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中央銀行の独立は「幻想の産物」だ 欧州危機の再燃と中銀独立時代の終焉
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投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 17 日 12:51:55: cT5Wxjlo3Xe3.
 

日経ビジネス オンライントップ>企業・経営>倉都康行の世界金融時評
中央銀行の独立は「幻想の産物」だ
欧州危機の再燃と中銀独立時代の終焉

2012年4月17日 火曜日
倉都 康行


 世界の金融市場で、一度収束しかけていた欧州債務問題への懸念が再浮上している。3月20日に満期が到来したギリシャ国債は、ユーロ圏の巧妙な政治的操作で難局を何とか切り抜け、欧州中銀による1兆ユーロを超える3年間の流動性供与という奇策もあって小康状態を迎えていた欧州国債市場は、スペインやイタリアの国債利回りが再上昇し、昨年末の恐怖感がよみがえりつつある。

 ユーロ圏は、ギリシャに始まった債務危機を克服するために欧州金融安定基金(EFSF)と欧州安定メカニズム(ESM)という二つの支援基金を並走させて、その総額を8000億ユーロ(新規の実質的な消火パワーは5000億ユーロ)とすることで合意し、国際通貨基金(IMF)がこれに呼応して支援体制を表明してくれることを待つ、という戦略を立てたが、それがうまく作動する前に、スペインの財政状況に対する懸念が再燃してしまったのである。

政治家としての限界を露呈したスペイン首相

 ではなぜスペイン問題が、この時期に急速に注目を浴びるようになったのだろうか。それは、3月末に同国が270億ユーロの赤字削減という厳しい今年度予算を発表したのが契機と見られる。同国の財政赤字縮小に疑念を抱く人々は「この厳しい情勢の中でそんな緊縮財政が可能なのか」と訝り、実体経済を悲観する立場からは「こんな予算では失業率がさらに上昇して社会不安を強めるだけだ」と深いため息が漏れた。ギリシャ同様に、スペインも出口の見えない経済運営を強いられている。市場では、早くもスペインが4番目の支援国になる、といった悲観論が飛び交い始めている。

 昨年末に「問題児」扱いされたスペインとイタリアは、年初以来その財政赤字縮小への取り組みで大きく差が付いた。イタリアにおいて再建を託された「非政治家」のモンティ首相が次々と改革路線を打ち出していく一方で、スペインのラホイ首相は政治家としての限界を露呈してしまった。2012年の財政赤字を対国内総生産(GDP)比4.4%に縮小させると欧州連合(EU)にコミットした数字を、財政規律を高めようと25カ国がEU新条約に署名したその日に、5.8%へと勝手に修正してしまったのである。

 確かに失業率が23%台へと跳ね上がっている状況での緊縮財政には限界がある。成長路線も必要だ、とEUも理解を示し始めてはいるが、経済成長と財政再建の両立というのは、解の無い方程式に取り組むようなものである。特に同国の場合、銀行の過小な自己資本や自治州など地方自治体の財政赤字への取り組み遅延が問題視されている。前者に関しては、住宅市況が今後さらに悪化するとの見方が強いので、不良債権はますます増える可能性が高い。それを支援する財政能力が乏しいことも、国債や株式の売り材料となっている。

 だがユーロ圏を悩ませるのは、問題がスペインに止まらないことだ。改革スピードでスペインに差を付けたと見られていたイタリアでも、「モンティ首相との蜜月時代は終焉した」というムードが強まっている。ベルルスコーニ前首相の後継として、内外から信頼を集めてきた同首相も、労働市場改革で大きな試練に立たされているのである。イタリアで争点になっているのは、労働法の中の「Article 18」と呼ばれる条項の改正だろう。

 同国ではこの条例によって労働者の権利が保護されている。仮に企業がたとえ生産性の乏しい労働者を解雇したとしても、その解雇の正当性を判断する裁判所が不適切と見なせば、企業は再雇用せねばならない。裁判所は経済的な観点から心情的な判断を下すことも多く、これが非効率性を生む温床となっている、と企業経営者らは不満を示している。

イタリア首相の妥協路線に市場の評価揺らぐ

 モンティ首相は、裁判所に解雇の是非判断の権限を与えない改革断行へと舵を切ったが、当然ながら労働組合はこの改革案に対し、大規模なストライキを決行する、と猛反発した。労組は既に同首相が発表した年金改革案にも強く反対しているが、雇用制度改革にはさらに敏感になっており、中道左派の民主党内からの反発も強まっている。その結果として同首相は、当初の原案を緩和することを余儀なくされたのである。

