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IMF資金増強に日本が積極関与、背景に円高回避も
2012年 04月 21日 10:01
米GE第1四半期利益は予想上回る、エネルギー設備など販売好調
ユーロが上昇、追加緩和観測で円は下落=NY市場
IMFの総融資能力、現在は1兆ドル超=ラガルド専務理事
パキスタン首都近郊で127人搭乗の旅客機墜落、全員死亡か
[ワシントン/東京 21日 ロイター] ワシントンで開催された今回の20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)では、欧州債務問題の安全網拡充を念頭に置いた国際通貨基金(IMF)の資金増強が目標額に達した。そこでは、日本が率先して資金拠出を表明したことが大きく貢献したと言えそうだ。
背景には、欧州債務危機の再燃に伴う世界経済悪化や円高進行の回避のほか、危機的な日本の財政状況に関する将来不安、さらには国際社会での中国の存在感台頭への危機感など、様々な要因が垣間みえる。
<IMF増資成功に高い評価、財務省も貢献強調>
今回のIMF資金増強で、まだ拠出額を明示していない国も含めて目標額の4000億ドルを上回る見通しとなったのは、欧州債務問題に伴う世界経済悪化を早期に収束させたい各国の強い意志があった。さらに、欧州自身が先に欧州安定メカニズム(ESM)や欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の安全網を拡充したことに対応して、国際社会がIMF資金増強に動く下地があったともいえる。
最終的に、まだ拠出額を明確にしていない国も含めて4300億ドル以上の資金がIMFに集まる見通しだ。ラガルドIMF専務理事は「国際社会が危機への対応手段確保に真剣であることを示すもの」だとして、高く評価。「IMFの融資能力は現在1兆ドルを超える」と述べた。
こうした結果を金融市場も好感しており、海外投資家からは「IMFの資本基盤を4300億ドル増強することは、規模として十分だ。市場はいかなる額でも十分ではないと見なすことは明らかだが、さらに数10億ドル上乗せした額が得られると考えている。また、テールリスクが後退しているとのコメントは、安心感を与えるものだった」(クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクのデビッド・キーブル氏)との見方が出ている。
日本の財務省も、今回は日本が国際社会に大きく貢献できたことを強調。同行筋は、安住財務相自身がラガルド専務理事や各国と交渉したことを明らかにし「今回、率直に日本に対する評価があった。日本が600億ドル(の拠出)ということを先んじて言わなかったら今日の合意はなかった」としている。
また、別の当局筋も、日本のリーダーシップが呼び水になってIMFの資金基盤強化になれば、為替など市場の安定化にも大きく貢献することになると評価している。
<日本は金融市場の不安回避に全力>
ただ、欧州債務問題はこれで終息するわけではなさそうだ。3月に域内救済基金の規模を拡大、いったんは落ち着きを見せていたが、足元ではスペイン民間債務問題に焦点が当たり、再燃の様相を示している。日本にとっては、震災からの復興がようやく見え始めた段階にあり、世界経済の悪化や、円高が進行するなど金融市場の不安定化は何としても回避したい局面だ。
野村総研・金融ITイノベーション研究部長・井上哲也氏は「日本政府としては為替面でのリスク回避のために、欧州問題の火消しに真剣とならざるを得ない。何としても欧州債務問題の不安を抑える必要がある」と指摘。
G20会合後、安住財務相もこの点に言及。「為替も国内の株式市場も非常に米欧経済に影響を受ける反射的な市場というのが日本。欧州に安定してもらうことが日本の経済に直ちにはねかえる」として、厳しい財政状況下での600億ドルもの資金拠出に理解を求めた。
また、日本にとっては、欧州債務問題は対岸の火事とは言えない財政状況にある。「金利動向次第では、日本が支援を受ける状況は否定できないが、その場合とてもIMF資金では対応できる規模でない。それでも貢献できる時には貢献しておくのは必要」(野村総研・井上氏)との事情もありそうだ。実際、安住財務相は会見で「IMFに対しては金だけでなく人的貢献もしていくので、それに見合ったポストを与えてほしいと申し上げた」ことを明らかにしている。
さらには、アジアの中での中国の存在感が大きくなっていることへの危機感もありそうだ。政府関係者は、今回日本が率先して行動したことに関し、アジアの中でのプレゼンス・成長力では中国が台頭し日本の影は薄くなっているため、国際社会に貢献して日本のプレゼンスを高めることを考えたことも事実だと明かす。
<時間買う間に根本解決を>
G20での最大の課題であったIMF資金増強は予想以上の成果が得られたとも見えるが、実は欧州債務問題自体は依然解決には至っておらず、「油断すると危機が再燃しかねない」(安住財務相)といった状況だ。
しかも、欧州債務問題の広がり次第で安全網として十分な資金の額は常に流動的だ。欧州最大の国債発行規模のイタリアの動揺が大きくなれば、IMFの融資能力が1兆ドルであっても足りる金額ではないともみられている。
この点に関し、厳しい指摘を行ったのは白川方明日銀総裁だ。会合後の会見で「欧州のファイアウォール強化や(IMFの)資金強化拡充は世界の金融市場安定に有効であるが、こうした策はあくまで時間を買うにすぎず、問題の根本的な解決はできない」と述べ「こうした策で買った時間を有効に使い、財政削減や構造改革を進めることが極めて大事」だと訴えた。
