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原油高の衝撃に弱くなる日本と米国〜OPEC加盟国の製品輸入が中国へシフト  米国、産業政策の抜本的見直しへ
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/661.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 18 日 00:31:42: cT5Wxjlo3Xe3.
 


原油高の衝撃に弱くなる日本と米国

〜OPEC加盟国の製品輸入が中国へシフト

2012.04.18(水)
Financial Times 

米国と日本はかつてないほど原油価格上昇に脆くなった。石油輸出国機構(OPEC)に加盟する産油国が日米両国からの製品輸入を減らし、従来、エネルギー価格上昇が世界最大級の消費国に与える影響を一部相殺してきた貿易の流れを覆しているためだ。

 だが、西側諸国の石油監視機関である国際エネルギー機関(IEA)の分析では、中国は以前ほど原油価格上昇の悪影響を受けないという。中国は増加するOPEC諸国の貿易支出の主たる受益者になったからだ。
消費国から生産国への史上最大の富の移転
OPEC、原油価格の下落続けば減産の可能性も 英コンサル

日本と米国は、製品輸出を通じて原油高の影響を相殺できなくなった〔AFPBB News〕

 産油国による製品輸入の増加を通じた巨額のオイルダラーの再循環は、原油価格上昇が世界経済に与える影響を形作る一因となる。

 「我々は経済の歴史上、最大の富の移転を目の当たりにしている。消費国から生産国へのこれほどの移転は見たことがない」。IEAのチーフエコノミスト、ファティ・ビロル氏は本紙(英フィナンシャル・タイムズ)とのインタビューで、こう語った。

 日米両国から中国への輸入先のシフトは、中国が世界の工場として台頭することで生じた世界経済の大きな変化を反映している面もある。

 だが、ビロル氏は「政治的な要因」(2001年のテロ攻撃以来、冷え込んだ米国と湾岸諸国との関係に言及したもの)も影響したと指摘する。

 今週正式に発表されるIEAの最新調査によると、昨年、米国がOPEC諸国からの石油輸入に費やした資金1ドルにつき、製品輸出を介して米国に戻ってきたのはたった34セントで、1970〜2000年の平均55セントを大幅に下回った。
日米のシェア低下で利益を得る中国

 日本はそれ以上に落ち込みが激しく、歴史的な平均が43セントだったのに対し、昨年は14セントに低下した。

 日米両国のシェアの低下は、中国に利益を与えた。IEAの試算によると、中国からの製品輸出が増加したおかげで、2011年に中国がOPEC諸国からの石油輸入に費やした資金1ドルにつき、ほぼ3分の2に相当する64セントが中国に戻ってきた(1970〜2000年の平均は取るに足りない数字だった)。

 還元率が最も高いのは欧州連合(EU)で、歴史的な平均値に沿って、石油輸入に費やした資金1ドルに対して80セントがEUに戻ってきた。

 IEAの分析は、国債や株式の購入といった形で金融システムを経由したオイルダラーの再循環を計算に含めていない。
アラブの春を受け国内に回されるようになったオイルダラー

 大量のオイルダラーは過去10年間、OPECの海外支出を増加させたが、アラブの民衆蜂起を受け、地域の多くの国が社会の安定を維持するためにより多くの資金を国内で費やしているとビロル氏は警告する。

 「つまり、世界経済に再循環される資金が減るということだ」とビロル氏は言う。

 米国政府は先週、OPEC加盟12カ国は今年、原油の販売による収入が過去最大の1兆1700億ドルに達し、昨年の1兆260億ドルから15%近く増加すると述べた。インフレ調整後の実質ベースでは、OPECの原油収入は2008年のピークと並び、1970年代後半に見られた水準を超えるという。

 OPECの当局者らは、加盟国による輸入の増加と、西側の銀行やその他企業に対する各国政府系ファンドの投資が、2008年に金融危機が始まって以降、世界経済の成長を支えてきたと考えている。

