http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/558.html
Tweet |
デフレ脱却に本気でない日銀…日銀法改正が必要だ(高橋洋一氏 2012.04.08 ZAKZAK)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120408/plt1204080725000-n1.htm
日銀が3日に発表した3月のマネタリーベース(日銀券と貨幣流通高、日銀当座預金の合計)が、前年同月比0・2%減の112兆4618億円となり、3年7カ月ぶりの減少に転じた。
昨年3月には東日本大震災後の資金需要の高まりに対応するとして大量の資金供給を実施、当座預金残高は大きく積み上がっていた。
しかし、その後は資金供給を減らして、3月の当座預金残高は3・6%減の27兆5106億円にとどまっている。3月の日銀短観も事前の予想より厳しいものとなり、これを受けてか、再び円高が進んでいる。
2日の参議院予算委員会では、民主党の金子洋一委員が「為替介入で投入された資金が市場から吸い上げられたのではないか」と指摘した。
これに対し、日銀の山口広秀副総裁は「為替介入で供給された円資金も十分活用しながら、金融市場に潤沢に資金供給をしているのは間違いない事実だ」と答えた。さらに、「日銀の政策は現在はマネタリーベースを直接のターゲットにしてない。あくまでも金利操作を中心にすえて政策をやっている」とし「長めの金利への働きかけを中心に行っており、そうした緩和スタンスは微動だにしていない」と説明した。
しかし、これは金子委員の質問への答えになっていない。日銀は、消費税増税議論の中で、日銀法改正の動きが出てくることを恐れている。財務省も消費税増税ができれば、日銀法改正くらいは人身御供(ひとみごくう)にするくらい朝飯前だ。だから、今国会中には日銀は尻尾を捕まれる間抜けなことはしないと多くの市場関係者は思っていた。
ところが、増税を支持する河野龍太郎氏の日銀審議委員への政府からの提示やマネタリーベースの減少によって、やはり日銀は本気でなかったことが露呈してしまった。そして、2月14日の金融緩和を歓迎していた市場に冷や水をかけることになった。
河野氏については、自民党が3日の国会同意人事審査会ではデフレ脱却に熱心でないとして反対することを決め、不同意になった。
次にどのような人物が政府から提示されるのかが焦点になるが、相変わらずデフレ脱却に展望ができないとなれば、やはり日銀の本気度が疑われかねない。ただし、これまでの著作や発言が少なく、態度がはっきりわからない人で日銀が操作しやすい人が提示される可能性が高い。
日銀のこれまでの行動を見ていると、追加緩和も必要だが、やはり日銀法改正が必要である。そうなれば、マネタリーベースや日銀審議委員の個別の話に悩まないですむ。今は消費税増税論議が行われているので、デフレ脱却へ期待は大きく、その達成の手段として日銀法を改正する絶好の機会である。
先日ある大物政治家に会ったが、やはり「日銀法改正はかつてないほど機運が高まっている」と言っていた。国会審議はあと2カ月以上もあるので、その間に与野党で英知を絞ってもらいたい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。