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“世界危機”不安は喉元を過ぎて忘れられたのか? 期待先行の「金余り相場」が映し出す真のリスク
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/572.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 10 日 01:05:52: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://diamond.jp/articles/-/17027
真壁昭夫 [信州大学教授] 

“世界危機”不安は喉元を過ぎて忘れられたのか?
期待先行の「金余り相場」が映し出す真のリスク

金融不安は小康状態に入ったが……。
足もとの「金融相場」に見える不安

 一時期懸念されていたユーロ圏の信用不安問題や原油価格高騰などの問題は、とりあえず最悪の状況を脱し、足もとで小康状態を保っている。それに伴って、金融市場は世界的に少しずつ安定性を取り戻しているように見えた。

 そうした状況の背景には、世界の主要国が金融を緩和し、潤沢な流動性=お金を供給していることがあることを忘れてはならない。ユーロ圏の中央銀行であるECB(ユーロピアン・セントラル・バンク)は、昨年12月21日と今年2月29日に、合計で約1兆ユーロの資金を市中に注入した。

 米国のFRBは、昨年6月までQE2(量的緩和策第2弾)で6000億ドルの紙幣を刷って市場に供給した。わが国の日銀も、今年2月に10兆円の追加金融資産購入=資金供給を発表した。

 さらに、中国などの新興国でも金融政策は緩和気味に運営されており、世界中に資金が有り余るほど潤沢に供給されている。資金が潤沢に供給されると、基本的に金融機関や企業の資金繰りは楽になる。

 資金繰りに余裕が出ると、多くの人々は「お金を使おうか」という気になり易く、景気は回復傾向に向かう可能性が高まる。

 潤沢な資金の一部が、投資資金として株式市場などの金融市場に流入すると、株価は堅調な展開を示す可能性が高まる。いわゆる“金余り相場”、あるいは“金融相場”と呼ばれる展開になる。

 しかし、“金融相場”には一種の危うさもある。景気の回復が進むと、いずれ金融政策は緩和から引き締め気味に転換期を迎える。そうなると、頼りの“金余り”の状況に微妙な変化が生じる。

 問題は、そうした状況を乗り越えて、本物の景気回復が実現できるか否かだ。回復が本物になれば、景気は上昇傾向を維持し、金融市場もそれなりの堅調な展開になる。

 一方、それができないと、再度景気の先行きは不透明になり、金融市場も不安定な展開になる。そろそろ、分水嶺に近づきつつある。金融緩和は時間稼ぎに過ぎない。

次のページ>> 金融当局も認めた「時間稼ぎ」の金融緩和策が抱える危うさ

 かつて日銀の幹部は、「金融政策は時間稼ぎに過ぎない」と発言したことがある。中央銀行の幹部としては、かなり思い切った発言だ。解釈によっては、中央銀行自体の存続意義を危うくすることにもなりかねないからだ。

 ただ、この発言は金融の専門家から高く評価された。まさにその通り。金融緩和政策を採って資金を潤沢に供給することによって、経済全体に一瞬の安堵感を与えることができる。

 しかし、それで問題が片付いたわけではない。短期的に資金繰りが安定するため、切迫感が一時的に緩和されるに過ぎない。景気の低迷が続いたり、企業業績の悪化が続くと、一時的に楽になった資金繰りが再び苦しくなることは避けられない。
金融当局も認めた時間稼ぎの危うさ
金融緩和の長期化が抱える「課題」

 重要なポイントは、金融当局が緩和策をとって時間稼ぎをしている間に、景気が少しづつ回復傾向を辿ることであり、企業業績が改善に向かって進み始めることだ。それができないと、金融緩和策をいつまでも続けなければならない。金融緩和策を長く続けることには、主に2つの問題がある。

 1つは、金融緩和策自体の効果が薄れることだ。政策に関しては何ごともそうだが、特定の政策が最初に実行されるときには、サプライズとして作用することで大きなインパクトを期待することができる。ところが、当該政策を繰り返してしまうと、サプライズの作用は薄まり、次第にその効果も低減することになる。

