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“バブル景気”は果たして悪なのか!
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120323/plt1203230806000-n1.htm
2012.03.23 「日本」の解き方 夕刊フジ
1980年代後半のバブル景気については、地価高騰やバブル紳士の暗躍など、負の歴史のように振り返られることが多い。そしていまも市況が過熱気味になると「バブル再来」という言葉が批判的に使われ、反経済成長的な心理が広がる要因にもなっているような気がする。
最近では仙台の夜の街が復興需要でにぎわったことが「復興バブル」と表現されていたが、被災地を一日でも早く復興させるには、ある程度はやむを得ないだろう。
バブル期は一般的には1987年から90年までをいう。どのような経済状況だったかといえば、株価は87年から90年にかけて1万5000円くらいから上昇し、89年12月29日に3万8915円をつけた。その後は1990年末までに2万3000円くらいまで下がった。
マクロ経済はどうだったかといえば、名目経済成長率は5〜8%、実質経済成長率は4〜5%。失業率は2〜2・7%程度、インフレ率は0・5〜3・3%と今からは想像できないほどよかった。一方で、株価と不動産価格は高騰した後に急落して、高値でつかんだ人は負の遺産を背負い、不良債権問題となった。
歴史上有名なバブルは、チューリップ・バブルやミシシッピ計画、南海泡沫事件である。日本のバブルはこれらに並ぶような話ではない。
もっとも、バブルというのは好景気となかなか区別がつかない。グリーンスパン前FRB議長は「バブルは崩壊して初めてバブルとわかる」と言ったとされている。
また、不良債権問題があったかどうかでバブルをみれば、先進国を問わず世界のほとんどの国でいつも起こっていることになる。
IMF(国際通貨基金)のレポートによれば、1970年から2007年までに124の不良債権問題による銀行危機が発生している。そのレポートでは、日本の銀行危機の財政コストはGDPの14%、生産損失はGDPの18%とされているが、世界各国の銀行危機の平均的な財政コストはGDPの13%、生産損失はGDPの20%となっているので、日本のバブル崩壊による損失は世界の平均的な数字だ。
もし日本の不良債権処理が世界の平均的な出来事であったならば、日本のバブルは世界の平均的なものと推測できる。もし不良債権処理がもたついて事後コストが高くなっていたとすれば、日本のバブルは世界の平均的以下であっただろう。
いずれにしても、反省すべきは反省するとしてバブルを「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ように考えるのはどうだろうか。資産市場の規制は不十分だったが、少なくとも景気や雇用情勢は今よりはるかによく、人々は明るかった。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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