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エンジェルたちがイヤがる「資金調達の負けパターン」 5000万必要な事業で1500万だけ調達。あなたは事業を始めますか
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/551.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 06 日 02:14:44: cT5Wxjlo3Xe3.
 

 企業・経営>KAPION(カピオン)〜投資を引き出す計画の作り方

エンジェルたちがイヤがる「資金調達の負けパターン」 5000万必要な事業で1500万だけ調達。あなたは事業を始めますか?

2012年4月6日 金曜日 曽我 弘,能登 左知

“ツバ”をつけられている?

 「今度、あるベンチャーキャピタルから投資してもらうことになりました」

 そううれしそうに話すベンチャー企業Dさんに、「いくら投資してもらうのか」聞いて驚きました。たった1500万円だったからです。

 思わず「お金のツバをつけられてしまったんですね」と言ってしまいました。

 実は、これが今の日本で起きている投資の姿です。

矛盾だらけの資金調達

 「先日お話を伺った時は、プロトタイプ試作に5000万円は必要だと言っていましたが、1500万円で当初の計画通り立ち上げができるのですか?」
 Dさんに尋ねると
 「ぜい沢を言えばきりがないけど、この1500万円でまずはとにかく行けるところまで頑張りますよ」と嬉しそうな面持ちで答えるのです。

 「それで、残りの3500万円はどこから調達するつもりなのですか?」と聞いてみましたが、返ってきた答えにさらに驚きました。

 Dさんの資金調達する時のロジックはこうなのです。

 まず、他のVCも2、3社あたってみたが、残りの3500万円が出せそうなところがない。

 仕方がないから、いろいろ経費を切り詰めて優秀なエンジニアは高いからパートタイムでアルバイトを雇い開発を進める

 1500万円の範囲で、できるところまで開発をする。

 その過程でその技術の用途の可能性を探り続け、資金が底をついたら、また小額でも出してくれそうなVCを探す

 しかし、そう簡単に残りの3500万円をまとめて出してもらえるVCに出会えず、また少額の投資を受けながらいろいろ経費を切り詰めて優秀なエンジニアは高いからパートタイムでアルバイトを雇い開発を進める・・・

 というわけで、これが延々続くのです。

 Dさんの最初の計画を実行するのに5000万円くらいが必要と言っていましたが、VCから何度も継ぎ足しで投資された小額を合わせた5000万円でも、何ら問題がないと思っているのです。

 ずばり、これが問題なのです! 私は「これって何か、基本的に矛盾していないか」と思わず考え込んでしまいました。

この条件では「出せない」エンジェルたち

 日本のVCはどれほどの投資をするのでしょうか? 特別な案件(バイオなど事業規模が大きい研究開発型など)ではない限り、設備投資がかなり必要となる研究開発型から設備投資が少ないサービス系のベンチャー企業まで、1件1回の投資額は1000万円から5000万円だと聞きます。これぐらいの金額であれば、3回目にお話したように、シリコンバレーではエンジェルマネーに相当します。

 しかし、シリコンバレーのエンジェルたちは、冒頭のような条件でお金は出したりはしません。Dさんの場合であれば、他のエンジェルやVCなどから全額5000万円を調達することを確認した段階で、約束していた1500万円を投資します。残りの3500万円が集まるまでは、エンジェルたちは実際にお金をDさんに渡すことはまずありません・・・いや、ありえません。

 理由は簡単です。事業計画では5000万円くらい必要と説明をしていたのに、実は1500万円でできてしまうのではないか?と、いい加減な計画にだまされる恐れがあるとエンジェルたちは思うからです。

 また、1500万円のお金を手にしてしまえば、残りの3500万円を集めるのにそれほど必死にならない可能性もあるのです。で2、3社のVCなどに当たってすぐに挫折をして、とにかくその手にした1500万円をちびちび使い切るまで事業を進めるようなことになってしまい、いつまでたっても事業化しなくなることを、シリコンバレーのエンジェルたちは知っているのです。