 国債市場が最も懸念するのは、こうした政治的妥協の姿勢だ。モンティ首相を市場が評価してきたのは、非政治家としてポピュリズムにとらわれずに経済構造を改革していこうとするその真摯な姿勢であった。同国10年債利回りが先月5%を割り込んだのは、前述したECBの流動性対策の効果が大きいが、同首相に対する期待感もかなりの部分を占めていたはずだ。だが今回の妥協路線によって、その高い評価も揺らぎ始めたのではないか。

 ユーロ圏への懸念がスペインとイタリアに注がれていることは自明だが、他にも気になる要素は少なくない。ポルトガルが、ギリシャに次いで第二次支援が必要になる可能性はかなり高い。支援を受けて輸出を中心に経済再建を図ってきたアイルランドも、欧州各国のリセッション・ムードでその財政赤字削減に警戒信号が灯り始めている。

勝ち組オランダでも異変

 また、ギリシャはいったん危機を脱したように見えるが、債務残高をGDP比120%にまで落としたとはいえ、経済力の乏しい同国がその債務を返済できる確率は高くない。同国の総選挙は5月6日に行われることが決まったが、EU/IMF/ECBのトロイカ債権団に財政削減をコミットした与党連合への支持率は40%程度に止まっており、選挙結果次第では、財政再建が頓挫するリスクもある。

 また、ドイツやフィンランドと並んで「ユーロ圏の勝ち組」と見られてきたオランダでも異変が起こっている。昨年第3四半期に続いて第4四半期もマイナス成長となって事実上の景気後退入りした同国では、2013年の財政赤字の対GDP比3.0%という目標達成が危ぶまれている。この対応策として歳出削減が検討されてきたが、連立政権に閣外協力してきた勢力がこれに反対して離脱し、与党は議会で過半数割れとなってしまった。仮に歳出削減が困難となれば、オランダもフランスやオーストリアに続いて最高格付けを失う可能性が高い。

 フランスも、大統領選挙は大きな山場である。現職のサルコジ大統領が猛追しているが、緊縮財政に反対しEU新協定への再交渉を主張する社会党のオランド氏が依然として優位な情勢に変わりはない。一回目の投票では決着が付かず、ギリシャ総選挙と同日の5月6日に両氏の決選投票となる、との見方が大勢だ。仮にオランド氏が新大統領に就任することになれば、ドイツのメルケル首相との間に築かれてきた「メルコジ路線」は崩壊し、ユーロ圏には隙間風が吹くことになろう。

ユーロ解体の具体案に懸賞金が

 こうした各国における揺らぎは、ユーロという共通通貨の問題にも微妙な影響を与えかねない。今はやや下火になっているが、ギリシャのユーロ離脱という欧州エリート層がタブー視する問題が再浮上してくることは十分想定されよう。

 ちなみに、先般英国の保守党系のシンクタンクである「ポリシー・エクスチェンジ(Policy Exchange)」が、ユーロ解体への優れた案に25万ポンドの賞金を授与するとのプロジェクトで、最終選考に残った5名の案を公表している。ユーロ圏にしてみれば迷惑な話だろうが、この企画を提唱した同国ウォルフソン上院議員にちなんで「ウォルフソン経済賞」と名付けられた賞金を目指し、各国から400以上の応募があったという。

 その5名の案を簡単に羅列すれば、(1)ギリシャなど弱小国が離脱する、(2)ドイツなどの強国が離脱する、(3)各国がすべて元の通貨に逆戻りする、(4)ユーロをECUに戻す(5)ユーロ圏を「白身と黄身」に分けてユーロを合成し直す、といったものである。

 最終選考には残らなかったが、オランダの11歳の少年が「ギリシャはユーロ圏を離脱し、ユーロを新ドラクマに交換しない人にその2倍の罰金を科す」との漫画付きのプレゼンで100ポンドのご褒美をもらう、といったオマケも付いている。

 依然として「ユーロ離脱は絶対に有り得ない」という論調も目立つが、ユーロ圏内でも現状維持を諦める「プランB」としての通貨対応策が水面下で議論されていることは、もはや否定しがたい事実である。共同体理念を貫く理想主義と、市場メカニズムからの演繹を重視する現実主義との対立はまだ当分続きそうだが、数年後に現在のユーロが残っている確率は、日々小さくなっているように思われる。

