http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/385.html
Tweet |
“政策失敗”の裁判を開いたら…日銀総裁は有罪(高橋洋一氏 ZAKZAK)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120314/plt1203140850001-n1.htm
テレビを見ていたら、あっと驚くニュースがあった。2008年9月にリーマン・ショックに見舞われたヨーロッパのアイスランドで、当時の首相が適切な対策を取らなかったとして過失の罪に問う裁判が始まったというのだ。
裁判は、アイスランド議会の調査委員会による報告書がまとまったことを受けて議会が提訴したものだという。議会が提訴するというのも度肝を抜かれる。
初公判でハーデ前首相は無罪を主張したが、有罪になれば最大で懲役2年の実刑というから穏やかでない。
日本の原発事故では国会の事故調査委員会が菅直人前首相をどうするかが注目される。また、民間でも、問題を起こした企業の経営者は株主代表訴訟を起こされることもある。
そこで、仮に日本でアイスランドと同じように、リーマン・ショックに対する政策の失敗の責任を問う裁判が開かれるとするとどうなるだろうか。
まず、被告席に立つのは誰か。マクロ経済政策は財政政策と金融政策である。財政政策では政府のトップであった麻生太郎元首相になるだろう。金融政策については、今の日銀法では目標も日銀が決め、その達成手段も日銀が決めることになっていて、日銀がすべての責任を負うことになるので、白川方明日銀総裁になる。
この場合、損失額(国民の被害額)はどのぐらいなのか。リーマン・ショックでは需要が急激に減少して、GDPギャップ(需要と供給の差)が生じた。
政府としては、財政政策と金融政策を使って、このGDPギャップを埋めないと、国民にその分の被害が生じるので、政策によって埋めなかったGDPギャップ額を被害額とするのがいいだろう。
日本で発生したGDPギャップは45兆円だった。財政政策で10兆円埋めたが、金融政策の対応はゼロだった。
ちなみに、世界ではどう対応したかというと、米国では140兆円のGDPギャップに対し、財政政策70兆円、金融政策100兆円でギャップを完全に埋め、さらに超過需要になるくらいに景気のてこ入れをやっている。
英国では30兆円のGDPギャップに対し、財政政策5兆円、金融政策30兆円で埋めた。ドイツでもGDPギャップ30兆円に対し、財政政策10兆円、金融政策15兆円と、これもほぼギャップを埋めている。
財政政策の水準は各種の国際会議でだいたい各国とも相応になっていたので、日本の財政政策はまあ及第点だ。
一方、まったくダメだったのが金融政策で、その対応をしなかったために国民の被害額は35兆円となろう。これは国民一人当たり28万円だ。
この仮想裁判のほかに、時効が許せばこれまでの長期不況やデフレについても訴えたいところだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。