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低所得層襲う「新型インフレ」日本にも
編集委員 小竹洋之
2012/4/26 7:00日本経済新聞 電子版
小竹洋之(こたけ・ひろゆき) 88年日本経済新聞社入社。経済部、産業部、ワシントン支局、経済部次長などを経て、11年4月から経済部編集委員兼論説委員。専門分野はマクロ経済、税財政、国際金融など。
「スクリューフレーション」(screwflation)という米国の造語をご存じだろうか。米投資情報誌バロンズの2011年6月の電子版によれば、インフレ(inflation)で低中所得層の困窮(screw)に拍車がかかる現象を指す。
関連記事
・3月26日日経朝刊3面「原油高、家計にじわり」
・3月30日日経夕刊3面「消費者物価0.1%上昇」
・4月12日日経朝刊3面「食品や日用品、値上がり4割」
・4月18日日経朝刊5面「日銀、物価予測上方修正へ」
今の米国にインフレのレッテルを張るのは、多少無理があるだろう。「インフレ」の部分を「エネフレーション」(eneflation=エネルギー高)や「アグフレーション」(agflation=食料高)と言い換えた方が、しっくりするのかもしれない。
今週の筆者
月(国際) 藤井彰夫
火(政治) 秋田浩之
水(企業) 中山淳史
木(経済) 小竹洋之
金(企業) 田中陽
■日本も無縁ではない
新興国の経済発展、日米欧の金融緩和、不安定な中東情勢……。様々な要因が重なって生じた原油や穀物などの値上がりは、とりわけ低中所得層の生活を圧迫し、高所得層との格差を広げる方向に働く。そんな病が先進国をむしばもうとしているのは確かだ。
10年越しのデフレにあえぐ日本は、スクリューフレーションとは無縁なのか。その答えは残念ながら「NO」である。
原油や穀物などの値上がりは低中所得層の生活を圧迫し、高所得層との格差を広げる。写真は原油先物の市場があるニューヨーク・マーカンタイル取引所
2月の全国の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年同月を0.1%上回り、5カ月ぶりの上昇に転じた。電気代やガソリン、国産米の値上がりが目立ち、パソコンや冷蔵庫などの値下がりと明暗を分けた。
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主任研究員によると、CPIの調査対象524品目のうち、2月の上昇品目は39%、下落品目は49%を占める。直近で両者の開きが最も大きかったのは、10年5月の22%と67%。これを境に上昇品目が徐々に増えているという。
■値上がりするのは「生活必需品」
しかもCPIの押し上げ要因になっているのは、国民生活に欠かせない「光熱・水道」「食料」「交通・通信」といった費目である。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストの試算では、「ぜいたく品」が00〜11年に6%値下がりしたのに対し、「生活必需品」は1%値上がりした。
こうした物価の二極化は低中所得層に厳しい。永浜氏が11年の消費支出(2人以上の世帯)に占める生活必需品の割合を計算したところ、年収200万円未満は62%、年収1500万円以上は39%だった。エネルギー高や食料高の影響をどちらが強く受けるかは一目瞭然だ。
もちろん日本のデフレは根深い。年率換算で15兆円の需要不足を解消するのは容易ではなく、日銀が目指す前年比1%のCPI上昇率を達成するにはなお時間がかかる。成長戦略と金融緩和を組み合わせ、デフレから確実に脱却するのが重要なのはいうまでもない。
同時にエネルギー高や食料高の「体感温度」が、どの所得階層に属するかで大きく違ってくることも忘れてはならない。原子力発電所の停止に伴う電気代の値上げや消費増税の価格転嫁も控えるだけに、低中所得層の負担感が高まりすぎないよう目配りする必要がある。
「デフレは陰惨な化け物で、インフレは陽気な化け物だ。同じ化け物なら陽性の方がいい」。1998年3月、自民党の梶山静六元官房長官がこう語っていたのを思い出す。どちらも深刻な病ではあるが、より厄介なのはインフレよりもデフレだという当時の思いを反映していた。
それから10年以上がたち、今度はスクリューフレーションとの戦いが始まるのだろうか。この化け物も相当手ごわそうである。
http://www.nikkei.com/news/print-article
4月上旬の貿易収支は4551億円の赤字、前年同期から赤字倍増
2012年 04月 26日 11:42
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[東京 26日 ロイター] 財務省が26日に発表した4月上旬の貿易統計速報は4551億5600万円の赤字となった。昨年の4月上旬は1729億3800万円の赤字で、赤字幅は2倍以上に広がった。
赤字が拡大した主因は輸入の増加。輸入額は2兆0302億6600万円と前年同期から21%増えた。財務省によると、原粗油や液化天然ガスなどの輸入増が目立ったという。輸出は1兆5751億1000万円で同5%増。自動車輸出などが増えたものの、半導体電子部品などが伸び悩んだ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE83P01E20120426
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