中央銀行が時間稼ぎはいつまでもつか

 かくして欧州危機が長期化するであろうことは、もはや市場のコンセンサスになっているが、皆が知りたがっているのは、その痛みを和らげて時間稼ぎをする欧州中銀の施策がいつまでもつか、という点であろう。ECBの3年間の流動性供与という奇策の効果は、徐々に薄れ始めている。ただ、その懸念は欧州に限った話ではない。

 あの2月14日の日銀によるバレンタインデー・プレゼントの効果も、一カ月ほどで剥げ落ちてしまった。円高修正が一服し、株価上昇ムードも消えかける中で、永田町や市場は追加緩和を期待している。だがその効果は2月ほどの威力を発揮することは難しいだろう。まさに限界効用の低減である。

 米国では恐らく「オペレーション・ツイスト」が終了する6月に「QE3」が導入されるだろう。バーナンキ議長が長期金利抑制策を放棄するとは思えないからだ。もっともその政策の威力も「QE1」や「QE2」に比べて大きく低下するのではないだろうか。

 だが、政治家は容赦しない。日本のデフレ問題、欧州の債務問題、米経済の低成長問題に対し、中央銀行がこれを黙視することを許さないからだ。そこで鮮明になりつつあるのは、中央銀行が政治的に独立しているのはおかしい、という政治感覚である。日本では自民党の一部勢力が日銀法改正に向けて舵を切った。この動きは注目されよう。

 欧州中銀も、政治に肩入れする方向性を厳しく批判するドイツ連銀の猛反発を受けながら、さらなる妥協を余儀なくされていくだろう。バーナンキ議長の連邦準備制度理事会(FRB)は、既に政治からの独立を事実上放棄していると言って良い。

「中央銀行の独立」は市場経済に対するイリュージョン

 筆者はこれに反対するものだが、金融はリアリズムの世界であり、中銀も大きな政治的潮流に飲み込まれるのが常であることを認めざるを得ない。中銀の独立とは、しょせん「幻想の産物」なのである。英国史に見られるように、中銀は資金不足に困り果てた政治が土壇場で作り上げた組織に他ならないからだ。前回も書いたように、中銀は先祖返りして、結果として財政機関の道をたどらざるを得ないのではないだろうか。

 日本では先日、日銀審議委員の人事案を参院が否決し、来年の総裁人事にも影響を与えそうな雰囲気が出てきた。明らかに大胆な緩和策へと舵を切らせる方向に政治が動き出している。日銀の独立時代は終焉に近づいている、と言えるかもしれない。

 もっとも日銀に対して政治的プレッシャーを与えるというのは、ある意味で当然のことである。「中央銀行の独立」というのは、市場経済に対する一種のイルージョンを与えるものであり、それは通貨の信認を経済全般に対して「布教」するために必要な装置にすぎなかったからである。

 人々は、通貨は愚行に陥りがちな政府から離れて中央銀行がしっかりと管理するものだ、と思ってきた。あるいは、そう思っていた方が安心であった。だから中銀は、中銀の独立という建前を捨てられないのである。それは金を捨てて信用貨幣を使い始めたどの国でも同じことなのだが、経済情勢はそれを許さなくなってきた。

 ただし中銀は、ワイマール共和国や戦後日本などの例に見られるように、常識の範囲を逸脱することで、とんでもないインフレを引き起こす。そのブレーキ役が無くなることが最大の問題なのである。さて現代の頼りない政治家に、果たしてその機能を期待しうるのだろうか。その意味で、前回書いた「中銀リスク」とは「政治家リスク」と読み替えていただいても差し支えないだろう。
このコラムについて
倉都康行の世界金融時評

日本、そして世界の金融を読み解くコラム。筆者はいわゆる金融商品の先駆けであるデリバティブズの日本導入と、世界での市場作りにいどんだ最初の世代の日本人。2008年7月に出版した『投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム』で、サブプライムローン問題を予言した。理屈だけでない、現場を見た筆者ならではの金融時評。

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著者プロフィール

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

1955年生まれ。東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンで国際資本市場業務に携わった後、97年よりチュースマンハッタンのマネージングディレクターを務める。現在、RPテック代表取締役。日本金融学会会員。最新刊は『投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム』(日経BP社)。主な著書に『金融史がわかれば世界がわかる』『金融VS.国家』(ちくま新書)、『金融市場は謎だらけ』(日経BP社)、『予見された経済危機 ルービニ教授が「読む」世界史の転換』(日経BP社)など