 つまり、その少額投資が、Dさんのような起業家を「負のスパイラル」「負けパターン」へ引きずり落としてしまうことを知っているので、投資をしないのです。

目的がみえてこない資金調達

 ここで日本とシリコンバレーがある米国の起業する姿勢に大きく2つの違いがあります。
 1つ目は、どのくらい真剣に資金調達計画を検討したのかという点です。

 Dさんのように、5000万円くらい必要だという場合、「1500万円で始めてしまう見切り発車的な事業計画だった」のか、それともやり方次第で、最初から1500万円で実行できる計画だったのかと言うことです。

 2つ目は、残りの3500万円集めるために、どのくらいの時間をかけ努力したのかと言う点です。多くの場合20から30社くらいのVCなどの投資家にあたってみる、というのは米国ではごく普通のことです。

 Dさんのように2、3社訪問しては、すぐにあきらめてしまうと言うことは考えられません。一体Dさんは何をしたかったのか、Dさんがする資金調達の方法では目的が何だったのか理解し難いです。

「無謀に進める」≠「リスク」

 このコラムを一緒に書いている曽我さんは、シリコンバレーで起業してきた経験があります。その曽我さんがこう言います。

 「もちろん、資金調達というのはハードな仕事です。だが、安易に始めてしまって後で、その何倍かの苦労をするより、事業計画を立て、資金調達をやりきるこの段階で苦労しておくことの方が、はるかに意味があります」

 これは実際に何度も資金調達をしてきた曽我さんだから言いきれる言葉でもあります。

 もし資金調達する予定額の一部が調達できたとしても、その資金で一旦は起業をしてみるとこれらのシナリオも変更を余儀なくされるのが現実です。これがリスクです。あてもなく始めるのは無謀であって決してリスクではありません。その意味を取り違えてはいけません。

 Dさんのように、1500万円でできるところまでやってみるような最初から無理を承知で始めるのは無謀です。

 その状況であれば、起業は一旦延期して、始めないと言う選択肢の方がむしろ正解なのではないかと思います。始めないといっても、「今すぐ」始めないという意味であり、条件がそろいさえすれば始めればいいのです。そこを待てるかどうかも起業経験が豊富な人と駆け出しの起業家の違いと言えます。

何が本当の理由なのか?

 さて、話は最初に戻りますが、どうして日本のVCはDさんが資金難になることが分っていいるのに、投資をしたのでしょう?

 ほかの投資家がそのうち現れて、計画通りに資金調達が進むと考えたのでしょうか、それともDさんがいうように行けるところまで行った段階で、追加の投資をどうするかVC側も投資ができるところまで、するのでしょうか。その真意が理解し難いと思いませんか。

 投資は計画した事業が成功して初めて投資した資金を回収することができるわけですから、シリコンバレーのVCたちは計画通り行かなくなって、もし投資した資金が不足した場合に備え、はじめから追加資金を準備しておくのが一般的です。特別な手法ではありません。マイルストーンベースの考え方です。

 それで、Dさんが言う事業計画の5000万円全額を出すつもりがあり、その最初の段階で1500万円を出資するのであれば意味があります。しかしDさんの場合はどうもそういうのではない。なので「お金のツバをつけられてしまったんですね」と言ったのです。

サラリーマンVCが抱える悩み

 シリコンバレーのVCたちは組織としてはLLP(Limited Liability Partnership;事業を目的とする組合契約を基礎にして形成された企業組織体のこと)になっているものが大半で、日本のように、株式会社組織ではありません。

 なぜか日本では、ほとんどのVCが株式会社組織になっています。しかも、日本では独立系のVCの数はごくわずかで、約6割のVCは金融機関(銀行または証券会社)の子会社であるか、または資本関係があるといいます。

 もちろんその国々の諸事情はありますが、株式会社であることによりその結果、日本の数多くのベンチャーキャピタリストと言われる人たちは、基本的には給与をもらうサラリーマンであり、身分が保証されています。しかも、起業の知識はあっても自らの起業の経験を持っていない人が多い。従って、起業を成功させるためには何が必要かと言う実践に伴う諸々の悩みや現実を知らない人もいるのです。

 しかも、サラリーマンだと、投資に成功しても自身の収入が大幅に増えると言うインセンティブがありません。逆に失敗しても自分の首も安泰で会社が潰れる心配もない。そうなればサラリーマンの悲しい現実として、リスクを冒してでも大当たりをするようなベンチャーを必死に探し、自らも手を汚して成功させるための労を取る人は少なくなっていくのです。

