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量的緩和は「ニセ妙薬」に近い 市場の誤解を利用するFRB   デフレを巡る3つの神話 日銀をいじめたらデフレから脱却でき
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/746.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 26 日 01:14:44: cT5Wxjlo3Xe3.
 

#これまでの量的緩和の拡大は、デフレ脱却効果がほとんどなかった(コストプッシュインフレはあったが、本来期待された消費や貸出=投資の拡大が非常に小さかった)というのは日米英では実証されている(緩和量を増やすほど、効果が小さくなっている)。

これは理論的に予想されていたことだ

一方、心理的効果(インフレターゲットなどで日銀が何とかできるのではないかという期待効果)は大きかった

ただし「効果がなく、ある時点でハイパーインフレになる」と言う主張も、実証的・理論的な根拠が乏しい

財務省が発行する時、その国債と同種・同額の国債を、日銀が市場から買い取ることを続けたら(実質的な国債引き受けと等しい)、金利や為替はどう変化するか

予想としては、経常収支や海外動向など外部変数が変化しない限り、ほとんど影響はないだろうが、実験してみる価値は少しはある


http://diamond.jp/articles/-/17597
量的緩和は「ニセ妙薬」に近い
市場の誤解を利用するFRB

 量的緩和策(QE)は、「愛の妙薬」に似ている。ドニゼッティのコミカルなオペラ「愛の妙薬」には、怪しげなニセ薬売りが登場する。彼は田舎の村を渡り歩き、あらゆる病気、あらゆる心の悩みに効く万能薬を売りつける。

 実際はただの安ワインなのだが、主人公の純朴な青年ネモリーノは、それが恋の悩みにも効くと騙されて購入してしまう。「妙薬」を飲んだ彼は、もりもりと勇気が湧き(単に安ワインに酔っている)、憧れていた女性に強気にアプローチする。そこにいくつかの幸運も加わって、めでたく2人は結ばれるというストーリーである。

 中央銀行が市中金融機関の超過準備を大規模に増加させると、さらに金融緩和が進んで、マネーサプライが増加し、その国の通貨は下落する、という見方がある。しかし、そういった貨幣乗数モデルは今は機能しない。中央銀行がいくら大量にマネタリーベースを増やしても、その資金は市中に流れず、単に中央銀行の当座預金に退蔵されるだけに終わってしまう。

 最大の理由は、銀行経営における資本の制約にある。貨幣乗数モデルは、準備預金を追加的に手に入れた銀行は、貸し出しや証券投資を自動的に増加させることを前提にしている。しかし、現代の厳しい自己資本比率規制、レバレッジ規制の下ではそうはならない。

次のページ>> QE2の効果は多分に誤解から生じた心理的な「ニセ妙薬効果」

 実際、FRBは2010年11月から翌年6月にかけて、いわゆるQE2によって金融機関の準備預金を6000億ドル増加させたが、その大半は実体経済に流れていない。米国における外国銀行がドル短期金融市場でそれをかき集め、FRBの当座預金に預けることで鞘を抜いているだけだ。米国の短期金融市場関係者の間ではそうした見方は今や常識となっている。外為トレーダーやエコノミストが「マネタリーベースを増やせば金融緩和になる」と言うのを耳にすると、彼らは「わかってないなあ」とあきれた顔をする。

 とはいえ、FRBがQE2を導入したら、ダウやコモディティは上昇、ドルは下落という反応が市場で一時見られた。それらは多分に誤解から生じた心理的な「ニセ妙薬効果」だったといえる。