 もう1つは、金融緩和策を長く続けると、有害な副作用が懸念されることだ。“金余り”状態が続くと、金融市場でバブルが発生することも考えられる。あるいは、貨幣価値の下落によってハイパーインフレが発生することも懸念される。金融政策に過度に依存することには、リスクがあることを忘れてはならない。

 主要国の積極的な金融緩和策に支えられて、世界経済はとりあえず安定化したように見える。しかし、冷静に考えると、無視できないリスクファクターは依然として残っている。  

次のページ>> 解消されない欧州の景気減速と、エネルギー価格の高騰

欧州の景気減速とエネルギーの高騰
リスクファクターは解消されていない

 最も大きなリスク要因は、ユーロ圏の信用不安問題だ。ギリシャの無秩序なデフォルトは何とか回避され、ユーロ圏の金融機関の資金繰りもとりあえず小康状態を保っている。

 しかし、信用問題の根源である、南欧諸国の財政悪化問題が片付いたわけではない。まずギリシャも、今後実施される総選挙で新政権が樹立された後、今までの約束が反故にされる可能性が指摘されている。

 ギリシャに続いて、ポルトガルやスペインにも信用不安の波が及ぶ可能性があり、それが現実のものになると、いよいよイタリアにその波が波及することも考えられる。その場合には、ユーロ圏だけではなく、世界的に金融システムに不安が及ぶだろう。それは、世界経済の足を引っ張ることになるはずだ。

 また、イランの核開発問題に関連して、原油価格の上昇懸念も忘れてはならない。すでに原油価格の上昇の影響は、様々な分野で顕在化している。

 わが国企業の景況感を見ても、原油価格の上昇によるコストアップが顕著になっており、企業収益を圧迫する状況になっている。今後、原油価格の上昇でガソリン価格が上がるようだと、米国経済にもマイナスの影響が及ぶことは避けられない。

 ユーロ圏の景気減速やエネルギー価格の上昇は、中国などの新興国経済にも悪影響を与える。中国の輸出にはすでに陰りが見え始めており、それが続くと中国経済の減速は一段と鮮明化することになるだろう。そうしたリスクファクターが顕在化すると、金融政策だけで解決できるとは考えにくい。

 現在、世界経済が抱えるリスクファクターを考えると、主要国の金融政策がすぐに転換するとは考えにくい。むしろ、緩和気味の金融政策が長期化することが予想される。

次のページ>> 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」今後も金融政策に一喜一憂

一方、金融緩和政策の長期化には弊害も伴うため、政策当局とすれば、どこかで政策を正常化することを志向するはずだ。

 問題は、そのタイミングだ。金融政策変更のタイミングを誤るようなことになると、しばらく安定を取り戻しつつあった経済と金融市場の動向を、再び不安定化してしまう懸念もある。

 経済状況を適切に判断すると同時に、金融市場とのコミュニケーションを図ることで、的確に政策当局の意図を市場にスムーズに伝えることを考えなければならない。各国の政策当局とも、市場とのコミュニケ―ションには細心の神経を使うことだろう。

 もう1つの問題は、金融政策に過度に依存することには危うさ=リスクがあることだ。金融政策は時間稼ぎである以上、経済が抱える根本原因を解決するものではない。時間を稼いでいる間に、大元の原因を取り除く努力をしなければならない。
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」
今後も金融政策に一喜一憂の展開

 ところが、人間はとりあえず安心感を持つと、どうしても問題解決への努力が疎かになってしまう。それが最も危険な状況だ。

「のどもと過ぎれば熱さ忘れる」とはよく言ったものだ。多くの人が金融政策の麻酔効果で安心してしまうと、原因の解決されていない問題は次第に大きくなって、最後にはさらに大きな問題となって姿を現すのである。

 ユーロ圏の信用不安問題についても、財政悪化や収支の不均衡の問題が解決されない間は、いずれどこかで顕在化することは避けられない。金融市場の参加者の多くが安心しているときに、突然、市場が暴力的にその問題の是正に動く可能性もある。

 そのときは、世界的に金融市場が混乱することになるだろう。金融政策の効果を過信すべきではない。
世論調査

質問1 あなたの周囲で、「世界危機」への不安は薄れていると感じる?  

