に対する最大の”脅しの材料”を握ることと同義である。
特に、現システムの安定維持を最大課題・存在理由とする官僚組織にとっては、これ以上ない材料を手に入れたことになる。今までの”(反米政治家であった)小沢潰し”以上に、官僚が暴走する可能性が非常に高くなる。
さらに、従来から考えられてきたドルやユーロの連鎖暴落が、EUやアメリカ発ではなく、日本発で始まる可能性が高まってきた。日本国債=日本円の暴落によって、海外金融機関が得る利益は莫大なものになる。
(11年夏・金融危機5 日本国債の暴落によって莫大な利益を得ることができる)
この莫大な利益によって、ユーロ圏・ドル圏の経済秩序を(一定期間は)維持することは可能となるだろう。
★消費税増税は、日本経済の主権を取り戻すような政策とはなり得ず、逆に日本経済の主権を海外に明け渡すような政策となってしまう。
★消費税増税は、単に景気の悪化などという現象を作り出すだけに留まらず、日本経済が欧米経済(海外金融機関=金貸し勢力)の完全なコントロール化に置かれる状況を作り出す。
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