 量的緩和策が額面通りには機能しないことを、実はバーナンキFRB議長はよく認識している。彼は「金融政策は万能薬ではない」と度々述べ、先日の議会証言では、市場への資金供給を増やしても「単に準備預金が電子的に増加するだけだ」と述べた。その点では彼はニセ薬売りとは違うのだが、市場の誤解をあえて利用してきた面はある。その問題点については、次の機会にまた述べてみたい。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35092 日本経済の幻想と真実
デフレを巡る3つの神話 日銀をいじめたらデフレから脱却できるのか
2012.04.26(木)
自民党は4月25日の財務金融部会で日銀法の一部改正案を取りまとめ、今国会に提出する方向で、公明党や、すでに日銀法改正案を出しているみんなの党との連携をさぐる方針を決めた。
 民主党でも一部の議員が日銀法改正を提案し、前原誠司政務調査会長は「しかるべき時期に財務金融部門会議でも日銀法改正について議論していただきたい」と検討を指示した。
 やれやれ、またか・・・という感じである。何度つぶされても懲りないで同じような法案を出してくる政治家の頭はどうなっているのだろうか。今回は、彼らの信じている「神話」を検討してみよう。
【神話1】不況の原因はデフレである
 彼らはよく「デフレ不況」という。まるでデフレが不況の原因みたいだが、いったいどういう論理でデフレは不況を起こすのだろうか。政治家がその理由を論理的に述べたことはほとんどないが、みんなの党幹事長の江田憲司氏は、ブログでこう書いている。
 価格が下がり続けるということは、モノ、サービスよりも貨幣への選好が強い。すなわち、モノやサービスを買うのを手控えて、お金を持っていた方が良いと消費者が考えるからだ。その結果、モノの値段が下がる。これがデフレ現象だ。

 つまり人々が「モノやサービスを買うのを手控える」からデフレになり、不況になるという論理で、彼の頭の中ではデフレと不況は同じものらしいが、これはおかしい。
 いま10%のデフレになったとしよう。そうすると人々の所得が同じなら、10%多くの商品が買えるようになるので消費は拡大する。これを「ピグー効果」と呼ぶが、消費者にとってはデフレは望ましいのだ。
 他方、デフレで実質賃金が上がるため、労働需給が悪化し、失業率が増える可能性がある。これがデフレの弊害だが、日本の実質賃金はこの10年間で約8%下がっている。この最大の原因は非正社員が増えたためだが、結果的にはこれによって日本の失業率は5%以下と、先進国では低い水準に収まっている。
 またデフレによって債務が増える可能性もあるが、これは借り換えのとき金利を下げることができ、現実に実質金利は下がっている。したがってデフレによって不況が起こることは考えられない。
つまりデフレは不況の原因ではなく結果なのだ。政治家が「デフレだから不況になる」というのは「物価が下がると何となく景気が悪い感じがする」という印象論に過ぎない。
【神話2】デフレの原因は通貨供給が少ないことだ
 江田氏は「日銀は、まるで『デフレターゲット』を設定しているかのように『デフレ退治』に熱心ではない」と批判し、日銀の通貨供給が少ないことがデフレの原因だとしているが、それは本当だろうか。
 通常は日銀が通貨(マネタリーベース)を供給したら、市中に流通する通貨(マネーストック)が増え、それによって物価が上がる。ところが下の図のように、日本ではマネタリーベースを激増させてもマネーストックはほとんど増えていない。
マネタリーベースとマネーストック平均残高の増加率(前年比%)日銀調べ
http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/7/6/-/img_76cbfe97c9a96b58c9ae10179fb5ca6071362.jpg
 この原因は、金利がゼロに張りつく流動性の罠と呼ばれる現象が起こっているからだ。貨幣の需給は金利で調整されるが、それがここ10年間ほぼゼロなので、貨幣が超過供給になっているのである。
 これは貨幣と考えると難しそうだが、貨幣の代わりにバナナと考えると分かりやすいだろう。金利はバナナの値段と同じで、安くすればバナナは売れる。しかしバナナの値段がゼロになったらどうだろうか。
 値段がゼロだということは、それ以上だれも欲しくないということだから、いくらバナナを供給してもバナナは売れない。バナナに対する需要が増えない状態で、供給をいくら増やしても流通量は増えないのだ。
 貨幣で言い換えると、ゼロ金利で資金需要が飽和しているときは、マネタリーベース(バナナの供給)をいくら増やしても、マネーストック(バナナの流通量)は増えない。つまりデフレが止まらない原因は、通貨供給が足りないことではなく資金需要が足りないことなのだ。