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コメント
 
01. 2012年4月10日 01:16:42 : Pj82T22SRI

上の記事や下のコメントは、平均的な金融エコノミストの意見の集大成みたいなものだが
凡人が考えることは皆、この程度だということか
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/563.html#c1

02. 2012年4月10日 09:53:43 : Pj82T22SRI

ブラジル大統領、先進国の金融政策に懸念−米大統領と会談 

  4月9日(ブルームバーグ):訪米中のブラジルのルセフ大統領は9日、オバマ米大統領と会談し、先進国の金融政策が世界経済の成長の妨げとなりつつあるとの認識を示した。

ホワイトハウスでの首脳会談で、ルセフ大統領は「拡張的」な金融政策が先進諸国の通貨下落につながり、高ペースで成長する途上国の成長を損なっていると懸念を表明した。

同大統領は会談後に自国の記者団に対し、先進国の政策当局者は歳出を抑制して財政赤字の削減を目指す中で、景気刺激の面でゼロ金利政策に過度に依存するようになっていると指摘。こうした金融・財政政策の組み合わせが「金融の津波」を形成しつつあり、通貨高と輸出低迷を通じてブラジル経済に打撃を与えていると語った。先月のドイツ訪問の際にも同様の見解を示していた。

米国とブラジルの首脳会談は、1年3カ月前のルセフ大統領の就任以来初めてとなる。オバマ大統領は両国間の貿易と投資は「歴史的な水準」に達しようとしていると指摘。米国はブラジル国内で新たに2カ所で領事館開設を進めており、ブラジル国民が米国を訪れる際の査証取得にかかる時間の大幅な短縮を図ってきたと説明した。

これに対し、ルセフ大統領は米国からの一段の投資を要請するとともに、最近の沖合油田の発見に言及し、両国の関係拡大にとって「素晴らしい機会」だと語った。

唯一赤字

一方、ルセフ大統領はブラジルの対米貿易赤字に懸念を表明。ブラジルの対米貿易収支は昨年82億ドル(約6700億円)の赤字と、2007年の64億ドルの黒字から大幅に悪化。ブラジルの通貨レアルの上昇と経済成長に伴う輸入需要の高まりが背景となっている。同大統領は新興5カ国(BRICS)で対米貿易収支が赤字なのはブラジルだけだと指摘した。BRICSはブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカ共和国。

企業幹部らとの会議では、ルセフ大統領はブラジルの対米貿易赤字は「徐々に均衡化を図る必要」があるとの考えを示した。

原題:Rousseff Criticizes Monetary Policy in Meeting With Obama(3)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Margaret Talev mtalev@bloomberg.net;Brasilia Newsroom Raymond Colitt rcolitt@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Steven Komarow skomarow1@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/10 09:23 JST


03. 2012年4月10日 09:57:05 : Pj82T22SRI
スペイン:医療・教育で100億ユーロ節減へ−銀行株の売却急ぐ 

  4月9日(ブルームバーグ):スペインは欧州債務危機の中で財政赤字を削減するため、医療と教育プログラムで100億ユーロ(約1兆700億円)余りを節減し、銀行保有株の売却を急ぐ計画だ。

9日の政府の声明によると、ラホイ首相はこの日閣議を開き、医療と教育分野で重複をなくし効率を上げる措置を協議した。金融機関の過半数株式の売却を加速しながら、融資獲得の機会を増やす方策を検討する。

昨年12月に就任したラホイ首相は財政赤字の国内総生産(GDP)比を昨年の8.5%から今年は5.3%に縮小することを目指している。過去30年以上で最大となる赤字削減をラホイ政権が成し遂げることへの投資家の懐疑的な見方を反映し、スペイン国債利回りは先週、昨年12月以来の高水準に達した。同首相は先週2度にわたり、スペインが救済を申請する可能性に言及した。

