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日銀の追加緩和策は期待外れ?‐為替市場はやや円高に振れる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32472
2012年05月05日(土)真壁 昭夫 :現代ビジネス
4月27日、日銀は金融政策決定合で、資産買入等の基金を65 兆円程度から70 兆円程度に5兆円程度増額する追加緩和策を決定した。今回の追加緩和策の背景には、日銀自身がデフレ脱却に向けた強い意図を示すことがあった。金融専門家の間では、「日銀に対する政治的な圧力が高まっており、何らかの具体策を示さなければならない状況に追い込まれていた」との見方もある。
具体的な追加緩和措置では、長期国債の買入れを10 兆円程度増額、ETF(日本株式上場投信)の買入れを2,000億円程度、J-REIT(不動産投信)の買入れを100億円程度、それぞれ増額する一方、応札が低迷していた期間6か月の固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションを5兆円程度減額する。問題は、今回の緩和策がどこまで効果を発揮できるかだ。
■緩和策に対する株式・為替市場の反応
今回の措置について、多くの投資家の事前予想では、「国債買い取り額を10兆円増額し、買い取り対象年限を5年まで拡大する可能性がある」との見方が有力だった。実際の追加緩和策では、長期国債の買入れは増額に加えて、買い取りの対象年限も3年まで拡大された。また、社債も、長期国債と同様に買入れ対象の年限が拡大されている。その他にも、ETFやREITなどの買い入れ額も増額された。
しかし、全体としての金融資産買入れ基金の増額が5兆円にとどまったこともあり、金融市場の期待のすべてを満たしたとは言い難い。それだけに、政策としてのポジティブ・サプライズは殆どなかった。結果として4月27日の東京株式市場は前日を下回る水準で引けた。
一方、為替市場でも、やや円高方向に動いている。金融市場の反応を見る限り、市場参加者の多くは、「やや期待外れ」との感触を持ったのだろう。知り合いのヘッジファンドのマネジャーにヒアリングしても、「日銀の追加緩和策には失望した人が多いだろう」と厳しかった。
■ユーロ圏の信用不安問題等が重荷
ファンドマネジャーは日銀の追加緩和策に加えて、「ユーロ圏の信用不安問題が再燃すると、再び円が買われる局面が来る可能性が高い」と指摘していた。今後、ユーロ圏諸国では重要な選挙が実施される。選挙の結果、財政再建派が発言力を低下させるようなことになると、ユーロ問題は一段と深刻さを増すことが想定される。
それが現実味を帯びてくると、投資家はリスクを嫌って安全資産の保有を増やす。いわゆる“リスクオフ”の状態になるのである。そうなると、為替市場では、スイスフランや円などの“安全通貨”が買われやすくなる。既に、足元でそうした傾向が顕在化し始めており、スイスフラン・円ともに強含みの展開になっている。
また、米国経済では暖冬の好影響がはく落しつつあるようだ。最近の経済指標をみると、暖冬が終わった4月上旬以降、景気回復のペースが低下しているように見える。今のところ、FRBのQE3(量的緩和策第3弾)に対する期待が燻っていることもあり、対円でドルが急落することは考えにくいものの、短期的にドルが大きく買いこまれることは考えにくい。そうした状況を考えると、円が不安定な展開になる可能性は高いとみられる。
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