 それでもバナナをどんどん供給すれば(理由は分からないが)売れるようになるかもしれない、という発想で行なわれたのが2000年代前半の量的緩和だが、上の図のように最大36%もマネタリーベースを増やしてもデフレは止まらなかった。
 根本的な原因は、民間投資が減退して資金需要が出てこないことだ。これは実体経済の問題なので、日銀には何ともしようがない。政府が規制改革や税制改革で支援すべきなのだが、それが政治的に難しいため、日銀に責任を押しつけているのだ。
【神話3】インフレ目標を設定すればインフレが起こる
 江田氏は、デフレ対策として「お金を持っているより、モノやサービスに投資した方が得策だと思わせる、すなわち、明確な中央銀行の金融緩和への意思を打ち出し、将来のインフレを予想させることが必要となる」と述べている。
 みんなの党や自民党の日銀法改正案では、政府と日銀がインフレ目標についての協定を結び、それが達成できなかったら総裁の更迭などの罰則を設けている。だが、前にも見たようにゼロ金利のもとでは通常の金融政策でインフレを起こすことは不可能だ。したがって目標を設定しただけでインフレが起こることはありえない。
 「ゼロ金利でも長期国債には金利がついているので、それを買えば緩和効果がある」という意見もある。これも日銀がやったが、効果がなかった。日本の長期国債の金利は1%前後で安定しているので、数十兆円の買い入れではほとんど動かないのだ。
 それでも日銀が無限に国債を買えば、そのうちいつかインフレが起こるかもしれない。しかしそれは通常の資金需給によるインフレではなく、インフレ予想によるものだ。したがって100兆円で1%、110兆円で1.1%というように徐々に(線形に)起こるのではなく、最初は買い入れ量をいくら増やしても何も起こらず、ある閾値を超えたところで突然、起こるおそれが強い。
 いったん市場が「インフレになる」と判断したら、銀行は国債を売り逃げ、それによって金利上昇(国債の暴落)が起こり、売りが売りを呼ぶ。実体経済のインフレとは違って金融市場のバブル崩壊は一挙に起こるので、ゆるやかな金利上昇(インフレ)で止めることはできない。
 だから日銀がインフレを起こすことは不可能ではないが、それを1%で止めることは難しい。何も起こらないか、激しいハイパーインフレが起こるかのどちらかだろう。
 日本国債は世界の株や債券が大幅な損失を出している中で、異例の安定した価格を保ってきた。これは民間の資金需要が少ないため、銀行の資金が融資ではなく国債に回っていることが原因だ。その銀行に資金を供給しているのが日銀で、過剰な通貨供給が国債バブルを生み出しているという批判も強い。
 これ以上、日銀が通貨を供給することは、ゆるやかなインフレよりも国債バブルを膨張させるリスクの方が大きい。やってみなければ分からないので、わずかな可能性に賭けて日銀が国債を100兆円以上どんどん買う実験もありうるが、それは日本経済の破滅を賭けたギャンブルである。
 

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コメント
 
01. 2012年4月26日 10:10:47 : tXiswx1DVo
よくもまー、恥ずかしげも無くこんな投稿できるなー。アホですか?

不況の原因は円高だ。デフレはその産物だ。そして円高は日銀が作ってる。だから日銀をバッシングしなくちゃならんのだろうが!!