 イランの核開発計画を巡り地政学的な緊張が高まる中、ブレント原油の価格は先月、2008年以降の最高値となる1バレル=128.40ドルをつけた。OPECの事実上のリーダーであるサウジアラビアは、世界の経済成長を損なうことを避けるために、価格を引き下げると誓っている。
By Javier Blas
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35018
 
 

日経ビジネス オンライントップ>アジア・国際>FINANCIAL TIMES
米国、産業政策の抜本的見直しへ

2012年4月18日 水曜日
FINANCIAL TIMES


 米国家経済会議委員長が講演で「製造業の復活は米国にとって重要な国益」と発言。これは、オバマ大統領が長年の経緯から矛盾に満ちた産業政策を見直す可能性を示す。GEやボーイングの社長を大統領経済諮問機関の議長に据えた真意は米競争力の復活だ。

 ジーン・スパーリング米国家経済会議(NEC)委員長が、「製造業の復活は米国にとって大事な国益だ」と宣言するなど信じられるだろうか。そして米製造業の凋落はむしろ「例外的事象(*1)」で、この辺で反転させるべきだと続け、さらにタブー(*2)を犯し、今や適切な産業政策を導入することは意味があるかもしれないと訴えた姿を想像してほしい。

 スパーリング委員長はオバマ米大統領の主席経済顧問であり、大統領の考えを代弁する立場にある。であれば人々は当然、彼の言葉に耳を傾けるだろう。

 ワシントンで3月27日、スパーリング委員長は入念な調査に裏づけられた講演で、まさにこうした趣旨の発言を行った。だが、その内容に、ほとんど誰も注意を払わなかった。

*1=何事においてもNo.1であるはずの米国にとって、製造業は「例外だ」と捉えているというニュアンス
*2=米国ではこれまで石油産業や金融業など、個別に産業を優遇したりしてきたため、全体として矛盾点を抱えてきたとされ、そうした矛盾点を含めて産業政策全体を見直そうと提案することは一種タブー視されてきたようだ

タブーではなくなった産業政策

 関心が薄かったのは、今年が大統領選挙の年で、みんな選挙の動向に関心を奪われているからかもしれない。あるいは、ホワイトハウスの稚拙な報道体制が一因かもしれない。手詰まり状態の議会でオバマ大統領が今年、重要な法案を、ましてや非伝統的な政策を成立させられるとはほぼ誰も期待していないことも一因だろう。こうした見方は正しいかもしれない。

 だが、スパーリング委員長の発言には、ホワイトハウスの世界観が変わり始めたことを示す兆候があった。

 オバマ大統領は、2009年の景気刺激策で電池メーカーとクリーンエネルギー関連の産業を対象に振興策を盛り込むなど、特定の産業に対してはインセンティブを導入してきた。一般教書演説のタイトルは「持続可能な米国経済の構築」で、2013年の予算教書には、製造業を国内回帰させるための刺激策も盛り込んだ(もっとも任期4年目の大統領が提出する予算案など、議会はまず通さないが…)。

 大統領の演説には国内メーカーに対する税率の小幅引き下げなど、選挙対策のにおいも漂っていた。これが2013年より前に成立する見込みはないし、何よりも1990年代末にクリントン大統領の上級経済顧問を務めていたスパーリング氏が、クリントノミックスの神聖な綱領を放棄する(編集部注:企業の減税を考えるということ)などあり得ないと思われてきた。

 だが(スパーリング氏の講演を聞いて)筆者は、米製造業の再生にオバマ大統領がいかに真剣に取り組んでいるかを過小評価している気がしてきた。産業政策が主要な政策として再浮上する可能性はあるのだろうか。

 正解を言うと、産業政策という言葉自体は禁句になっていたが、否定されたことは一度もない。ウォール街に対する減税措置にしろ、株式よりも債券に有利な連邦税制にしろ、大手石油会社に対する大々的な減損会計にしろ、ワシントンはその意中の業界に対して手厚い保護をやめたことはない。これまで、製造業はそうした意中の業界に入っていなかっただけだ。