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120413/230950/?ST=print  

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コメント
 
01. 2012年4月17日 13:16:26 : cqRnZH2CUM

>通貨は愚行に陥りがちな政府から離れて中央銀行がしっかりと管理するものだ、と思ってきた。あるいは、そう思っていた方が安心であった。だから中銀は、中銀の独立という建前を捨てられないのである。それは金を捨てて信用貨幣を使い始めたどの国でも同じこと

政府が信用できないように、通貨価値も無条件に信用できるものではない

Goldなど現物の価値だって、社会の生産力が崩壊すれば、僅かな食糧と交換できる程度のもの

絶対に頼れるモノなどない



02. 2012年4月17日 15:31:23 : 3CNLte9sGM
4月の米FOMCでQE3見送りへ、金利ガイダンス活用か
2012年 04月 17日 15:04 JST


4月16日、FRBは24─25日にFOMCを開く。今月公表された3月のFOMC議事録では、QE3を支持するメンバーが減っていることが明らかに。ワシントンのFRB本部で2010年1月撮影(2012年 ロイター/Jason Reed)

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[ワシントン 16日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は24─25日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。

今月公表された3月のFOMC議事録では、量的緩和第3弾(QE3)を支持するメンバーが減っていることが明らかになった。

3月の雇用統計は予想を下回ったが、景気の改善を示す経済指標も散見されており、今回のFOMCでQE3への支持が拡大する可能性は低いとみられている。

元FRBエコノミストでハミルトン大学に勤めるアン・オーウェン氏は「経済情勢からみて追加緩和は必要ないが、緩和措置の縮小も正当化できない」と述べた。

FRBは、国内外で追加量的緩和に対する批判が高まっていることにも神経質になっている。共和党は、金融緩和によりドル安が進んだと批判。途上国からは、ドル安で米国の輸出業者が不当な利益を得ているとの声が出ている。

FOMC内でも、タカ派から追加量的緩和の弊害を指摘する声が相次いでいるほか、近く利上げが必要との主張も出ている。

FRBに関するブログが人気を博しているオレゴン大学のティム・デュイ教授は「多くの当局者が、早めの引き締めを強く主張している。近い将来に(追加緩和への)政策転換があると予想しているのであれば、これほど声高には主張しないだろう」と述べた。

こうした一部タカ派の主張は、FOMC声明の内容とは大きくかけ離れている。4月のFOMC声明でも、少なくとも2014年終盤まで事実上のゼロ金利政策を維持する方針が表明される可能性が高い。

FRB内で強い影響力を持つイエレン副総裁は、先週の講演で、この時間軸への強い支持を表明。副議長は、FRBの透明性強化の一環で、金利ガイダンスの活用を強く主張しており、今後、大きな政策転換(追加量的緩和もしくは引き締めの開始)を決定するまで、この時間軸を前後に操作することでで、金融政策を調節する可能性がある。

ロイターが実施した最新のプライマリーディーラー調査では、依然として15社中11社が最終的にはQE3が必要になると予想している。

米経済は昨年第4・四半期に前期比年率3.0%の成長を記録したが、今年第1・四半期は成長率の鈍化が予想されている。

失業率も昨年夏の9.1%から急低下し、3月は8.2%となったが、アナリストやFRB当局者の間では一段の低下は難しいとの見方が多い。

<お飾り>

FRBは、政策金利がほぼゼロと、有効な政策手段に乏しいため、数多くの「お飾り」(市場関係者)に頼るようになってきている。

4月のFOMCは、FRBのそうした事情を如実に物語る事例となるだろう。現地時間昼過ぎに発表するFOMC声明は、景気認識を微調整するにとどめるとみられている。

その後、FRBは四半期経済予測とFOMC参加者個人の利上げ時期の予測を公表。さらにバーナンキ議長が会見を開き、記者団の質問に答える。

議長は会見で、従来の政策選択肢を温存する可能性が高い。国内の経済見通しは相対的に改善しており、FRBはこの傾向が続くか見極めたいと考えているもようだ。

現在FRBが進めているツイストオペは6月末で終了するため、次回6月のFOMCが正念場となる可能性がある。

今年のFOMCで投票権を持つ中立派のロックハート・アトランタ地区連銀総裁は先週、記者団に対し、ツイストオペの終了で債券利回りに上昇圧力がかからないか債券市場の動向を注視していると発言。一方で、追加緩和のハードルは依然として高いとの認識を示している。

(Pedro Nicolaci da Costa 記者;翻訳 深滝壱哉;編集 田中志保)


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03. 2012年4月17日 20:21:18 : 3CNLte9sGM
ECBによるユーロ圏の成長支援、条約変更は必要ない=仏大統領
2012年 04月 17日 16:38 JST
 

