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息子と半年間のバックパック旅行―米会社員がかなえた夢  「日本ではあり得ない」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/706.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 22 日 16:33:01: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://jp.wsj.com/Life-Style/node_430122?mod=WSJ3items
【日本版コラム】

息子と半年間のバックパック旅行―米会社員がかなえた夢
東方雅美
2012年 4月 20日 16:35 JST

 「日本ではあり得ない」。本サイト(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)編集長は言う。

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Stephen Kreider Yoder/The Wall Street Journal
スーダン・アブリに向かうバスの中
 そのあり得ないこととは、会社員の、しかも責任あるポジションに就いている男性が、半年間会社を休み、15歳の息子に同じだけ学校を休ませて、2人でバックパックを背負って気ままな旅に出たことだ。行き先はケニア、タンザニアなどのアフリカ諸国と中東の国々。ほんの数年前まで内戦が続いていたスーダンや、昨年大変な飢饉に見舞われたソマリアも行き先に含まれている。

 この「あり得ない」旅に出たのは、スティーブン・クライダー・ヨーダーさん(53)。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)で、サンフランシスコ支局長を務める人物だ。(詳しい旅行記はWSJに掲載された)

 ヨーダーさんも、最初は叶うことのない夢だと思っていた。だが、ある日のこと、宿題をやっている息子に「ついうっかり」言ってしまった。「なあ、会社を辞めて、お前を学校から引っ張り出して、一緒に旅に出るっていうのはどうかな」

 ヨーダーさんは、家族と一緒に旅をして回ることを長年夢みていたという。だが、半年も会社に行かずに旅に出れば、もちろんその間は給料は出ないし、仕事を失うかもしれない。旅費で貯金を使い果たす可能性もある。そもそも連れていく子供の教育はどうなるのか――。

 「正気とは思えない」。ヨーダーさんもそう考えていた。だが、息子にうっかり言ってしまってから、夢は現実味を帯びていく。53歳となり、「人生が逃げていく」ような気がしていた。年長の子供2人はすでに大学生で、一緒に長い旅をするには遅すぎる。末の息子は15歳で、父親の夢につき合わせるにはギリギリの年齢だ。そんな思いに後押しされたようだ。

 日本ではあり得ない――。たしかにそうだ。1週間の夏休みを取ることでさえ、同僚に気を遣って「申し訳ありませんが」と前置きし、おみやげを買って帰る国だ。法律で認められているにもかかわらず、日本の男性の育児休業取得率は2009年度でわずか1.72%。子供の学校にしても、病気や冠婚葬祭以外の理由では、たとえ1日でも休んだら先生に顔をしかめられそうだ。ましてや半年間の休みなど「あり得ない」というのが正直なところだ。

 では米国ならあり得るのか。米国でも珍しいケースだから、記事にもなったのではある。だが、ヨーダーさんは実現した。

 半年間の旅を実現できる米国と、日本との違いは何なのだろう。

 おそらくさまざまな理由があるなかで、1つ際立っているのは、周囲からの応援があったことだ。妻のカレンさんは「行くべきだ」と勧めた。ヨーダーさんが仕事から帰ると、テーブルの上に「行くべき理由」をいくつも並べて書いた紙が置いてあったという。息子のリーバイ君の学校は、顔をしかめるどころか、オンラインで学べるカリキュラムを組んでくれた。そしてヨーダーさんがおそるおそる上司に言いだしたところ、上司は「1つだけ心配なのは、君が仕事に戻りたくなくなるんじゃないか、ということだよ」と言ったという。

 他人のとてつもない夢を(ある意味で面白がって)応援しようとする文化が、米国にはあると言われる。だからこそ、ベンチャーキャピタルが育ち、スティーブ・ジョブズ氏やマーク・ザッカーバーグ氏のような起業家が生まれるのだとも。(ただし、米国でもベンチャーキャピタルは最近及び腰で、成長が見えている企業にしか投資しなくなっているという調査もある。)ヨーダーさんの場合も、「正気とは思えない」彼の夢を、半分面白がって応援する米国らしい気分が周囲で盛り上がったのではないか。

 こうして、ヨーダーさんと息子のリーバイ君は、半年間のアフリカ・中近東の旅に出た。宿泊先をほとんど予約することなく、地元の公共交通機関を使っての、まさにバックパッカーらしい旅だ。危険と思われていたスーダンでは、何度も見知らぬ人からお茶に招かれた。あるイマーム(イスラム教の指導者)は、ヨーダーさんが米国人だと知ると、国際関係について語りたがり、大好きな米国への思いを話したという。

 ヨーダーさんと息子のリーバイ君がどんな景色を見てきたか、その一部がWSJのウェブサイトに掲載されている(主にスーダンで撮影された写真)。半年間、15歳の息子と50代の父親が2人きりで旅を続け、さすがに互いに何時間か口をきかないこともあったという。だが、最後には、ヨーダーさんが一言「ほら見て」と言うと、リーバイ君が黙ってうなずいて、「よく分かったよ」と示すような、そんな阿吽(あうん)の呼吸とも言えるやりとりができるようになったそうだ。

 ところで、2人が最終的に到達した関係性は、どこか日本的ではないだろうか。実はヨーダーさんは子供のころ北海道に住んでおり、日本語も堪能だ。WSJの東京支局長だったこともあり、その頃は「用田です」と名乗って取材のアポをたくさん取っていたという。

 会社で責任ある職務を持ち、子供も育てながらの「用田」さんの冒険旅行は、日本にも多くの示唆を与えていないだろうか。「とてつもない夢」を応援する社会は、働く人をもっと元気に、起業を盛んにし、ひいては日本の経済が活気づくことにつながるような気がしてならない。

*****************

東方雅美(とうほう・まさみ)

 慶應義塾大学法学部卒業後、日経BP社に雑誌記者として勤務。その後、経営大学院の出版部門で書籍の企画・編集を担当、WSJ日本版でも翻訳・編集に携わる。現在はフリーランスとして、ビジネス分野を中心に翻訳・執筆・編集活動を行う。翻訳書に『ワールドインク』(英治出版)、『脱「コモディティ化」の競争戦略』(中央経済社)など。バブソン大学MBA。  

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コメント
 
01. 2012年4月22日 17:39:58 : B7Jf8Gk6vc
このように米国人の多くは今まで優雅で余裕のある生活をしてきたわけですが、
その原資が、日本から米国への仕送りによっていることを考えると実に複雑な思いに
駆られますね。

「仕送り」というのは為替介入で買ったドルを使って米国債を買っていること、
一度買った米国債は決して市場で売却しないこと。

米国人だって、経済的な余裕が無くなってきたので「パラサイトシングル」や「引きこもり」
が増えている。今までは他人のカネで良い暮らしをしていただけ。


02. 2012年4月22日 22:58:03 : D4z0D8fOpI

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