同国政府は9日、2013年に財政赤字をGDP比3%に引き下げる目標をあらためて掲げ、新たな財政安定化措置と「構造改革」が経済をリセッション(景気後退)から反転させ、雇用の崩壊に歯止めをかけるとの見通しを示した。

原題:Spain Seeks 10 Billion Euros in Health, Education Savings(1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:Madrid Manuel Baigorri mbaigorri@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Kenneth Wong kwong11@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/10 06:33 JST


04. 2012年4月10日 09:57:34 : Pj82T22SRI
国際金融協会ダラーラ氏:行き過ぎた緊縮は欧州の回復損なう 

  4月9日(ブルームバーグ):国際金融協会(IIF)のダラーラ専務理事は、当局が緊縮策に重点を置き過ぎれば欧州の景気回復に響く恐れがあるとの認識を示した。

同専務理事は9日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「欧州の多くの部分で与信の縮小が引き続きみられる」と指摘。「われわれが必要だとの見解で一致している欧州経済の回復とは合致しない」と語った。

ギリシャとアイルランド、ポルトガルの救済につながった債務・金融危機を受け、欧州諸国の政府は歳出を削減している。ダラーラ専務理事は、短期的な歳出削減は「行き過ぎの可能性がある」とし、域内の成長を損なう恐れがあると述べた。

同専務理事は「短期の緊縮策が過剰にならないよう、欧州の現行戦略の一部について、バランスを取り戻すよう呼び掛けている」と述べた。また、債務危機に対応するための欧州の救済基金の規模について、最近の決定は「失望されるものだった」とし、欧州の政策当局者にこれを拡大するよう要請した。

原題:Dallara Says Too Much Austerity Focus May Hurt Europe’sRecovery(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Sandrine Rastello srastello@bloomberg.net;ニューヨーク Donal Griffin dgriffin10@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net;David Scheer dscheer@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/10 06:28 JST


05. 2012年4月10日 10:00:05 : Pj82T22SRI
スペインをギリシャにしないために、EUにできること−社説 

  4月5日(ブルームバーグ):ユーロ圏再建の試金石は決してギリシャではなく、最初からスペインだった。そして欧州連合(EU)はこれに失敗しそうなあらゆる兆候を見せている−。

スペイン政府の新たな財政緊縮策は投資家の信頼を勝ち得ることができなかった。そして、それはスペインばかりではなくEU全体を脅かす事態だ。欧州各国政府は手遅れにならぬうちに、軌道を修正しなければならない。

4日に行われたスペイン国債入札は、同国の新予算案に対する市場から最初の審判だった。それは好意的ではなかった。需要は低調で、利回りも上昇した。流通市場での10年債利回りは5.7%に達し、ドイツ債との利回り格差は4ポイントに接近。昨年11月来の水準となった。

スペインの財政計画が問題なのは、引き締めが足りないからではない。その反対だ。EUに命じられるままにスペインは、同国もEUのいずれの国も経験したことのないような財政引き締めを約束した。予算案は今年の財政赤字を国内総生産(GDP)の5.3%と昨年の8.5%から減らすことを目指す。スペインは、経済が縮小傾向にあり失業率は既に23%を上回る状況で、目標を満たすためには裁量的支出をGDPの4%相当減らす必要がある。

スペインは2回連続で野心的過ぎる赤字削減目標の達成に失敗し、失地回復を求められている。2回の失敗の原因は中央政府が地方政府の財政を十分に制御できなかったことと、経済成長率が予想以下だったことだが、これが繰り返される可能性はあまりにも高い。

スペインの失業率は全体でも高いが、若年層では50%以上という驚異的な数字となっている。手厚く保護された長期雇用者と規制の緩い契約社員とが完全にかい離した労働市場の非効率はかねて指摘されていたものだが、このような時期にさらに労働市場を揺るがす改革に支持を得るのは難しい。新政権は市場の信頼に加えて、有権者の信頼も失いかねない。