 こうした産業支援策のほとんどは長い歴史がある。第2次大戦以来続いてきた化石燃料業界への補助金を打ち切るのは、針の穴を通すより困難だとする人もいるだろう。大統領選勝利に望みをつないでいる候補者なら、恐慌時に導入された農業助成金の廃止など間違っても口にしないだろう。そんなことをすれば、アイオワ州などの主要諸州の票をごっそり失いかねないからだ。

 製造業の工場は中国に移せても、ネブラスカのトウモロコシ畑を移転するのは不可能だ、などという指摘は的外れだ。米国の税制に通じている人なら、それをまともな考えだと思うはずはない。それより米国の税制を子細に見れば、企業への過去と現在の様々な影響が反映されていることが分かる。

製造業強化に動き出した米政府

 はっきり言えば産業政策はもはやワシントンの禁句ではない。米国の製造最大手の1社であるゼネラル・エレクトリック(GE)のCEO(最高経営責任者)のジェフ・イメルト氏や、米ボーイングのジェームス・マックナーニーCEOが注目されるようになったことを考えれば、意外ではないだろう。両氏とも昨年、別々の大統領経済諮問機関の議長への就任に合意した。

 両社とも、アジアのメーカーと重要な技術を共有している。GEは最近、航空関連部門が中国国営企業と合弁企業を設立。だがその一方で両氏は、特にイメルト氏は、「産業政策というステロイド剤」を使っている国と米国がいかに競争しなければならないかについて積極的に発言を続けている。

 彼らが抱く危機感への支持者も増えている。オハイオ州選出の上院議員ロブ・ポートマン氏など、共和党員1〜2人はそうした支持者として知られる。

 ただ、このトレンドが潰れる可能性は十分ある。11月の選挙でオバマ大統領が敗北する可能性があるうえ、再選されても非妥協的な議会との対立に一層苦しむ恐れも排除できない。

 逆に、奇跡が起きて11月以降、議会が米国税制を一変させ、抜け穴のない税制の導入に合意する可能性もある。そうすれば、過去と近い将来を含めたすべての産業政策は終焉を迎えよう。

 だが、こうしたシナリオが実現する公算は極めて小さい。あるいは、これまで述べたことは結局、選挙年の空手形にすぎないかもしれない。

 ただ、スパーリング氏のような立場の人物が、製造業は米国の研究開発投資の4分の3、特許の90%を占めていると強調するということは、米国政府が産業政策を抜本的に見直す可能性があることを示唆している。フェイスブックやツイッターは破壊的な社会変化をもたらすかもしれない。だが、最も価値あるイノベーションは依然として、半導体や電池、ロボットといった製品の開発の過程で誕生している。

 中国からドイツに至るまで積極的な研究開発投資を行っている米国の競争相手は、はるか以前から、研究者は製造ラインの近くにいる必要があることを認識していた。

 ほとんどのイノベーションは試行錯誤の中から生まれる。ワシントンの政策当局だけが、あるいは恐らくロンドン(=英国)の政策当局も、この点をまだ確信していない。

 だが事実が変われば、人は往々にして考えを変える。覇権国でさえ、その世界的な影響力が低下すれば、自国の従来の様々な前提を見直すだろう。今、米国では再生に向けて新たな胎動が始まりつつあるのかもしれない。

Edward Luce
(©Financial Times, Ltd. 2012 Apr. 8)
著者プロフィール

FINANCIAL TIMES
フィナンシャル・タイムズ

FT、ことフィナンシャル・タイムズは英国ロンドンにて1888年創刊の新聞。世界の 主要ビジネス情報を提供し正確で鋭いニュース、評論、分析を提供。紙面でも、オンラインでも、FTはグローバルなビジネス界には欠かせないメディアである。140カ国以上の160万人に読まれ、世界23拠点で印刷している。 フィナンシャル・タイムズ紙の日本での購読に関する情報は こちら
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コメント
 