4月17日、フランスのサルコジ大統領は、ECBにユーロ圏の景気支援を求めるのに条約変更は必要ないとの認識を示した。写真は16日撮影(2012年 ロイター/Philippe Wojazer)
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[パリ 17日 ロイター] フランスのサルコジ大統領は17日、欧州中央銀行(ECB)にユーロ圏の景気支援を求めるのに、条約変更は必要ないとの認識を示した。

国内ラジオ局フランス・アンテルに述べた。

大統領は週末の選挙演説で、ECBの責務に景気支援を含めることを議論すべきだと表明していた。

大統領は、ECBが世界中の他の中銀と歩調を合わせるべき時期だと主張。ECBの独立性に疑問の余地はないが、ユーロ圏の輸出・景気支援のため、為替政策を活用できないか議論する必要があると述べた。

大統領は「ECBが成長支援に参加しないということはあり得ない」とし、ECBに積極的な景気支援を求めるのに条約改正は必要ないとの考えを示した。

大統領は「ECBが独立しているからと言って、われわれに議論する権利がないというのは間違っている」と述べた。


04. 2012年4月18日 01:28:33 : 3CNLte9sGM
6月で終了する金融緩和策 注目のFRB「次なる一手」

Photo:REUTERS/AFLO
 米連邦準備制度理事会(FRB)の次なる一手に市場の注目が集まっている。昨年9月から景気浮揚を狙って実施している金融緩和策、オペレーション・ツイスト(ツイスト・オペ)が、今年6月末で期限を迎えるからだ。

 注目の背景には、今年11月に控える大統領選挙がある。オバマ大統領の再選は失業率などの景気指標に左右されるだけに、現政権を支えるFRBは、「景気が息切れしてから追加緩和策を打ち出したのでは間に合わない」(加藤出・東短リサーチ取締役)とみている。

 足元の米国景気は失業率が改善し、順調に回復しているように見える。だが、バーナンキFRB議長は慎重な姿勢を変えていない。

 失業率の水準は8%強とまだ高い上、「住宅市場の低迷やガソリン価格の上昇も加わっている」(木内登英・野村證券チーフエコノミスト)。中でもガソリン価格には米国民が敏感で、消費を抑制し、政権の支持率を下げるほどだ。

 ただ、景気刺激のための大規模国債購入を実施して市場やメディアに「量的緩和第3弾(QE3)だ!」と騒がれると、ジャブジャブに供給された資金 が原油に向かうのでは、との市場心理が働き、実際に原油価格が上昇する可能性がある。これがガソリン価格の上昇を招けば元も子もない。

 そもそも2008年のリーマンショック以降のFRBの緩和策を振り返ると、四つのフェーズがある。(1)金融機関の資金繰り破綻を防ぐ短期資金供給、(2)いわゆる量的緩和第1弾(QE1)、(3)量的緩和第2弾(QE2)、そして(4)ツイスト・オペである。
http://diamond.jp/mwimgs/6/1/590/img_6134fa23be8a2173fadddd132cc1eae050263.jpg

 フェーズ(3)までの緩和策は、いずれもFRBの総資産拡大を伴うものだった。これが毀損すれば税金で穴埋めしなければならず、バーナンキ議長は保守的な共和党の議員から「ドルの価値を損ねる」との批判を浴びてきた。
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こうした批判をかわすべく昨年決定したのが、長期国債を4000億ドル買い取ると同時に、FRBが保有する短期国債を同額売却することで、長期金利の引き下げを狙うツイスト・オペだった。しかし、2%前後とすでに低水準の長期金利を低下させるには、もはや限界がある。

 そうなると、“QE3”とのレッテルを貼られることを避け、かつ住宅市場の回復を促すことで景気回復を実現する緩和策が、FRBが取り得る選択肢となる。
 具体的には、住宅ローンを担保に証券化したMBS(モーゲージ担保証券)を大規模に買い支えて住宅ローン金利の低下を促しつつ、ツイスト・オペと 同様に短期の保有資産も同時に売却してFRBの総資産の膨張を避ける政策を検討している。大統領選の時期を鑑みれば、4月24日、あるいは遅くとも次の6 月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、緩和に踏み切るかを見極めることになる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史)
http://diamond.jp/articles/-/17351


