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【目を覚ませ!日本】TPPは危険!米国が日本に輸出攻勢
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120415/plt1204150749001-n1.htm
2012.04.15 夕刊フジ
オバマ米大統領はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で「アメリカの輸出を増やし、アメリカ国民の雇用を確保する」と言っている。TPP参加国は、事前協議中の日本を含めて10カ国あるが、日米2カ国でGDPの90%を占有している。アメリカは一体どこの国に輸出攻勢をかけようというのか。それは日本以外にないことは明らかである。
日本がTPPに参加すれば、東南アジア諸国の安い労働力もどっと入ってくる。わが国では今、大学や専門学校を卒業しても2人に1人しか就職できない。そんな中で、アメリカ人や東南アジアの人たちに、日本国民と同等の就職機会を与えることはないと思う。
TPPには「ISD条項」なるものが存在し、日本政府の法律や政策でアメリカの投資家が損害を受けた際、投資家が日本政府を訴えることができる。この裁判は世界銀行傘下の仲裁センターで行われるが、世界銀行総裁のポストはこれまでアメリカの独占である。
北米自由貿易協定の中で、カナダ政府やメキシコの地方自治体がアメリカの投資家に訴えられて賠償金を支払っているそうだ。外国人投資家によって国の政策が変更を迫られるような条約にわざわざ参加する必要はない。わが国はすでに多くの国とISD条項を締結しているが、これまでは主に、発展途上国との間で訴える側として締結してきたのである。
アメリカには、遺伝子組み換えの小麦や大豆、とうもろこし、綿花などの種子を作っている企業がある。遺伝子組み換えの種子は従来の種子に比べて強く、遺伝子組み換え種子が使われ始めると、従来種子は徐々に減っていくのだという。
TPP参加によって、このような遺伝子組み換え種子が日本にどんどん入ってくるようになれば、アメリカによる農作物の種子支配が強化される可能性が大である。
インドでは、綿花の遺伝子組み換え種子が多くなり、農家は従来の種子の4倍の価格で種子を買わなければならない状況になり農民の自殺が増えているそうだ。
メキシコでは、とうもろこしについて同様の問題が起きている。わが国の米作りなどにも影響が及んでくることも考えなければならない。米作りが変われば国柄まで変わってしまう。
対米配慮だけで、TPPに参加するのは極めて危険である。
■田母神俊雄(たもがみ・としお) 1948年、福島県生まれ。71年に防衛大学校卒業後、航空自衛隊入隊。統合幕僚学校長、航空総隊司令官などを経て、2007年に航空幕僚長に就任。08年、懸賞論文への応募作品が政府見解と対立するとして幕僚長を更迭。同年11月に定年退官。その後、執筆・講演活動を中心に活躍する。著書に「日本はもっとほめられていい」(廣済堂新書)、一色正春氏との対談本「日本を守りたい日本人の反撃」(産経新聞出版)など。
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