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白川総裁殿、ホンネがだだ漏れです
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32221
2012年04月08日(日)ドクターZは知っている 週刊現代 :現代ビジネス
日本銀行が早くも馬脚を現した。白川方明総裁が3月24日、ワシントンで開催されたFRB主催のパネル討論に参加し、積極的な金融緩和について、「副作用と限界も考慮するべきだ」と述べたのだ。
金融緩和による低金利が長期化すると金利負担が軽いため借金返済の意欲が薄れ、家計や企業の財務の健全化が遅れるだけでなく、国家財政の健全化も遅れる。さらに、低金利でしか採算が合わない投資案件ばかりに資金が投じられる結果、経済全体の生産性や潜在成長率への悪影響も出てくる---これが白川総裁の主張である。
海外に行くと本音が出るというが、まさにその通りだ。白川総裁は、低金利だと低採算事業に投資が偏って景気が悪くなると考えているようだが、そもそも景気を低迷させているから低採算事業しかないというのが現実だ。2月14日に日銀が金融緩和を強化した結果、為替は円安に転じ、株価は上昇して1万円台を回復。今度こそ日銀は金融緩和に本腰を入れるかと思ったが、やはりもう「引き締め」への準備をしている。
引き締めを確信させる動きはまだある。政府は国会同意人事案件である新たな日銀審議委員(民間エコノミスト枠)として、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長を提示した。この素案は日銀も事実上了解済みとされ、日銀の意向と見ていい。同氏は積極的な金融緩和に否定的で「日銀のよき理解者」とも言われる人物。何より驚くのは、その経歴だ。これまで日銀審議委員に就任した民間エコノミストは博士号を取得していた。ところが、河野氏は博士号を持たず、学会で認められるような論文を書いてもいない。その河野氏起用が実現すれば、日銀審議委員のハードルが一気に下がることになる。
また、日銀はもうこれ以上は金融緩和しないとのシグナルも送っている。3月22日の参院財政金融委員会で白川総裁は、国債金利が2%上昇すると国内銀行に12・8兆円の損失が出ると答弁した。2月には衆院で、国債金利1%上昇で6・3兆円の損失と言っていた。損失額は債券保有額×債券平均年限×金利上昇幅で損計算できる。銀行の国債保有額は約160兆円、債券平均年限は4年として、金利上昇幅を1%とすれば2月の衆院の数字、2%とすれば参院の数字だ。金融緩和を続けると金利が上がって大変なことになると、衆参両院で強調したのだ。
だが、ちょっと待って欲しい。日銀はゼロ金利を維持するのではなかったか。それを放棄して、金利が上昇すると大変だと脅すのは無責任だ。それに資産の一部である債券だけを取り上げて損が出るという言い方もミスリーディングだ。
金利が上がるのは基本的に景気が良くなってからの話。その場合、株式や貸出は好調になるのだから債券からそれらに乗り換えればいい。一方で、金融機関には資産として債券、株式、貸出があるが、その反対側の負債には預金がある。資産と負債はプラスとマイナスの関係になっていて、金利が上昇すれば、預金は資産の国債とは逆にメリットが出てくる。このように、金利上昇によるメリットをすべて捨象して、デメリットだけを強調するのは、意図があると言われても仕方ないだろう。
国民が求めているのは金融緩和中止や金融引き締めではない。日銀は1ドル=90円か100円になるまで金融緩和を続けるべきだ。そうすれば株価は1万2000円以上になる。景気回復の芽を摘んではならない。
「週刊現代」2012年4月14日号より
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