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公示地価:震災で異変、値上がり上位を被災地が占める−6割急騰も
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M17QK60YHQ0X01.html
3月22日(ブルームバーグ):東日本大震災は地価にも異変をもたらした。国土交通省が発表した公示地価(2012年1月1日付)によると、津波や液状化などの被害を受けた地点は大きく値下がりした一方、上昇率の上位9地点を被災地で津波の被害が小さかった宮城県の高台や内陸部が占め、宮城県石巻市では6割上がった地点もあった。
被災地を除くと地価は回復傾向にある。三大都市圏の全用途地価は4年連続で下落したが、下落率は2年連続で縮小。低金利や住宅ローン減税などの政策効果や堅調な住宅需要が地価を支えた。
上昇率1位は宮城県石巻市須江しらさぎ台の60.7%。2位が同石巻市新栄の29.2%。逆に下落率が最も大きかったのは宮城県仙台市若林区荒井神屋敷の27.0%。住宅需要を背景に石巻市の地価は2.6%上昇(前年は4.7%下落)、気仙沼市は4.9%上昇(同6.2%下落)となった。
国交省の岩城豊地価調査課課長は「投機的な取引による上昇ではなく、移転のための実需だ」と語った。みずほ証券のチーフ不動産アナリストの石沢卓志氏は「被災地での復興需要を当て込んださまざまな取引での価格上昇を反映し、宮城県の一部では地価が異常な値上がりをしている」と述べた。
震災後、東北の被災地では住宅着工戸数が増加。12年1月は岩手、宮城、福島の3県がそろって震災後初めてプラスとなり、宮城は6カ月連続で増加。1月は全国ベースでは前年同月比1.1%減だったが、宮城は同46%増、岩手は同40%増、福島は同22%増だった。
東北以外では、震災で液状化現象が発生した千葉県浦安市の地価で10%超下落した地点が多数あった。住宅地の全国値下がり10位のうち5つを浦安市が占めた。都心湾岸地区でタワーマンションの建設が多い中央区は0.7%下落と前年の3.5%上昇からマイナスに転じた。
4年連続下落もペースは鈍化
全国の公示地価はリーマンショック以降の4年連続の下落となったが、値下がりペースは鈍化した。全国の全用途平均地価は2.6%下落と4年間で最少となり、下落率は前年の3.0%を下回った。三大都市圏の全用途地価は1.5%下落(前年2.0%下落)、地方圏も小幅ながら下落率が縮小した。国交省は今年の地価の特徴として「被災地を除き、比較的早期に回復傾向を示している」としている。
東京圏の全用途地価は1.7%下落(前年は1.9%下落)、住宅地は1.6%下落(同1.7%下落)だった。地方圏の全用途地価も3.6%下落(同3.9%下落)した。名古屋圏の全用途地価は0.6%下落(同0.8%下落)にとどまり縮小が目立った。トヨタ自動車の生産回復が地元経済にプラスになっている状況が示された。
不動産協会の木村惠司理事長(三菱地所会長)は、今回の公示地価の発表を受けて「住宅地は住宅ローン減税などの施策による住宅需要の下支えもあって下落率は縮小したが、復興を支えるわが国経済の成長に影響を及ぼさないためにも、こうした施策の充実を期待する」とのコメントを発表した。
地価を半年で比較すると、大震災があった11年前半(1−6月)は下落率は拡大したが、後半(7−12月)は縮小した。
不動産経済研究所の予想では12年の全国のマンション発売戸数は5万3000戸と5年ぶりの高水準となる見込み。大震災後はモデルルームの閉鎖や節電の影響などで新築マンション発売は一時減少したが、防災機能や都心立地が見直される中、低金利などを背景に、秋以降は都区部を中心に発売が増えている。ただ、円高や欧州経済危機などで先行きの景気不安から、価格が1億円以上などの高額マンションは人気に陰りが出るなど不安要因もある。
公示地価が最も高かったのは、住宅地が東京都千代田区六番町で1平方メートル当たり価格278万円だった。商業地はトップが同価格2地点で、東京都千代田区丸の内2丁目の丸の内ビルディングと、東京都中央区銀座4丁目の山野楽器銀座本店が2700万円だった。
今回の公示地価の調査は、大震災の津波と東京電力・福島第一原子力発電所の事故で警戒区域に指定されたことで、岩手、宮城、福島の3県の48地点で調査の選定替えを行い、福島県の17地点で調査を休止した。
【公示地価】地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日の土地計画区域などにおける標準地を選定、不動産鑑定士の鑑定評価に基づいて価格を決定する。一般の土地の取引価格に対して指標となるとともに、公共事業用地の取得価格の算定などの基準とされ、土地取引価格への参考価格となる。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 桑子かつ代 Katsuyo Kuwako kkuwako@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net東京 Chian-Wei Teo cwteo@bloomberg.net
更新日時: 2012/03/22 16:50 JST
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