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2018〜2020年にかけて日本の「バブル崩壊」に匹敵する事件が起こると予想されています
▼国家ライフサイクルの法則
もう少し、「国家ライフサイクル」についてみてみましょう。
・混乱期(前の体制からの移行期)
国全体が荒れています。
日本人なら、幕末から明治維新のはじめまでといえばイメージしやすいでしょうか?
いまなら、アフガニスタン、エジプト、シリアなんかは混乱期でしょう。
・成長期
混乱期が終わる最大の条件は、「政治の安定」です。
それと「正しい経済政策が行われること」。これで成長がはじまります。
その際、別に「民主主義」とか「独裁」とか政治体制は問題にされないのですね。
たとえば、中国は「共産党一党独裁国家」です。ロシアだって、「プーチンの独裁だ!」と非難されている。カザフだってそう。
しかし、経済は急成長をつづけてきました。
「政治の安定」
「正しい経済政策」
これがあれば、「混乱期」が終わり、「成長期」に乗れます。
そして、成長期前半に経済を支える最大のパワーは、「人件費の安さ」なのです。
なぜ1960年代、日本製品が「安かろう悪かろう」といわれながら欧米市場に食い込んでいったのか? 安かったからです。
なぜ1990年代、中国製品が「安かろう悪かろう」といわれながら日欧米市場に食い込んでいったのか? 安かったからです。
なぜ製品が安いのか? そう「人件費が安い」からです。
(ロシアのような資源国家の場合、人件費は高くても、オイルマネーの流入で成長することもある。が、例外扱い)
・成熟期
強さは弱さに転化します。
「人件費の安さ」で急成長をつづけてきた「成長期」国家。
ところが、成長をつづければ「人件費」は高くなっていく。
それで、「安い製品」がつくれなくなっていきます。
すると、他のもっと「人件費」が安い国からの製品におされるようになってくる。
で、企業はどうするか?
人件費が高くなった母国を捨て、人件費の安い他国に生産拠点を移していく。
いわゆる「空洞化現象」が起こってくる。
他国に生産拠点を移した企業は、他国人を雇い、他国に税金を払うため、母国への貢献度は減っていきます。
国は一般的にどうするか?
なんとか経済成長をつづけようと、財政出動を繰り返し、「財政赤字」を蓄積させていきます。
私は何がいいたいのか。
「人件費の安さ」「人件費の高さ」に抵抗できる国なんて存在しないのです。
(いや、細かく見ると、それを超越しているスイスのような国もあるが・・・。あるいは、資源大国も。)
アメリカ、40年代50年代は、「一人がち」だった。ところが60年代になると、日本製品におされはじめた。
80年代、日本は「NO1」だった。ところが90年代になると中国製品におされはじめた。
結局、国は「人件費によって栄え」「人件費によって滅びる」といえる。
中国だって同じこと。
なんやかんやいっても中国成功の秘密は、
・人件費の安さで外国企業をよびこんだ
・安い製品で世界市場を席巻した
ことにあります。
だから、人件費が高くなれば、あっさり崩れ去る運命にあるのです。
▼既にはじまっている「崩壊」のプロセス
私は、「中国は08〜10年、危機に陥るが、立ち直りははやい」と7年前から書いてきました。
で、今はどうなのでしょうか?
国家ライフサイクルでいうと、中国は2008〜10年に「成長期後半」に入りました。
私の読みが正確であれば、2018〜2020年にかけて、日本の「バブル崩壊」に匹敵する事件が起こると予想できます。
「・・・・・・・・なんだ結構先だな」と思われたでしょう?
しかし、夏の終わりに秋がはじまっているように、秋の終わりに冬の兆しが見えるように、
「中国経済崩壊」の兆しは散見されるようになっているのです。
たとえば、こんな記事を見てみましょう。
<中国「世界の工場」終焉か? 日本や米国企業の撤退・縮小進む
J-CASTニュース 4月28日(土)18時24分配信
「世界の工場」とされた中国から企業の撤退や事業縮小が始まっている。
背景にあるのは人件費の高騰が大きいが、中国独自のさまざまな規制や参入障壁、参入後の競争の激化に知的財産権の問題なども残る。>
「中国から企業の撤退や事業縮小が始まっている」そうです。
もっと具体的な話にいきましょう。↓
<ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が、米国を拠点とする製造業106社を対象に調査したところ、全体の37%の企業が「中国からの製造拠点の移転を計画、または積極的に検討している」と回答。
売上高100億ドル(約8150億円)以上の企業では、48%がそう答えたという。>(同上)
アメリカ企業の約4割、大企業では約半分が、中国からの生産拠点移転を計画していると。これは中国にとって深刻な打撃ですね。
日本企業はどうなのでしょうか?↓
<「洋服の青山」を展開する青山商事は、現在75%ある中国の生産比率を3年後には50%に縮小する計画だ。
中国製の「安さ」を売りものに紳士服の販売を伸ばしてきた同社も、「人件費の高騰」を理由にあげるており、今後はベトナムやカンボジア、インドネシアなどに縫製部門を移す。
同社は「中国からの撤退ではなく、一部を移転するだけです」と話している。
アパレルでは「ユニクロ」を展開するファーストリテイングも、中国以外での生産規模を拡大する傾向にある。>
ちなみに、中国の人件費は日本の10分の1。
ベトナムの人件費は日本の40分の1、中国の4分の1。
いくら中国でも勝てませんよ、この差は。
同じ労働している人に、「4万円払いますか?1万円払いますか?」ときかれ、「4万円払います」という経営者がいればクレイジーです。実際、そんな経営者は、メッタにいません。
<富士ゼロックスは、年内をめどに商業用の高速デジタル印刷機の生産を、中国から新潟工場に移管する。
中国での生産は量産品に特化。
同社は、「新潟工場の生産効率が上がってきたこともあり、まずは1機種を移すことにしました」と説明。他の機種も状況をみながら検討する。>(同上)
こちらは、「日本国に回帰する」といううれしいニュースです。
▼これからの中国は?
さて、これから中国はどうなっていくのでしょうか?
常識的に考えれば、人件費は上がりつづけていくでしょう。
中国に「安い人件費目当て」で進出していた日欧米企業は、今後ますます他国に移動していくことでしょう。
また、中国企業でも、できる企業はドンドン他国に生産拠点をうつしていきます。
「人件費の高騰」→ 「空洞化」→ 「低成長化」という流れは、とめられない。
つまり中国は、「一人がち」と絶賛される(夏)一方で、既に崩壊にむかって歩みだしていることがわかるのです。
プロセスは、今後数年かけてゆっくり進んでいきます。
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