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株式日記と経済展望
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菅前政権や野田政権は、日本の財政危機をギリシャなどユーロ圏の
PIIGSになぞらえて煽り立てていますが、見当はずれもいいところです。
2012年4月13日 金曜日
◆ユーロで不幸になったケルトの虎 4月13日 Electronic Journal
http://electronic-journal.seesaa.net/article/264156632.html
もし、このユーロ加盟の4条件を日本に当てはめると、日本は明らかに不合格です。財政赤字は9%台であるうえ、政府負債累積残高に至っては200%を超えているからです。確かに、この数字だけを見ると、日本はギリシャよりも悪いのです。
しかし、そうであるからといって、日本が財政破綻する危険があるのかというと、必ずしもそうとはいえないのです。ユーロ圏の国々のなかには、この条件があることによってかえって国の運営が危機に瀕してしまったところもあるのです。
ユーロ圏ではまずギリシャが問題になりましたが、PIIGS諸国すべてが問題なのです。そのなかでユーロに加盟して明らかに不幸になった国のひとつであるアイルランドを取り上げて、検討していくことにします。
アイルランドは、アイリッシュ海を挟んでグレートブリテン島の西側、アイルランド島にある国です。昨日のEJの添付ファイルのグラフを見れば明らかであるように、財政赤字の対GDP比は実に30%に達しています。日本の場合は約9%ですが、30%になると一年の財政赤字が150兆円に達することになり、それがいかに深刻であるかわかると思います。
日本の財政赤字は、たとえどんなにそれを増やしたところで、それは自国通貨建て──円建てなのです。自国通貨建てであればいろいろな解決策があるのです。しかし、アイルランドの負債はIMFやEUなどの「外国」から借りたお金なのです。
しかも、アイルランドはユーロ圏の国ですから、ユーロの発行権限がないので、アイルランドは増税をして、国民からユーロを絞り取ることで返済するしかないのです。つまり、徹底した緊縮財政を行うことになるので深刻な不況になります。この点は、ギリシャもまったく同じ状況にあるといえます。
菅前政権や野田政権は、日本の財政危機をギリシャなどユーロ圏のPIIGSになぞらえて煽り立てていますが、その寄って立つ基盤がぜんぜん違う国と日本を比較して、増税の必要性を説いており、見当はずれもいいところです。
その点、1997年のアジア通貨危機のさい、ウォンが暴落した韓国は、アイルランドとは事情が異なるのです。韓国は、国内金融機関が対外負債をデフォルトし、外貨準備が枯渇する寸前まで行ったのですが、比較的早く立ち直っています。
それは、ウォン暴落でウォン安になった韓国は、輸出競争力が復活し、それが経常収支の黒字をもたらすことになったのです。経済評論家の三橋貴明氏は、通貨の暴落について、次のような表現を使って、その本質を述べています。
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破綻国における「通貨暴落」とは、その後の経済成長を後押し
してくれる一種のボーナスなのだ。 ──三橋貴明著
『2012年/大恐慌に沈む世界/甦る日本』/徳間書店刊
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しかし、アイルランドにはその「ボーナス」(通貨安)がないのです。アイルランドがユーロに加盟している限り、ドイツの信用によって暴落することがないユーロのために、経常収支を黒字化できない状況が続くことになります。対外資産を稼げないからです。そのため、アイルランドはGDP成長率をプラスにすることが極めて困難になります。GDPが成長しないと、政府の税収は増えず、そうなると、政府のユーロ建て対外負債を返済することは、きわめて困難になるのです。
もし、対外負債が自国通貨建てであれば、アイルランド政府はインフレ覚悟で国債を大量に発行し、それを中央銀行に引き受けさせて負債を返済できるのですが、ユーロ建てなのでそれは不可能です。中央銀行はあっても金融政策は使えないのです。
しかし、アイルランドは、90年代に経常収支の黒字を持続させ、「ケルトの虎」と呼ばれるほど華やかな経済成長を遂げた国なのです。「ケルトの虎」はアイルランドという国そのものを示す表現であり、またアイルランドの好景気の時期のこともそう呼ぶのです。そういう意味で、少なくともアイルランドはギリシャよりも潜在GDPは高い国といえます。