実際、それは難しい課題でもある。レーン欧州委員会委員(経済・通貨問題担当)は「市場は(財政再建と成長の)両立を狙っているようだが、現実にはそれは可能ではない」とみている。それでも「首尾一貫した財政再建への取り組みが、持続可能な経済成長への回帰と雇用創出の必須条件だ。同時に、高水準の公的債務によって圧迫されている成長の押し上げに向け、可能な措置をすべて講じていく必要がある」と述べている。
こうした厳しい認識は、そのまま日本の財政・経済状況にも当てはまりそうだ。欧州債務問題を他山の石とみなして取り組む必要があることは言うまでもない。
(ロイターニュース 中川泉、木原麗花;編集 宮崎亜巳)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE83K00820120421?sp=true
25年ぶりミャンマー円借款再開
2012年 04月 21日 20:01
野田佳彦首相は21日、ミャンマーのテイン・セイン大統領と都内の迎賓館で会談し、政情不安定化をきっかけに1987年以降凍結していた円借款を25年ぶりに再開する方針を表明した。約3千億円の債権を放棄する方針も伝えた。今月実施されたミャンマー連邦議会補欠選挙などを通じて進む民主化を経済支援で後押しし、2国間関係の強化を図る。外務省によると、円借款による有償資金協力は欧米主要国に先行する形。
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2012042101002264
インフラ整備にODA6千億円
2012年 04月 21日 00:48
野田佳彦首相は21日午前、ミャンマーやタイなどメコン川流域5カ国首脳との「日本・メコン地域諸国首脳会議」を都内の迎賓館で開いた。地域のインフラ整備拡充に向け2013年度から3年間で約6千億円の政府開発援助(ODA)を表明。道路網整備などによる地域各国の連結性強化や、東日本大震災とタイでの大洪水を踏まえた防災面の協力強化などを盛り込んだ共同文書「東京戦略2012」を採択した。
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2012042101001664
安住財務相:欧州は引き続き努力を、油断すると危機再来−債務問題
4月21日(ブルームバーグ):安住淳財務相と日本銀行の白川方明総裁は20日午後(日本時間21日午前)、ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に記者会見した。財務相は、焦点となっていた国際通貨基金(IMF)の資金基盤強化が前進したことについて、欧州は危機が再来しないよう引き続き油断しないことが必要だと述べ、財政再建などへの自助努力を求めた。
今回のG20は、欧州の政府債務問題の拡大防止に向けたIMFの資金基盤強化を中心に討議。IMFの融資能力を拡大するため、4300億ドル(約35兆円)を超える追加拠出で合意した。今回の追加拠出で、IMFの支援能力は2倍近くに強化された。日本政府は600億ドル(約4.8兆円)の資金協力を先に表明済み。
日本の資金支援は外国為替資金特別会計の外貨を活用する。政府はリーマン・ショック後の2009年にも、世界的な金融危機の拡大回避へIMFに対し最大1000億ドル(約8兆円)の緊急融資制度を設定。うち返済される見通しである半額程度を軸に支援規模をまとめた。
一方、政府は欧州に対する支援の一環として、ユーロ圏の救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が10年1月以降に発行した総額393.39億ユーロの債券のうち、約12%を購入している。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/21 10:57 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2PIY00UQVI901.html
政府:ミャンマー支援で3000億円の債権放棄を確認−首脳会談
4月21日(ブルームバーグ):野田佳彦首相は21日夕、ミャンマーのテインセイン大統領と都内で会談し、日本政府の同国に対する債権約3000億円を放棄することを確認した。日本政府が確認事項を文書で発表した。
大統領は都内で開かれた日本・メコン地域諸国首脳会談にあわせて来日していた。文書は両国首脳がミャンマーの債務問題を「包括的に解決することが国際社会への復帰のために重要であるとの認識を共有した」と明記。その上で、日本は「国際開発金融機関やパリクラブ(主要債権国会議)と緊密に連携しつつ、国際社会に復帰しようとするミャンマーを支援していく」と表明している。
債権放棄を確認したのは3035億円で、内訳は元利合計の1274億円と遅延損害金の1761億円。加えて、2003年3月末以前に返済期日が到来した債務の元利合計1989億円については、ミャンマーは超短期の商業ローンで解消する一方、日本政府は長期の円借款をプログラム・ローンとしてあらたに供与、両国はミャンマーが取る政策や改革について共同でモニターするという。
これに先立ち、野田首相は同大統領やタイ、ベトナム、カンボジア、ラオスのメコン川流域5カ国首脳との日本・メコン地域諸国首脳会議を行った。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 広川高史 thirokawa@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Peter Hirschberg phirschberg@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/21 18:40 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2T1KT6KLVR401.html
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