 つまり、必要な資金を投入して何十倍ものリターンを狙う、もし失敗したら減点されるリスクを選ぶよりは横並びで他所の動向を見ておつきあいでお茶を濁すのが賢明、と言わざるを得ません。

 「こういう集団から少しだけの投資を受けても世界を動かすベンチャー企業が出てくるとは考えにくい。これは残念ながら日本の構造的な問題で今すぐ解決できるものではない。従って、これから資金調達を考える起業はどこで資金を調達すべきか。本当に大事な問題になってきます」

 曽我さんは業家が成功する姿を数多く見て、自身も経験からこの点については、日本の方式は理解し難い、と言っていました。

本気になるコツは身銭を切ること

 シリコンバレーのVCはほとんどがLLP組織であり、預かった資金をマネジメントして個人の責任で成果を出していく方式です。だから、当然利益が出ればすぐ自分たちにも分け前が回ってくるし、大きく損失を出せば会社を去るか、会社解散と言うことも珍しくありません。

 つい最近も曽我さんはシリコンバレーに行っていましたが、「一番著名なVCにいるよく知っている人が、会社を辞めさせられたと人づてにきいて驚いた。私も何度も会っていろいろアドバイスをもらっていたので今回も会えるかと思ったが。どうもどこかで投資を失敗したということらしい。一流中の一流の彼でも例外はなってことなんだ。やはり現実は厳しい。」と言っていました。

 さて、シリコンバレーのVCの出資の仕方ですが、事業計画に必要な資金をギリギリの金額で出します。もちろん、そこからが本番で資金を出したからには口も厳しく出していきます。成功するためにあらゆる合法的な手段で投資先を成功に導いてくれます。それでも実際にゴールまでいって成功する確率は少ないですが、成功した時には何十倍、場合によっては何百、何千倍と言う資金を回収することだってあるので、VCたちも、この商売がやめられないほどに楽しんでいます。

 同時に、身銭を切ることにより、資金を出す方も出資を受ける方も本気度が違うわけです。このように起業家を教育してサポートするエコシステムがシリコンバレーにはあるからこそ、一見シリコンバレーは成功確率が高く見えるわけです。

 しかし、「日本でも基本さえわきまえてやれば、それなりの成果は出せる」と私たちは考えています。

100億円以上を1人で運用するのがシリコンバレー流VC

 2007年のデータですが、全米のVCの資金が約24兆円で、その当時のキャピタリストの総数が9000人弱だから単純に割り算しても一人の扱う金額は27億円です。もちろん、これはピンからキリまでキャピタリストを含めた数字だから、一流キャピタリストは一人で何百億の資金運用をすることになり、例えば1500万円くらいの小額の投資なんかしてしまうと、自分の投資した会社の面倒はまず見られません。日本のような小口の投資は現実的にできません。

 だから起業家に対しても大口の投資ができるように“Big Dream”(大きな夢、たとえば社会のインフラ事態を変えてしまうくらい)のプランを持ってこい、ということになります。そうでなれば、起業家たちも最初からワールドワイドな市場を意識せざるをえなくなります。ビジネスプランには「まず国内で立ち上げて…」というようなガラパゴス的な発想にはシリコンバレーのVCはまず相手にしません。VC皆で少しずつ投資をしてリスクを避けると言う横並びの投資はしませんし、これでは起業家側も投資側も一獲千金を狙うと言うことはあり得ません。「日本で大きなベンチャーが成長しにくいと言うのもこの辺に大きな原因があるのではないか」と曽我さんは言います。

 シリコンバレーのVCはリスクを果敢にとって、狙いを定めて大きく賭けます。VCは狙いをつける眼力を持っています。どうして持っているか? それは何度も言うように、VC自身が起業経験者だからです。

 シリコンバレーで大きなベンチャーに育ったFacebookやTwitterなどは良い例です。曽我さんがシリコンバレーにいた2005年には、YouTubeは毎月大きな赤字を出し続けていましたが、VCは徹底的にサポートした果てに、Googleが2006年の10月9日に16億5000万ドルでYouTubeを買収した経緯があり、それによりSequoiaキャピタルは投資した350万ドルを回収したとニュースで発表されていました。金額詳細は明らかにされていませんが、恐らく100倍以上の資金は回収できたと思われます。