ギリシャの悲劇は子供だまし

ギリシャの経済規模は小さい。だが、スペインはユーロ圏第4の経済大国だ。スペインが沈めば、そうした事態を防ぐことを目指しながら実際にそれに対処するにはあまりにお粗末だったファイアウオール(防火壁)も瓦解するだろう。欧州中央銀行(ECB)による低コスト資金1兆ユーロ(約108兆円)の供給による金融環境の安定も、偽りの夜明けに終わる。

スペインはEUの支援なしに危機を乗り切ることはできない。EUは自らの利益のためにも、スペインがより緩やかに財政再建の歩みを進めることを認め、その成長過程を支えるべきだ。

スペインは経済・財政・政治の崩壊という悪循環に飲み込まれようとしている。EUに行動する意思があれば、今はまだその危険を回避できる。しかし傍観姿勢を長く続け過ぎてスペインが倒れるのを許せば、ギリシャの悲劇などは子供だましだったということになる。

原題:Spain Not Greece Is the Real Test for the European Union:View(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Clive Crook ccrook5@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Marc Champion mchampion7@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/05 17:07 JST


06. 2012年4月10日 10:11:36 : Pj82T22SRI
ギリシャとポルトガルは農村国なのが問題
Real Time Brussels

2012年 4月 10日 9:32 JST 
 ギリシャとポルトガルには、農業従事者があまりに多いと主張したところ、反発を買ったので、もう少し具体的に説明したい。

 まず指摘したいのは、ギリシャとポルトガルは欧州連合(EU)の中で有数の農村国であるということだ。国連統計によると、両国の都市人口は全体の約61%で、EUの農村国の一つであるフランスの86%を下回っている。EUでギリシャとポルトガルより都市人口が少ないのは、ルーマニア(53%)だけである。

画像を拡大する
アテネ郊外の農場
AFP/Getty Images

イメージ

 では、それが問題なのか。その通りだ。都市化と一人当たりGDP(国内総生産)との相関関係は、少なくとも産業革命以降強まっている。ギリシャが農業に回帰する必要があるという議論は、産業化により所得が増加してきた時代の流れに逆行するものである。

 だが、その因果関係はどうなっているのか。高度成長国に大都市が出現する可能性が大きいのか。それとも、都市化が成長をもたらすのか。

 経済学者の見方は分かれているようだ。だが、両方に真実があると考えることができる。農村に住んでいる人は、何らかの理由で家を離れ都会に移動する。その理由は通常は仕事、少なくとも高賃金の仕事である。そして、都会では、さまざまな経歴の人々が密集するため、刺激し合い成長が促される。

 具体的な例を挙げよう。デトロイトは、自動車の誕生を受け20世紀前半に世界で最も産業が発展した都市の一つとなった。しかし、忘れてはならないのは、デトロイトは19世紀においても米国最大の都市の一つだったことだ。フォードは、そこにすでに多くの労働者がいたこともあって、デトロイトに最初の自動車工場を設置した。

 したがって、ギリシャとポルトガルの農業従事者の比率が高いことは、経済停滞の兆候でもあり原因でもある。兆候は、農業従事者の都市流入を刺激するだけ産業が発展していないということである。一方原因は、ギリシャもポルトガルも、他の欧州諸国のように都市に人口が密集しても経済的な恩恵がもたらされないということである。

 これから導き出される政策上の処方せんははっきりしない。EUはギリシャとポルトガルの農村人口を大都市に移動させるための補助金を支出すべきなのか。これは、筋の悪いアイデアだろう。両国とも失業率が高く、都市に移り住んだ人たちは失業者となる可能性が大きい。そうなると行政は混乱し、住宅不足に見舞われるだろう。

 このばかげたアイデアはさておき、EUがギリシャとポルトガルに供与している多額の農業補助金は、両国民を農村に縛っている要因として精査するだけの価値はある。都市化を妨げないようなもっといい補助金の支出方法はあるのかどうかを考えるべきだ。
http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_423516?mod=WSJFeatures

