02. 2012年5月02日 11:58:34
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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!ILOの警鐘の受け止め方 2012/05/01 (火) 11:41 ILO(国際労働機関)が先月29日、世界の労働市場に関する年次報告書を発表したと言います。 で、何と言っているかと言えば、「欧州や米国などの緊縮財政が、雇用の回復に悪影響を及ぼす」と。 まあ、それはそうでしょう。各国の中央政府が財布のひもを締めれば、それだけ景気にブレーキを かけ、ひいては雇用回復にもマイナスの影響を与えるというのはそのとおり。 だったら、ここは景気回復を優先して、政府が財政出動に乗り出すべきなのか? しかし、そもそも今何故欧州勢や米国が緊縮財政に取り組んでいるかと言えば、それは長年の ルーズな財政運営の結果、余りにも政府の債務残高が大きくなったからであるのです。そして、政府の債務残高がもはや持続可能な水準を超したと感じた投資家は、そうした国の国債を敬遠する ようになり欧州危機が発生した、と。 「でも、アメリカの国債は、依然として人気があるのでしょ?」
確かに、アメリカの国債の利回りは今未曾有の低い水準にあるのです。つまり、利回り水準から判断すれば、アメリカの国債は敬遠されるどころか、今まで以上に投資家に支持されているのです。 「だったら、ギリシャやイタリアなど南欧の国は別としても、アメリカは財政出動をして、景気を優先させる政策を採ったらどうなの?」 確かに、それも一理ある考え方であるのです。現にノーベル賞受賞者であるクルーグマン教授は、今こそ財政出動が大切なのだと声高に叫んでいます。しかし、そのようなことをいう学者は一部に過ぎず、特に政治家は財政出動には消極的であるのです。というか、米国の場合には、政府の債務残高にはシーリングがかけられており、それを越して政府が借金をするためには改めて議会にそのシーリングを上げてもらう必要があるので、政府の一存でどれだけでも借金ができるようにはなっていないのです。 つまり、財政出動に打って出るためには、そもそも政治家に考え方を改めてもらう必要があるのですが、例えば共和党は、そもそも大きな政府の概念には反対であって、財政出動によって景気をよくするというような発想がないのです。政府にお金を使わせると、どうしても無駄が発生したり或いは非効率なお金の使い方になってしまうので、お金の使い方はできるだけ国民自身に任せた方がいいという考え方をするのです。 「でも、オバマ大統領の所属する民主党は、そのような考え方はしないのでしょ?」 確かに民主党は労働者や弱者のことを優先した考え方をし、そのため政府のやるべき仕事は多くなるのはそのとおりであるのですが、ご承知のようにアメリカも日本と同じく捻じれ現象が発生しているために、共和党の意向を尊重することなしには議会運営ができない状態になっているのです。 ということで、米国も結果として日本と同じような経済運営をせざるを得ない状況になってきているということなのです。つまり、財政の紐はきつく締める一方で、金融面ではウルトラ緩和策を採用する、と。 ということで、日本も米国もともに、事実上のゼロ金利政策を継続しているだけでなく、これまで禁じ手とみられた長期国債の買い入れなども行っているのですが、それでも景気は今一つぱっとしない、と。 「だから、この際考え方を改めて、米国も日本も財政出動をしてみたら?」 しかし、少なくても日本の場合には、バブル崩壊以降、どれだけ大型の補正予算を組んでも景気が回復する兆しはなく、単に政府の借金ばかりが増えてしまったという経験があるので、そう簡単に財政出動という訳にもいかないのです。 アメリカについては、そもそもアメリカは双子の赤字に長年悩まされている訳ですが、そのことは、 アメリカ経済が消費過剰の体質になっており、それを改めることが必要ではないかという考え方があるのです。それに、このまま借金を増やし続けると、益々中国が米国国債を保有するようになり、そうなるとアメリカの将来が中国に牛耳られてしまうでしょう。 確かに、クルーグマン教授は言うのです。このように不況でアメリカが苦しみ、そして失業率が高止まりしている今こそ、政府が出動して不況から一刻も早く抜け出すべきだ、と。もし、それでも不況から脱出できなければ、財政出動の規模を増やせばよい、と。 でも、そうやってどれだけ財政出動をしても、景気が力強く回復する保証はどこにもないのです。 「だったら、さらに財政出動をすればよいのでは?」 でも、米国政府がそうやって国債の発行に無頓着になると、恐らく海外の投資家を中心に米国国債を敬遠する動きが一気に強まるでしょう。で、そうなれば、言うまでもなく米国経済はパニックに襲われ、良かれと思ってやった財政出動も逆の効果を生むだけに終わるのです。 ということで、問題は、何が正しい考え方であるかということよりも、米国国債を大量に保有している投資家が、今後どのような行動に出るかということであるのです。つまり、中国などが今後もどんどん米国債を購入するという強い見通しがあれば、それほど懸念することもないのでしょうが‥ 既に中国では数年前から、これ以上米国債を購入するのは止めるべきだという声が強くなっているので、そういったことを意識せざるを得ないのです。 以上 3 @hbkwi放送大学、放送大学大学院生、放送大学への入学を検討されている方へ向けて、放送大学ニュースをピックアップ!「週刊放送大学ニュース」はこちら! http://t.co/cM4jdN9n @zbcfさんから 関連記事 財政出動それとも緊縮財政? | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! | Klugクルーク - FX... 海外に対する国債PR | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! | Klugクルーク - FX投資家... ギリシャ国債がジャンクボンドに | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! | Klugクルーク - ... 国債増発 | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! | Klugクルーク - FX投資家向けの為替ニ... 無利子国債は地方を救うか | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! | Klugクルーク - FX投... Twitter(最新 3) klugklugklug ILOの警鐘の受け止め方 http://t.co/8HuKU0qD 15時間5分前 lucky003x04 ILOの警鐘の受け止め方: ILO(国際労働機関)が先月29日、世界の労働市場に関する年次報告書を発表したと言います。 で、(つ (つづきはこちらから) http://t.co/5xJwfXHp 15時間7分前 fxitizi ILOの警鐘の受け止め方: ILO(国際労働機関)が先月29日、世界の労働市場に関する年次報告書を発表したと言います。 で、(つ (つづきはこちらから) http://t.co/QTP0t3qO 15時間7分前 はてなブックマーク(総数 0) 関連キーワード キャピタル考え方国債アメリカ政府 関連リンク 麻生元首相「政府が今やるべきは財政再建ではなく、財政出動だ」 【政治】麻生元首相「政府が今やるべきは財政再建ではなく、復興が緒に付くまでの財政出動だ」 新居浜市の... 財政出動なしでは景気は悪くなる さぁ、財政出動だ! − やだひろしの“セカンド・オピニオン” 財政出動路線に戻れ…「反菅」会合に延べ250人 Facebook PR / Ad Space
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GW 取引はどうしますか? いつもより時間が取れるので、より積極的に 平常運転 少しペースを落として、たまに相場をのぞく しっかりお休み、相場は見ない 1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。 大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、 中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。 以降、経済コラムニストとして活躍。 メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。 著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、 「ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、 「経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。 企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。
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