 今回の記事を読まれて、日本のベンチャー企業には全くチャンスがないと思われた人も少なくないかも知れません。が、IT分野の投資であれば初期費用がバイオなどのような事業に比べて少額で起業できるようになった昨今、日本からYouTubeのようなクラスの企業が出てきてもおかしくありません。もちろん、“Big Dream”を持つ起業家と大きく育てるまで徹底してサポートできるVCの組み合わせがあればの話。「起業の基本」を理解すれば夢物語ではないと思います。


KAPION(カピオン)〜投資を引き出す計画の作り方

シリコンバレーで起業し、5年後にスティーブ・ジョブズとの交渉の末、Apple社に売却した経験を持つ曽我氏。これまで約500件のベンチャー企業に資金調達のアドバイスしてきた能登氏。2人がシリコンバレーと日本での起業に対する考え方の違いを踏まえながら、起業を成功させるための本質に迫る。共著の「シリコンバレー流起業入門―投資を引き出すためのビジネスプラン作成ガイド」がある。

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能登 左知(のと・さち)

サチコーポレーション取締役
和歌山市生まれ。ロータリークラブより留学その後、Kansas City Art Instituteへ進学、工業デザイン科BFA学士修了。現代経営論プログラム終了。帰国後、国・県・地方自治団体のデザイン経営専門家として創業における事業の見せ方についてアドバイスする。またその約1500件の事例を全国各地でセミナー・講演活動している。また、現在は工業デザイナーとして水素燃料電池からアクセサリーまで幅広くデザインする日々を送っている。(写真:菅野 勝男)

曽我 弘(そが・ひろむ)

1954年清水東高校卒、1958年静岡大学工学部卒、東京大学より工学博士授与。1960年日本電子から(株)八幡製鉄所に入社、新日鉄研究本部計測制御件センター所長を経て1985年以来新日鉄エレクトロニクス事業部でコンピュータ周辺機器事業の事業化を推進。3Mをはじめ数社の米国企業とのジョイントベンチャーを設立、その日本での事業化を担当。新日鉄退職後、1991年シリコンバレーに移住し、画像圧縮技術開発のベンチャー企業EidesignTechnolgies,Inc.を設立し経営にあたる

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120402/230469/?ST=print  

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コメント
 
01. 2012年4月06日 20:40:18 : E82MP6bK6s
くだらない。

02. 2012年4月06日 22:36:29 : 8UzFzDXlxw
通帳の残高ゼロでは金を貸さないが、通帳に1500万円入ってれば
それを担保に新たな1500万円貸すところはある。
これで3000万円になる。

通帳に3000万円あって、事業内容が魅力的であれば残り2000万円は
借りられる。


03. 2012年4月07日 08:20:19 : fzGEP2jiO6
見せ金もある意味信用力として効果はあるということか

5000万1本は無理なら1500万の投資先を3件見つければ

リスク分散でいいのかも


04. 2012年4月07日 16:29:17 : rXhnnuVrfs
この記事、読んでいて、日本の大型公共工事の金の集め方、使い方にそっくりだなと思った。
例えば、ダム、当初500億円で作れます。
ところが後から、後期は延ばすわ、500億円だった予算は100倍に膨らますわ、誰も監視もイチャモンも付けなければ、永遠に続く。

最初から1兆円とい言えないから500億円ですと言い、後から当たり前のようなコソッと増やす。

河川堤防の改修、100年後に完成する幹線道路、40年後に廃炉にする原発、後20年で実用化出来ると50年くらい前から言い続けている文珠。

一体全体、誰が考えだした、方法なのか?
どっちが、真似ている話なのか?


05. ベンチャー0417 2012年12月14日 11:17:46 : fg8.eEFEmRVEk : sPvP11Nq2A
1,500万円を4ヶ月間投資頂ける方を探してます。
既に3月末に売上が調達が見込めておりますので、短期のつなぎです。
取引先は、UAEロダン・ユネイッテド・グループです。
手付け資金ライセンスフィの一部2億円が入金(プロジェクトは6億)
 
事業性担保の為にビジネスローンを申請、事業内容審査パス、ローン実行3月末予定
ローン内容:ノンリコ、年利5.5% 事業修得物等の担保のみ。7年間、
実行金額:10millon(USD)

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