01. 2012年4月18日 04:05:20 : 3CNLte9sGM
米国から初のシェールガス輸入へ 三井物産と三菱商事が基本合意
2012.4.18 00:31
 三井物産と三菱商事は17日、米エネルギー大手のセンプラ・エナジー(カリフォルニア州)から液化天然ガス(LNG)を最大800万トン調達することで基本合意したと発表した。年内の正式合意を目指す。「シェールガス」と呼ばれる新型天然ガスを原料にLNGを生産し早ければ2016年後半から日本に輸入する方向で協議を進める。米国はFTA(自由貿易協定)締結国向けに制限していたLNG輸出の規制を緩和しており、センプラは非締結国の日本向け輸出を米政府に申請している。

 実現すれば、米国からシェールガスを原料とするLNGを輸入する初のケースとなる。日本国内では、原発の停止で火力発電用燃料のLNGの需要が急増。国際的にもLNG争奪戦が激化しており、日本のエネルギー安全保障の上で重要な調達ルートとなる。

 日本の昨年のLNG輸入量は7853万トンで、今回の調達量は約10%を占める。計画では、センプラの完全子会社であるキャメロンLNG(同)が、13年中に液化設備の建設に着手。16年末から年間で最大1200万トンを生産する予定で、うち計800万トンを三井物産と三菱商事が取得し販売する。

 三井物産は年内にも米国で権益を持つガス田で採取したシェールガスを設備にパイプラインで送る契約を結ぶ。

 日本政府は昨秋から米国にLNGの日本向け輸出を要請しており、官民一体の取り組みが実を結んだ。

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http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120418/biz12041800320000-n1.htm


02. 2012年4月18日 13:52:09 : 3CNLte9sGM
米労働者の間で給与格差が拡大
http://jp.wsj.com/US/Economy/node_428701?mod=WSJFeatures 2012年 4月 18日 13:06 JST原文(英語)
•  
 米国の給与格差がますます拡大している。
 米労働省が17日発表した雇用統計によると、リセッション(景気後退)期が終了した2009年半ばから2012年第1四半期の間、上位10%に入る給与所得者の収入は7%増加した(物価調整前)。一方、同期間の給与所得下位10%の収入は2.5%の増加にとどまった。
 この格差の拡大は世界的な金融危機に先立って発生した。2003−07年の間、給与所得上位者の賃金は12.9%上昇したが、下位10%の労働者の賃金は8.4%しか伸びなかった。
画像を拡大する

Dave Dieter/ The Huntsville Times
米アラバマ州ハンツビルのマナハウス(フードバンク)。ガソリンと食料品の価格上昇後、多くの人が訪れるようになったと話す責任者のフラン・フルラー氏
 上位所得者の賃金上昇率はこの数十年間、下位所得者のそれよりも早いペースで伸びている。経済学者らによると、企業のグローバリゼーションとテクノロジーの発展が一因だという。グローバリゼーションはスキル不要で高賃金が得られる製造業を海外へ移転させた。またテクノロジーは米国企業の生産性を高めたが、その半面、一部の仕事を時代遅れのものにした。その結果、米国の労働市場は高い教育が求められる仕事と、そうではない仕事にますます分かれてきているように見える。
 労働省によると、2012年第1四半期の給与所得下位10%の労働者の賃金は1週当たり360ドル(約3万円)以下だ。一方、上位10%の給与は1週当たり1858ドル以上だった。1979−89年の10年間で、上位所得者の給与は75%上昇、片や下位所得者の給与は54%の伸びにとどまった。
画像を拡大する

拡大する給与格差
 エコノミストの中には、これは需要と供給のメカニズムを反映するものであって、全体的な消費や経済成長に影響はないとし、この傾向をあまり重要視しない向きもある。
 ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所のフェロー研究員スコット・ウィンシップ氏は、一部の最も裕福な米国人が他の人よりも早いペースで給与が上がる一方で、貧困層や中流層の社会的流動性が弱くなったという兆候はこの60年間存在しない、と指摘する。
記者: Neil Shah

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