記者: Matthew Dalton


07. 2012年4月10日 13:02:33 : Pj82T22SRI
日銀会合:金融政策を現状維持、全員一致−ドル融資枠を正式決定 (1)

4月10日(ブルームバーグ):日本銀行は10日開いた金融政策決定会合で、全員一致で政策の現状維持を決定した。引き続き2月の追加緩和の効果を見極める構えとみられる。日銀はまた、成長基盤強化を支援するための資金供給に関連し、前回3月会合で表明した日銀保有の米ドル資金を用いた1兆円(120億ドル)の貸付枠の導入を正式に決定した。

ドル融資の貸付期間は1年で3回の借り換えが可能とし、金利はドル6カ月物LIBORとして半年ごとに見直す。金融機関ごとの上限は10億ドル。受付期限は2014年3月末。

政策金利は0−0.1%に維持。資産買い入れ等基金のうち長期国債やリスク資産の購入を30兆円、固定金利方式の共通担保オペを35兆円の計65兆円に据え置いた。日銀は2月14日会合で、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明。10兆円の長期国債買い増しを決めた。

日銀は会合終了後の公表文で、足元の景気は「なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きがみられている」として、前月の「持ち直しに向けた動きもみられているが、なお横ばい圏内にある」との判断を若干前進させた。先行きについては「緩やかな回復経路に復していく」との見方を維持した。

米国の追加緩和観測も後退

日銀企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の業況判断DIがマイナス4と前回調査から横ばいにとどまった。しかし、バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジストは「製造業の構造的な下押し要因(中国減速、電気機械不調)が見えた半面、非製造業の前向きな投資意欲が確認された」と指摘。12年度の日本が内需主導の景気回復パターンに入ることを示唆しているとし、日銀の景気判断についても「上方修正を促すような内容」と指摘する。

SMBC日興証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは会合前、「3月13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表により、市場での米国の追加緩和期待が後退したことから、あえて日銀が先に追加緩和をする必要性はないだろう」と指摘していた。

一方で、27日に開く今月2回目の会合で追加緩和が行われるとの見方は増えている。日銀は同日、経済・物価情勢の展望(展望リポート)で2012、13年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇率の見通しを示す。日銀が1月の中間評価で示したコアCPI前年比の見通し(委員の中央値)は12年度がプラス0.1%、13年度がプラス0.5%だった。

27日の追加緩和がメインシナリオ

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは日銀が新たに示す13年度の見通しも「1%が『見通せる』とは言い難い数字にとどまるだろう」と指摘。「展望リポートに合わせた4月27日会合での追加緩和(資産買い入れ等基金を5兆円増額)が現時点ではメインシナリオ」と指摘する。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストも「民主党の消費税法案が13年度の成長を名目3%、実質2%という努力目標を盛り込んだことから、日銀は積極性な緩和姿勢を継続的に見せる必要がある」と指摘。27日の会合で「資産買い入れ等基金を5−10兆円増額する可能性はある」と予想している。

白川方明総裁は午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は5月7日に公表される。

金融政策決定会合、金融経済月報などの予定は以下の通り。

会合開催 総裁会見 金融経済月報  議事要旨
4月27日 4月27日 − 5月28日
5月22、23日 5月23日 5月24日 6月20日
6月14、15日 6月15日 6月18日 7月18日
7月11、12日  7月12日   7月13日  8月14日
8月8、9日  8月9日   8月10日  9月24日
9月18、19日  9月19日   9月20日 10月11日
10月4、5日 10月5日 10月9日 11月2日
10月30日 10月30日  − 11月26日
11月19、20日 11月20日 11月21日 12月26日
12月19、20日 12月20日 12月21日  未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情勢の展望(展望リポート)は4月27日。議事要旨は午前8時50分。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net香港 Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/10 12:22 JST


08. 2012年4月10日 21:05:34 : uz4zqg3c5L
日銀を追討改易して財務省がやればいい。すべてはそれからだ。外国が金を刷る所を攻めおとして日本人大衆が自らが金を刷る世の中にしてからだ。

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