02. 2012年4月26日 10:59:04 : 3CNLte9sGM

何もしなければ「将来禍根残す」、日銀27日決定会合−水野元委員

  4月26日(ブルームバーグ):日本銀行審議委員を務めたクレディ・スイス証券の水野温氏取締役副会長は、27日の金融政策決定会合で「日銀にとって何もしないという選択肢は非常に難しいだろう。もし何もしなかったら将来に禍根を残すだろう」との見方を示した。25日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。
日銀は2月14日の決定会合で、消費者物価指数(CPI)前年比上昇率で「2%以下のプラス、当面1%」を「中長期的な物価安定のめど」として設定。当面1%上昇を目指し、それが見通せるまで実質ゼロ金利政策の維持と資産買い入れ等基金などにより、強力に金融緩和を推進していくと表明し、10兆円の長期国債買い増しを決めた。
日銀が今月27日午後公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2012、13年度のCPI上昇率の見通しがいずれも1%に届かないとみられるため、今会合で景気と物価を後押しするため追加緩和に踏み切るとの見方が強い。ブルームバーグが有力日銀ウオッチャー14人を対象に行った事前調査でも全員が追加緩和を予想している。
白川方明総裁は10日の会見で、27日の会合で経済・物価の見通しを「特に念入りに点検し、そうした見通しに基づいて適切な金融政策を行っていきたい」と発言。西村清彦副総裁も18日の講演で「日銀として、今後も必要に応じて追加的な手段を講じていく姿勢にある」と述べた。水野氏は「金融市場は既に27日会合で日銀の追加緩和を織り込んでしまっているので、日銀は何かせざるを得ないだろう。市場は日銀が何かしなければならないと信じている」と語る。
市場との対話崩壊も
水野氏は「日銀が2月14日の金融政策決定会合後、それまでの『中長期的な物価安定の理解』に替えて、『中長期的な物価安定のめど』を公表したのは、金融政策運営の透明性の向上、分かりやすさが目的だったが、日銀が27日会合で何もしなければ、市場との対話は完全に崩壊する」と指摘する。
金融市場では日銀が27日会合で資産買い入れ等基金を5兆円増額するのか、10兆円増額するかで見方が分かれている。水野氏は「5兆円増額するのか、10兆円増額するのかよりも、日銀が壊れかかった市場との対話をいかに再構築するかの方がもっと重要だ」としている。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/26 09:22 JST


03. 2012年4月26日 11:11:14 : Pj82T22SRI

>心理的効果(インフレターゲットなどで日銀が何とかできるのではないかという期待効果)は大きかった

現実の投資の世界は、心理的効果が大きい

だから市場との対話が重視されるようになってきている

日銀の場合、FRBと違い、政策目標が通貨価値の維持にあるから、明らかに引締め優先のスタンスを続けており

なかなか、その伝統から抜け出せない

また、それは米国と比べ、税金に依存する膨大な年金高齢者やその予備軍の政治力が強く、

当局自体が、その一部だと市場から見られていることも対話を困難にしている


大学教授や官僚ではなく、水野元委員のように投資家や企業家からのメンバーを増やせば、そうしたバイアスは消えていくが

今度はFRBのようにインフレ(投資家優遇)バイアスと勘違いされて、大衆の不満を高めるリスクが出てくる

新興国の成長で、相対的に縮んでいく先進国では、金融も財政も、常に批判される宿命にあるということだな


>>01

投稿の中身を理解してからコメントした方がいい


04. 2012年4月26日 12:27:46 : 3CNLte9sGM

4月上旬の貿易収支は4551億円の赤字、前年同期から赤字倍増
2012年 04月 26日 11:42  

小沢元民主代表に無罪判決、市場の反応は限定的
[東京 26日 ロイター] 財務省が26日に発表した4月上旬の貿易統計速報は4551億5600万円の赤字となった。昨年の4月上旬は1729億3800万円の赤字で、赤字幅は2倍以上に広がった。

赤字が拡大した主因は輸入の増加。輸入額は2兆0302億6600万円と前年同期から21%増えた。財務省によると、原粗油や液化天然ガスなどの輸入増が目立ったという。輸出は1兆5751億1000万円で同5%増。自動車輸出などが増えたものの、半導体電子部品などが伸び悩んだ。


05. 2012年4月26日 15:41:49 : 3CNLte9sGM
最小対応で最大効果のFOMC、日銀はミニマム回答なら失望も
2012年 04月 26日 14:25 JST

