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バンカーと政治家が金融危機を加速−米PBSが検証番組
4月23日(ブルームバーグ):米ドキュメンタリー番組「フロントライン」は、「Money, Power and Wall Street(仮訳:資金、権力、ウォール街)」と題して2008年の金融危機を検証する2夜4時間の調査報道番組を放送する。この番組の序盤でJPモルガン・チェースの元投資銀行部門共同最高経営責任者(CEO)、ビル・ウィンターズ氏が、1994年にフロリダ州の最高級リゾート、ボカラトンで開いた社員研修会の思い出を語っている。
この時の集まりはあきれ返るほどのらんちき騒ぎとなった。「私は服を着たままプールに飛び込んだ。ボスと同じように」とウィンターズ氏は語る。
気分が高揚していたのはアルコールのせいだけではなかった。JPモルガンのバンカーたちのチームは皆20代。途方もない巨額の利益をもたらすことになる融資対象の新保険商品のアイデアを思い付いたばかりだった。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の発明が無数の富裕層たちに届けられ、金融危機につながる道に足が踏み入れられようとしていた。
ボカラトンでの物語や08年の「大き過ぎてつぶせない」時代を報じるのはもちろん、フロントラインが初めてではない。放送内容の情報源の1つとして「愚者の黄金」の著者ジリアン・テット氏の名前が挙げられている。それでも、シリーズの最初の2時間は、複雑に入り組んだ背景の解説を通して明らかにされる14年間に及ぶ一連の出来事を視聴者に分かりやすく伝える内容になっている。
説得力のある事実
ウォール街の関係者をはじめ、ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のジョシュア・グリーン氏らえりすぐりの記者にも話を聞き、フロントラインは人を引き付ける過去の事実を集めている。番組はきちんと見ることを視聴者に強要するが、超初心者向けの財テク本の類ではない。内容は濃く、深い教訓に満ちている。
プロデューサーのマーティン・スミス氏は最初の1時間に、この利益を生み出す新たな金融商品を考案したJPモルガンのバンカーたちへのインタビューに重点を置いている。その1人、ブライス・マスターズ氏は同社の最初のCDS(これはタンカー、バルデス号の原油流出事故による数十億ドルに上る損失に絡んで、エクソンのために考案されたものだった)について振り返っている。デリバティブ(金融派生商品)トレーダーのテリ・ドゥホン氏は、JPモルガンがこれを多数の投資家が投資するポートフォリオに拡大していった様子を詳述している。
他のバンカーもこの未規制で自由競争の金融商品を導入するようになり、リスクは高いが利益の上がる住宅ローン関連CDSへの依存度を高めるようになっていく。政治家たちは誰もが見て見ぬふりをした。
金融コンサルタントのサタジット・ダース氏はフロントラインに対し、「リスクをある当事者から他の当事者に移していただけだ」と指摘。ジョージア州のロイ・バーンズ元知事は「銀行が運転する自動車が、通り掛かりの自動車にローンの書類を投げ入れているようなものだった」と振り返る。バーンズ氏は融資関連法の強化を打ち出し、銀行業界のロビー団体から怒りを買った後、02年の選挙で落選した。
非難の声
フロントラインは多くの関係者への非難の声を紹介している(ゴールドマン・サックスとロイド・ブランクファインCEOに関しては特に手厳しい)が、最も圧巻なのはバンカーたちと彼らを監視すべきだった政府幹部らの癒着に関する分析だ。
法律事務所スキャデン・アープスに勤務していたデニス・ケレハー弁護士は、ウォール街の活況と不況の時代に「大掛かりな不法行為がまかり通っていたのは極めて明白だ」と述べた。
5月1日放送の3部と4部はオバマ政権と現在のウォール街の慣行が中心テーマとなる。
この番組の前半は、PBS放送のフロントラインでニューヨーク時間24日午後9時に放送される。評価は星3つ半。評価は、星なしから星4つの5段階で、星4つが最高。
(エバンス氏はブルームバーグ・ニュースの芸術・娯楽部門の批評家です。この記事の内容は同氏自身の見解です)
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記事についてのエディターへの問い合わせ先:Manuela Hoelterhoff mhoelterhoff@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/23 15:03 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2WYQT6K50XS01.html
米経済めぐる強気派と弱気派、ドル高一致−年末までに上昇か
4月23日(ブルームバーグ):米国経済をめぐる強気派と弱気派の間で唯一意見が一致するのは、ドルに対する見方だ。欧州債務危機が世界経済の回復を脅かす中、主要通貨で最も過小評価されているドルは、上昇すると予想されている。
ストラテジストは昨年11月、ドルが主要10カ国(G10)の通貨に対して下落すると予想していたが、現在では一転して、年末までにドルが上昇するとの見通しを示している。ドルは過去10年間、メキシコ・ペソを除く主要16通貨すべてに対して下落していたが、2月からは14通貨に対して上昇している。
ブルームバーグのエコノミスト調査によると、強気派は、ドルが米国の雇用増や今年2.3%成長が見込まれる国内経済の恩恵を受けるとの見方を示している。米国の経済成長率見通しはG10(1.26%)の2倍近くに上る。また、欧州債務危機の深刻化で世界や米国の成長が減速しても、市場の混乱からの避難先が減る中、米国債などドル資産の需要が増えるため、ドルは上昇すると予想されている。
スタンダード・ライフ・インベストメンツ(エディンバラ)の為替投資ディレクター、ケン・ディクソン氏は18日の電話取材に対し、「米経済見通しが改善しているため、ドルに対してより強気になっている」と指摘。「周辺国の問題など他の理由もある。欧州の経済状況の改善を促すため、ユーロ安が必要となっている」と語った。
予想の反転
ブルームバーグが実施したストラテジスト調査の結果によれば、為替アナリストは、年末までにドルが他のG10通貨に対して1%上昇すると予想している。昨年11月時点の見通しは4%下落だった。
ドルは先週、対円で0.7%高の1ドル=81円52銭、対ユーロでは1.1%安の1ユーロ=1.3219ドルだった。
ブルームバーグがまとめた少なくとも46人のアナリストの予想中央値によると、為替ストラテジストは年末までにドルが対ユーロでは1ユーロ=1.30ドル、対円では1ドル=84円になると予想している。昨年11月時点の見通しはそれぞれ1.41ドル、80円だった。
日本とスイスの中央銀行は、輸出企業を守るために自国通貨高の阻止に動いており、投資家にとってドルが欧州危機からの唯一の資金逃避先となっている。
原題:Bullish to Bearish Economy Forecasters Converge on StrongDollar(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:エディンバラ Lukanyo Mnyanda lmnyanda@bloomberg.net;ニューヨーク Catarina Saraiva asaraiva5@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Daniel Tilles dtilles@bloomberg.net;Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/23 13:24 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2WSD96K50XW01.html
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