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昨年からの欧州債務危機を発端に、米ドルとの相関を希釈し始めた金。
「コモディティー(商品)から金融価値(信用)への一人旅立ち」と豊島氏が指摘しています。
FRB・ECBなどのマネー飴細工的金融操作に浮沈する?、市場環境を読み解くファクターとして、より一層、金価格の愚直さから目が離せなくなってきているようです。
なお金価格は、2000ドルが今年後半から来年初めにかけて到達されようとの・・トムソンロイターGFMS社のゴールドサーベイ(最新版)の見解。
●「あれはいったい何だったのか」
(http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2012/1181.html)
今、欧米市場関係者が首を捻っていること。
それが本欄4月11日に詳述した、欧州債務危機再燃で金がリスク資産として「売られず」、「安全性への逃避」で買われたことだ。
昨年終盤から、金の欧州債務危機への反応としてはほぼ一貫して売られてきた。
教科書通りに動けば、経済危機には買われるはずだ。しかし、教科書通りには動かなかった。
それが先週、あの日に限って、突如、教科書通りの動きをしたわけだ。
これは一過性の現象なのか。或いは、金の動きが教科書通りに戻ったのか。欧米市場関係者(そして筆者も)は計りかねて首を捻っているところだ。最近はドル高でも金高とか、金・プラチナ価格逆転現象とか、従来の市況の法則から外れる局面が頻発している。
(なお短期的な動きは別にして、長期的には欧州債務危機は金にとってやはり買い材料だと確信している。)
その、欧州債務危機だが、今日の日経一面記事「独仏ギリシャ選挙 与党苦戦 欧州の選択 危機を左右不安再燃の火種残す」に書かれているが、ようやく筆者の論じてきた4月危機説がまともに論じられてきた様子。
※ 今の金相場は、「バーナンキの一言」と「欧州選挙の行方」、そして「中国経済減速」の3つの勘所を押さえておく必要がある。(中略)
最後に恒例のトムソンロイターGFMS社のゴールドサーベイ最新版が発行された。まぁ、ウダウダと書いているが(笑)、結局、2000ドルが今年後半から来年初めにかけて到達されようとの見解であった。
●「金需給統計まとめ」
(http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2012/1183.html)
トムソンロイターGFMS社が発表した2011年金需給統計の主たる数字を纏めた。比較として2010年と2002年の統計も入れてある。
(単位は全てトン)
2002年 2010年 2011年
新産金 2625 2740 2818
公的売却量 547 −77 −455
リサイクル 874 1719 1661
宝飾需要 2662 2017 1973
工業用 481 767 786
投資需要 523 1490 1271
こうして10年前と比較すると、宝飾需要が減少して、投資需要が急増していることが確認できる。金がコモディティー(商品)から金融商品にシフトしていることが明らかである。
生産面では鉱山会社の新産金が若干増えた程度で、ほぼフラットに近い。
しかし、二次的供給源といわれるリサイクルが激増している。
公的部門が売り手から買い手(マイナスの売却量)に転じたことも画期的な出来事だ。
2010年と2011年の比較では、やはり公的部門の買い越し量が急増したことが目立つ。
リサイクルが若干減っているのは、価格の先高観が強かったため、より高値を期待して、売り控える人たちが増えたことを意味する。また、リサイクルで売られる量がある程度出尽くした面も否定できない。
投資需要が引き続き高水準であるが、その内訳を見ると、2010年は欧米が大きく買い越したのだが、2011年は新興国の買いが突出している。
欧米の買いは短期的売買が多いので、2011年の史上最高値近辺でかなり利食われたのだろう。一方、新興国は、下がったところをすかさず拾っている。また、更なる価格上昇を見込んでの買いも多かったようだ。
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