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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり
国民が望むのは物価の上昇ではなく、所得の増加だ!
2012/04/03 (火) 11:02
4月は値上げラッシュだそうで‥健康保険料、介護保険料、電気料金、ガス料金、食料油、大豆、それにガソリンなどの価格が上がるのだとか。
まあ、こんな話を聞くと、マイルドなインフレを望んでいたインフレターゲット論者などは、さぞかし
気分をよくしているのかと思いきや、経済ジャーナリストの荻原女史は、これで家計の負担は増えてしまうと危機感を煽っているのです。
物価が下がればデフレスパイラルに陥ると言い、逆に物価が上がれば庶民の生活は苦しくなると言って危機感を煽る!
一体全体どのように理解したらよいものか?
いずれにしても、この値上げラッシュについて、天気予報の石原良純さんが「桜が咲いてくれていれば、4月しょっぱなにこんな話題からならなかったのに。厳しい世の中、細かい数字は大事だけれど、何か楽しいことを見つける気持ちを持ってもらいたい」と言ったところ、石原氏は庶民感覚に乏しいなんて批判されているのです。
私、石原一族のなかでも、良純さんには割と好印象をもっていたので、どうもこの手の批判に与する気にはならないのです。それに、テレビのワイドショーに出てくる人々のうち、一体どれほどの人が庶民の感覚を分かっているというのか?
みのもんた氏などは、さも庶民の味方のような発言をするのですが、彼は一体どれほど稼いでいるのか? そして、消費税について本当はどう感じているのか? 如何にも庶民の味方のような発言をしているだけではないのか。
まあ、それはそれとして‥何故、マイルドなインフレを望む人々が値上げのラッシュを批判するのか?
私思うのですが、結局、マイルドなインフレを望む大方の人が真に望んでいることは、物価の上昇ではなく、名目ベースの給料の上昇だと思うのです。
そう思いませんか?
では、確認をしてみましょう。
先ず、貴方は、インフレ目標値を日銀が採用することを支持しますか? そして、マイルドなインフレが起きることを望みますか?
次に、この問いにイエスと答えた人にさらに質問したいと思います。
では、仮に、日銀がインフレ目標値を採用した結果、マイルドなインフレが発生したとしましょう。しかし、その時、貴方の働く会社の給料は全然上がる気配がない、と。貴方はそれでも、マイルドなインフレが起きたことに満足しますか? 如何でしょう?
では、もう一つ質問を致します。
同じく、日銀がインフレ目標値を採用したものの、なかなか物価が上がらない状況が続いていると仮定してみて下さい。しかし、それでも景気がよくなって貴方の会社が賃上げに応じたら、貴方はどう思いますか? 幾ら給料が増えても、マイルドなインフレが起きなかったら不満ですか?
さあ、これで分かったと思います。つまり、日銀はインフレ目標値を採用すべきだと強く主張する人々の多くが真に思っているのは、自分たちの給料が上がることにあるのです。
では、何故我々日本人労働者の給料は、20年間ほど上がらないままでいるのでしょう?
日銀が金融政策をさぼってきたから? それだけの理由で給料が上がらなくなったのでしょうか?
私は、そうは思いません。何故かと言えば、理由は沢山あるのですが、これほど長い間事実上のゼロ金利政策を採用している国は、日本をおいて他にはないからです。
我々は日銀をスケープゴートにする前に、日本人労働者の給料が上がりにくくなっている真の理由を探求することが必要なのです。つまり、事実に直面すべきなのです。
私が、こんなことを言うと、また、日銀を擁護するようなことを言いやがってと、批判されるでしょう。しかし、私は、真実を言っているだけ。
確かに、私が信奉するリカードの貨幣数量説的な考え方を取れば、世の中に出回るお金の量を増やせば、物価は上がる筈。そして、インフレターゲットを信奉する人の多くも、そのような貨幣数量説的な考え方に囚われていると言わざるを得ないのです。
では、仮にその考え方が正しいとして、そのように貨幣の量が増えた結果、物価が上がり、また賃金が上がったからと言って、労働者の暮らしぶりが楽になるものなのでしょうか?
そんなことはないのです。
つまり、真に必要なことは、労働者の暮らしぶりをよくすることであって、何が何でもマイルドなインフレを起こすことではないのです。
そうでなければ、荻原女史が値上げラッシュを嘆くことは矛盾しているということになってしまうのです。
以上
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2012/04/03/015416.php
# コメント
彼が言うように、日銀の金融政策だけで、国民の経済的な満足度が向上できるものではないが
>大方の人が真に望んでいることは、物価の上昇ではなく、名目ベースの給料の上昇
名目賃金の水準上昇ではなく、物価や雇用状況も考慮した実質賃金の総額の上昇がより重要だし、
あとエネルギーと食糧を除いたCPIの上昇は、雇用の改善と相関があるから、決して軽視すべきではない
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