Mスタンレー中国不動産投資の元「スター」、贈賄めぐる罪認める
三菱自の今期営業益見通しは前年比9.9%増、新興国で販売増加
中国はさらに市場開放すべき=米カーク通商代表
[東京 26日 ロイター] FOMC(米連邦公開市場委員会)は「ノーイベント」に終わったが、マーケットに波乱はない。バーナンキFRB(連邦準備理事会)議長が会見で、量的緩和第三弾(QE3)期待を維持させたことが効いている。来月発表の4月米雇用統計が下振れたとしても、追加緩和期待が高まるとの見方が継続されたことで、最小の対応で最大の効果をあげたとの評価が出ている。

一方、あす決定会合を開く日銀に対して市場の「期待値」は高く「ミニマム回答」では失望されるリスクも浮上してきた。

<ハト派色後退だが、追加緩和の期待維持に成功>

FOMCではハト派色が薄まったと受け止められている。政策据え置きは予想通りだったが、金利動向に関するFRB当局者の予想では、最もハト派的な当局者の利上げ開始時期が前倒しされたほか、経済見通しでも、失業率が下方修正される一方でPCEデフレーターは上方修正された。みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「足元の経済状況に関する認識では、住宅セクターにおける改善の兆候の記述が加わったほか、インフレ率がやや上向いたという事実が記された。景気の先行き見通しについての表現が強められた」と指摘する。

ハト派色の後退は株式やコモディティーなどリスク資産にとってネガティブ材料であるが、25日の反応は限定的だった。バーナンキ議長がFOMC後の会見で、必要なら景気支援に向け追加措置を講じる考えを示したためだ。議長は「目的達成に向け、必要ならバランスシートに関する追加的措置を講じる全面的な用意が引き続き整っている」とし、「これらの手段は依然として選択肢からまったく外れておらず、追加支援が必要な場合にはためらわず活用する」と言明。米ダウ.DJIは上値を伸ばした。

政策を据え置き、景気見通しを前進させる一方で、マーケットの緩和期待も維持したその手法に、市場からは「絶妙だ」(三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏)と高い評価が出ている。「最小の手法で最大の効果を上げた。何かあれば追加緩和があるとの期待を維持したことで、4月米雇用統計が下振れても、市場に波乱はないだろう」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏)という。

前場の日経平均.N225は小幅続伸。ファナック(6954.T: 株価, ニュース, レポート)など市場予想を下回る決算だった銘柄への売りが強まったが、良好な米企業決算や米FRB議長発言などを受けて買いが先行した。市場では「非常事態には迅速に追加緩和に動く姿勢を示したことが、市場の支援材料となるだろう。次回の6月FOMCではツイストオペの延長など何かしらの対策が出てくるとみている」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏)との声が出ている。

<日銀緩和に失望なら円高・株安リスク>

一方、あす決定会合での追加緩和策実施が市場に織り込まれてしまった日銀は、「ミニマム回答」ではマーケットが失望するリスクを抱える。FOMCが無風に終わったことで、プレッシャーは低下したが、市場では「基金増額10兆円、買い取り国債年限長期化でようやく中立。基金増額5兆円と購入期間の6カ月延長だけでは失望されるおそれもある」(国内証券ストラテジスト)との声も出ている。

実際、為替市場における投機筋のポジションは円高方向に振れやすい状況にあるとみられており、失望リスクは小さくない。IMM通貨先物の取組(4月17日までの週)での、円のネットショートポジションは約5万7000枚と高水準だ。

JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部チーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏は、5兆円の国債買い入れ増額(対象国債の残存期間は延長せず)であれば、大きく積み上がっている投機筋の円ショート・ポジションの巻き戻しが加速し、円に対する上昇圧力が強まる可能性が高いと指摘する。またそれ以上の積極的な緩和策が実施された場合についても、「最初は円売りで反応するだろうが、積極的な緩和が既にある程度織り込まれていることと、投機筋の円ショート・ポジションが積み上がっていること、欧州の状況が悪化していることから、2月14日の予想外の追加緩和後のような大幅な円安につながる可能性は低い」との見方を示している。