それほどの実績を持つアイルランドはユーロにそれなりの計画があって加盟したはずです。それがどうして、現在のような状況に陥ったのでしょうか。そのあたりのことを分析してみる必要があるのです。なぜなら、今後アイルランドがどうなるかは、PIIGS諸国の運命を握っているからです。
(私のコメント)
北朝鮮がロケットを打ち上げて数分で海上に落下したようですが、北朝鮮国内ではどのように報道されるのでしょうか? 北朝鮮はもはや国家の体をなしていないのですが、中国からの最低限の援助で生き延びている。アメリカからの食糧援助はミサイル打ち上げでご破算になるのでしょうが、軍部ですら食料に事欠くようになっている。
韓国は北朝鮮と民族も文化も同じであり、南北朝鮮は冷戦体制下では、北朝鮮は中国やロシアの経済援助を受け、韓国はアメリカや日本からの経済援助で支えられてきた。北朝鮮が現在のような破綻国家になってしまったのは、ロシアからも中国からも見捨てられてしまったからだ。かろうじて中国からは緩衝地帯として生かさず殺さずの援助を受けている。
韓国は日米からの有形無形の経済援助を得て先進国の仲間入りを果たしていますが、日米からの援助が無ければ北朝鮮並みの国家に過ぎなかっただろう。韓国も宇宙ロケットを自前で開発していますが失敗続きで北朝鮮と同じだ。テレビや自動車程度の技術は提供できても宇宙ロケットまでは日米も技術援助は難しいからだ。
韓国も何度も経済破綻寸前まで行きましたが日米の援助で危機を脱してきた。朝鮮半島は歴史的にも長い間中国の従属国であったが、中国国土に組み入れなかったのは文明度に差がありすぎて組み入れないほうがいいと判断したのだろう。中国はソ連からの技術援助があったにしても人間宇宙衛星を打ち上げて行くだけの文明度があった。
ヨーロッパにおいても国家によって文明度が異なるのは当然ありますが、近代ヨーロッパ文明の中心はイギリスとドイツ・フランスにある。この三カ国にPIIGSと呼ばれる周辺諸国がありますが、ヨーロッパの経済問題はPIIGS諸国の問題でもある。アイルランドはその中の一国ですが、財政赤字の規模がGDPの9%もあり破綻寸前の状況にある。
アイルランドはクロムウェルによって侵略されて長い間イギリスの植民地となり、大飢饉などによって人口が800万人から400万人に減るなどの大量の餓死者を出した。まさにアイルランドはヨーロッパの北朝鮮だ。イギリス人が民族的にアングロサクソンなのに対してアイルランド人はケルト人の末裔であり文明度に差があったのが悲劇の元なのだろう。今ではアイルランド語は廃れて英語が話されている。
このような歴史的な経緯から、アメリカにはアイルランド系移民が多く、好景気の時はアメリカなどの外資を呼び込んで「ケルトの虎」と呼ばれるほどの経済発展をした。低い法人税と安い人件費は外国企業にとって魅力だったからだ。PIIGSと呼ばれるヨーロッパの地域はユーロに参加することで高い信用力をつけた。しかしこのような外資に頼った経済発展は海外の経済の波の影響を受けやすく、多くの外資は景気が悪くなると撤退してしまうので空洞化してしまう。
中国や韓国も外資の資本と技術によって経済発展した国であり、輸出が経済の原動力になっている。しかしPIIGS諸国とは違って自国通貨で資金調達しているから、金融危機が起きれば為替相場が暴落して輸出がしやすくなる。韓国のサムスンやLGやヒュンダイが好調なのは韓国ウォンが安くなった為であり、経済危機を脱している。
しかしアイルランドはユーロ通貨だから、自国の中央銀行が買い取るわけにも行かず、ユーロ建て国債で財政を賄わなければならない。しかし買う人がいなければ金利が上がって財政を余計に圧迫してしまう。ユーロの問題はここにあるわけですが、ドイツだけがユーロ安を享受している。しかしドイツはPIIGS諸国を援助する気はなく、ユーロ圏は分裂や離脱の気配が出てきました。
アイルランドとイギリスの関係は、日本と韓国の関係に似ていますが、日本は韓国に多額の投資をして技術援助もしてインフラ整備にも貢献してきましたが、イギリスによるアイルランドの関係はまさに悲惨の一言であり、19世紀における数百万の餓死者はイングランドが食料を略奪して大量に餓死者を出した。その結果、アイルランド語を話す人口が少なくなり公用語も英語になってしまった。それに比べると日本が行なった韓国への援助は、感謝されこそすれ恨みを買うようなものではない。
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