http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/731.html
Tweet |
IMFの記事で増税が強調されるワケ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120424/plt1204240730001-n1.htm
2012.04.24 夕刊フジ
IMF、といっても、映画「ミッション:インポッシブル」の中に出てくる組織(Impossible Mission Force)ではない。アジア通貨危機時代の韓国への介入や今回のギリシャ救済などのニュースに出てくるIMF(International Monetary Fund 国際通貨基金)の解説が今回のミッションだ。
IMFが世界の経済見通しについて発表すると、よくニュースになるが、日本関連については財政再建や増税を求める声が報じられることが多い。最近では日本などによる資金拠出も話題となった。
IMFはどんな組織で、どのように運営され、何を目的にしているのか。IMF協定第1条に明記されているIMFの主な責務は、通貨協力の推進、貿易の拡大と成長の促進、為替の安定、困難に陥っている加盟国への資金提供などだ。
1946年に世界銀行とともに設立された国際機関で、金融危機が発生した国に乗り込んでリストラを迫る組織とみられている。世界銀行が長期融資し、IMFが短期融資するというおおよその役割分担がある。国際機関なので税制優遇があり、職員は高給取りという評判だ。
今のIMFのトップは、フランス人女性のクリスティーヌ・ラガルド専務理事だ。専務理事と訳されると、その上に理事長がいるかのような印象があるが、英語ではmanaging directorだから、「最高業務責任者」とでもいうべきだろう。IMFのトップは欧州出身者であるが、これは世界銀行の総裁に米国出身者が選出されるとともに発足以来の慣行になっている。
トップの下に、4人の副専務理事がいる。このうち1人は日本人で、財務省財務官を退職した後の指定ポストとなっている。日本は、このほかに理事ポストを確保しており、財務省からの出向者が務めている。
理事室は、理事のほかにも財務省からの日本人スタッフが多くいる。日本の新聞のIMFに関する記事は、日本語で取材できるので、ワシントン駐在の日本人記者がここを取材して書いていることが多い。
その場合、財務省からの出向者がIMFの資料の要約を行った上で説明するため、どうしても財務省の意向が入りやすい。増税の必要性が強調されすぎて、金融政策は無視されたり、軽視されることもある。
17日に発表した財政報告の中でも、日本に対して消費税増税を求めていた。普段であれば財政報告はもっと取り上げられていただろうが、これに言及した新聞はあまり多くなかった。
というのも、安住淳財務相は17日の閣議後会見で、IMFに対して600億ドル(約4・9兆円)の融資枠を設ける方針を表明した。安住氏もさすがにこのタイミングでは、IMFが日本に増税を求めているというのは言いにくかったのだろう。
いち早く資金提供を申し出た日本だが、なぜ直接相手国にではなく、IMF経由の間接的な資金拠出なのか、増税を強いられようとしている国民にわかりやすく説明すべきだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。