東京株式市場では、大型連休を控え機関投資家などの動きが鈍っており、ヘッジファンドなど短期筋の動きが中心になっている。「サプライズ緩和で株高・円安が大きく進んだ2月14日の再現を期待しているヘッジファンドも多い。失望で円高が進めば株売り圧力が高まりやすい」(準大手証券ストラテジスト)という。一方で「4月米雇用統計と大型連休を控え、投機筋としてもそう大きくは動けない。失望色が強かったとしても、白川方明総裁が会見で緩和継続期待をうまく維持できれば、それほど大きな波乱はないだろう」(インベストラスト代表取締役の福永博之氏)との見方もあった。

<小沢氏無罪判決に円債市場は冷静>

東京地裁は26日、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)で強制起訴された民主党の小沢一郎元代表に無罪判決を下したが、円債市場の反応は限定的だった。消費税増税など政局への影響は避けられないとみられているが、円債先物は小動き、10年長期金利も低位で安定している。

SMBC日興証券マーケットアナリストの土井俊祐氏は、民主党代表選への出馬で財政再建路線が一気に揺り戻す可能性があった2年前と様相が異なると指摘する。「小沢氏への無罪判決で党内の増税反対派を勢いづかせる可能性は否定できないが、野田政権の増税路線を巻き返すことができるのかは不透明。通常国会で消費増税関連法案の採決が先送りされ、9月に行われる党代表選を経て代表に返り咲くところまで進まないと、円債市場としても反応しにくい」という。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 布施太郎)


06. 2012年4月27日 01:26:07 : 3CNLte9sGM

日経ビジネス オンライントップ>アジア・国際>The Economist
左に右に揺れるミット・ロムニー氏の経済政策

保守強硬派との論争は済んだ、良識を取り戻せ!

2012年4月27日 金曜日 The Economist


 ミット・ロムニー氏が競争相手を抑えて、共和党大統領候補の座をほぼ手中にした。その理由は、3月の雇用統計が何よりも雄弁に物語っている。米国は景気低迷と原油価格急騰のダブルパンチに苦しんでいる。このように経済状況がオバマ大統領の最大の弱点なのだから、この状況を最も有利に利用できる候補者を共和党の予備選有権者が支持するのは当然と言える。

 だが、ロムニー氏を候補に選んだことで、どのような政策がもたらされるのか、まったく見えてこない。責任の一端は、有益な政策論争からどんどん遠ざかってしまう候補者選びのシステムにある。しかし、候補者自身にも責任はある。ロムニー氏は昨年、共和党保守派の候補者と激しい指名争いを続ける中で、自身の立場を守るために見解を大きく変容させた。今や、2人のロムニー氏がいると言って誇張ではないほど、その経済政策は右へ左へ大きくブレている。

 第1のロムニー氏はかなり実務的で、ビジネスマンとしての顔を持つ。2010年に書いた著書「No Apology: The Case for American Greatness」や公式スピーチ、政策綱領から浮かび上がるのはこちらの人物像だ。ちなみに、幸いなことに、この本の中身はタイトルほどひどくない。

 こちらのロムニー氏は、オバマ大統領の政策に対して歓迎すべき代替案をいくつか提言している。彼なら、規制当局の関心を、彼らが導入する規制のコストに、より一層向けさせるだろう。また彼なら、米国の持続不可能な社会保障制度を解決する穏当な道を探れるだろう。例えば、高齢者の公的年金や医療費給付などの受給年齢を引き上げるなどの方法だ。さらに、低所得者に対する連邦医療扶助プログラムであるメディケイドへの政府拠出を、包括的助成金制度に代えていくだろう。

貿易政策では左に、税制では右に

 しかしながら、第2のロムニー氏がいる。目の前の聴衆を喜ばすことができるなら、何の言質でも与えそうな、なりふり構わぬ大衆迎合主義者としてのロムニー氏である。ロムニー氏は左に右に揺れている。

 貿易について、彼は大統領になったその日に中国を為替操作国に指定すると息巻いている。これは2重に愚かな発言だ。まず経済的に正当化できない。中国はすでに自国通貨の上昇を容認しているため、人民元は以前ほど過小評価されていない。中国の経常黒字の縮小がこれを裏付けている。政治的には、ただでさえ怒りっぽい中国を、指導体制の移行のただ中で不必要に刺激することになる。世界最大の経済大国の最高責任者が、第2の経済大国にけんかを売ることを初仕事にするなど、まさに馬鹿げてはいまいか。