05. 2012年4月18日 10:52:25 : Pj82T22SRI
本当は緩和やりたくなかった日銀、一貫性なく市場混乱−水野元委員


  4月18日(ブルームバーグ):日本銀行の審議委員を務めたクレディ・スイス証券の水野温氏取締役副会長は、デフレ克服に向けた措置として、必ずしも効果的でなく本当はやりたくないと思っている政策を日銀が2月会合で打ち出してしまったため、その後の情報発信に一貫性がなくなり、市場参加者を混乱させているとの見方を明らかにした。16日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。
日銀は2月14日、消費者物価指数の前年比上昇率1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明。これを受けて市場参加者の間では、日銀がデフレ脱却により積極的になったとの期待が高まったが、日銀はその後2会合連続で政策の現状維持を決めた。
2004年−09年に日銀審議委員を務めた水野氏は「日銀が市場の期待に働き掛けることの重要性にようやく気付いて2月14日に動いたと信じた市場参加者を日銀はがっかりさせてしまった」と指摘。今月27日の決定会合で「何もしないという選択肢はもはやないだろう」とした上で、「長期国債を5兆円ないし10兆円買うだけなら、恐らく為替市場や株式市場に対して効果は期待できない」と言う。
白川総裁は2月14日の会見で「最近みられている前向きの動きを金融面からさらに強力に支援し、緩やかな回復経路への復帰をより確実なものとする」と表明した。一方、3月24日の米国講演では、一転して「バブル崩壊後の積極的な金融緩和政策はもちろん必要だが、副作用や限界についても意識する必要がある」と述べた。
市場を味方にすることに失敗
水野氏は「2月14日の決定・会見とトーンが非常に違う。同じ人がどうしてあそこまで変わってしまうのか、一貫性がないと受け止められても仕方がない」と指摘。「白川総裁は市場機能をゆがめることは避けたいと思っているので、政策金利はゼロ%にしてないし、長期国債の大量購入も基本的にやりたくないはずだ。そういう日銀からすると、多分、本当はやりたくない政策をやっている」と語る。
さらに、「先進国の中央銀行の政策の枠組みは収れんしてきており、市場の期待に働きかける方向にかじを切っている」と指摘。日銀も同じグループに入ったと市場はいったん思ったが、その後の二の手、三の手がなく、「市場は日銀の情報発信に戸惑っている。日銀は市場を味方につけることに失敗している」と語る。
水野氏は2月14日の決定について「議事要旨を読むと、政策委員全員が何か熱くなってしまって、深い議論をせずに中長期的な物価安定のめどを取りまとめ、10兆円の長期国債購入増額を決めてしまったことが伝わってくる」と指摘。市場に対してデフレ脱却の決意表明をしたまでは良いが、「どういうパス(道筋)で政策効果が波及していくのかについても、あまり深い議論がされていない」という。
デフレ脱却の道筋、納得できる説明ない
水野氏は「長期国債だけを買い続けることで、どういうパスでデフレ脱却に効果があるか、納得ある説明を聞いたことがない」という。金融市場では、日銀が今月27日の決定会合で資産買い入れ等基金で購入する長期国債を増額するとともに、買い入れ対象国債の残存期間を現在の2年以内から5年以内まで延長するとの見方も出ている。
水野氏は「それがインフレ期待を高めるかというと、逆の効果がある」と指摘。「日銀の政策が将来的にインフレ期待を高める効果があるのであれば、イールドカーブ(金利の利回り曲線)は立つはずだが、これが寝ているということは、日銀の政策はデフレ克服には役立たないと市場が評価しているということだ」と指摘する。
白川総裁は海外での講演で、1980年代後半に金融引き締めが遅れたことがその後、資産バブルの発生、崩壊を招いたと繰り返し指摘している。水野氏は「白川総裁の就任以降、資産インフレ発生を懸念する結果、インフレ期待の低下を助長してきた面がある」という。
根強いデフレ期待を変えるために
水野氏は「包括緩和策は限界に近づいている」と指摘する。日銀が10年10月に打ち出した包括緩和は長短の国債、コマーシャル・ペーパー(CP)、社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J−REIT)など、さまざまな資産を購入することで緩和効果を狙う枠組みだ。しかし、「実際は日本の資本市場に厚みがないため、国債以外の資産は大して買えていない。たとえばETFはまだ買えるはずだが、国債ばかり買っている」と水野氏は話す。
その上で「財政がこれだけ悪いのにイールドカーブが寝ているということは、デフレ期待がいかに強いかということだ」と指摘。デフレ期待を変えていくために「日銀は少なくとも株価の下支えすることや、円高進行に歯止めを掛けなければならない」としている。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/18 09:33 JST


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