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それでも461兆円ため込む大企業の内部保留上位10社
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2012/3/27 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
春闘ボーナス軒並み前年割れ
大企業の春闘がほぼ終了したが、震災や円高、欧州危機を理由に「ボーナス前年割れ」のオンパレード。定昇についても「維持」がやっとで、巨額赤字に陥った電機メーカーでは、NECとシャープが「凍結」となった。
それでも、連合の古賀伸明会長は「一定の評価ができる」と言い、経団連の米倉弘昌会長は「精いっぱいやった」と“手打ちムード”なのだが、ちょっと待ってもらいたい。サラリーマンの給料は上がらないのに、大企業がため込んでいる「内部留保」はブクブクと膨れ上がる一方なのだ。
労働総研研究員の木地孝之氏によると、「企業の内部留保は総額461兆円(10年度)。大企業だけで266兆円に達し、この10年間で100兆円近くも増加している」という。
表は、11年3月期の内部留保の上位10社だ。13兆8630億円と断トツのトヨタは、05年から11年にかけ、内部留保(単独)が8828億円も増えた。それなのに、1人当たりの人件費はこの間220万円減っている。トヨタでさえこれだから、ほかは言わずもがなだ。
「見過ごせないのは、20位以内に東電(8位)、関電(10位)、中電(20位)と電力会社が3社もランクインしていることです。日本の電気料金は、電力会社があらかじめ利益をガッポリ上乗せする『総括原価方式』で、“世界一高い”と悪評しきり。その一方で、内部留保はしっかりため込んでいたのだからフザケています」(経済ジャーナリスト)
大企業の多くは内部留保について、「設備投資に回すカネだ」「手元資金が必要だ」と言い訳するが、冗談じゃない。
「実際は設備投資は減っていて、有価証券への投機が増えています。だから手元資金が減っているのです。ただ、現状でも給料アップは十分可能だし、売り上げに対する内部留保の水準は、いまや90年代の倍以上に膨らんでいる。それを値下げに充てれば、景気も回復するはずです」(木地氏=前出)
労働総研の調べでは、サラリーマンの賃金を月1万円上げれば、家計消費需要は2兆9974億円も増加するという。サラリーマン全体で、年間4兆6834億円の給与増となるが、企業の内部留保461兆円に比べれば、微々たるものだ。
不況だ、不況だと言いながら、大企業は消費を冷え込ませているのだから、どうしようもない。
◆連結内部留保 上位10社
[企業名]
[2011年3月期]
1
トヨタ自動車
13兆8630億円
2
本田技研工業
7兆7826億円
3
NTTドコモ
4兆7250億円
4
キャノン
4兆3141億円
5
パナソニック
4兆1662億円
6
日産自動車
4兆24億円
7
三菱商事
3兆4946億円
8
東京電力
3兆2652億円
9
ソニー
3兆876億円
10
関西電力
2兆4595億円
(2012年国民春闘白書から)
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