 貿易に対するロムニー氏の左に偏りすぎた姿勢と同じように問題なのは、税制に対する右に偏りすぎた姿勢だ。ロムニー氏は2月まで、企業の利益と投資にかかる税金だけを引き下げると約束していた。それが、大胆な減税策を掲げるライバルたちに負けてはならじと、個人所得税率の一律20%引き下げを打ち出した。これが実現すると、最高税率はロナルド・レーガン時代と肩を並べる水準にまで低下する。

 ロムニー氏は、富裕層に対する税金の抜け穴をふさぐことによって、この財源をひねり出せるとしている――何と素晴らしい改革主義者のアイデアだろう。だが、どの抜け穴を塞ぐのか具体的に明示しない限り意味はない。支持者たちに若干のアイデアを描いて見せたことを除けば、ロムニー氏は具体策をほとんど口にしていない。そして、この「若干のアイデア」は、側近でさえ重視していない。

 一向に具体策が出てこないのは、所得税引き下げ(ロムニー氏はこれと同時にキャピタルゲイン減税と配当減税の導入を望んでいる)の財源を捻出するために税法の抜け穴を防ぐことは――それが現実味のあるものならば――恐らく、中所得層に打撃を与えるからなのだろう。

 若かりし頃のロムニー氏は、大きな穴を抱えた企業に、決して投資しなかったはずだ。しかも、なお悪いことに、ロムニー候補は問題を正しく評価さえしていない。米国の財政問題のビジネスライクな解決法を探るなら、増税は不可避だ。米国民が政府に期待するものと、政府に支払っているものとの差は大きすぎる。仮に、歳出削減でこの差をほとんど埋めることができたとしても、何らかの歳入増加が必要である。ロムニー氏はこのことを理解しているはずだ。であるにもかかわらず彼は「1ドルの増税と引き換えに10ドルの支出を削減する」案の交渉を拒否するかとディベートで質問された時、横にいるさらに偏屈な候補者とともに、拒否すると答えた。

 ロムニー氏は、共和党候補に指名されることがほぼ確実になった。したがって、直近の発言を元に戻すことが可能になる。ロムニー氏は中国が構造改革を進めて対外不均衡を減らす努力を続けるなら、同国に“停戦”を呼びかけるべきだ。予算について、もし減税を約束するならば、それは債務を安定させるための信頼すべき中期計画の一環であってしかるべきだ。そして、歳入の引き上げも排除してはならない。そうすることによって初めて、ロムニー氏は良識ある政策へと立ち戻ることができるだろう。そうでなければ、同氏の政策は良識から離れていくばかりだ。

©2012 The Economist Newspaper Limited.
Apr.21-27, 2012 All rights reserved.

英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。


07. 2012年4月27日 01:29:31 : 3CNLte9sGM
FRBが18.33億ドルの長期債購入
:2012/04/27 (金) 00:20

FRBはNY連銀を通じて18.33億ドルの長期国債を購入。2036年2月から2042年2月に償還を迎える国債。


NY市場 米雇用指標の弱さにカナダ買いも一服

この日発表になった米新規失業保険申請件数が雇用の弱さを示したことで、ドル以上にカナダの売りが強まっている。家計負債への警戒感もあり、カナダ中銀も引き締めに転じる可能性を指摘し始めている状況で、カナダも強い動きが続いていたが、その大前提として米経済が安定していることがある。

前日のバーナンキFRB議長の会見でも追加緩和の含みは残していた。両国の経済的な関係から、米国の流れに逆らってカナダ中銀が引き締めを実施して行くことも考えづらく、一旦動向を見極めるたいとして、きょうはカナダ買いを一服させているものと考えられる。

ドルカナダは0.98台半ばまで一時上昇していたが、更に0.99にかけてはカナダ企業による実需売りオーダーも並んでいる模様。

USD/CAD 0.9838


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