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外国為替市場で円安・ドル高が進んでいる。日米で金融政策の方向性の違いが鮮明となり、海外勢を中心に円売り・ドル買いが膨らんでいるためだ。ところが外国為替証拠金(FX)取引で相場の流れに逆らう「逆張り」の投資手法で知られる個人投資家は、ここでも円買い・ドル売りが目立つ。円安の流れが強まれば、個人が損失覚悟の円売りを迫られ、円安が加速するとの声が増えている。
東京金融取引所が運営する「くりっく365」の売買動向を見ると、13日は「円買い・ドル売り」の建玉(未決済残高)が前の日から3.6%増える一方、「円売り・ドル買い」の建玉は2.2%減少した。この日は日米の中央銀行の金融政策が出そろったが、日銀はデフレ脱却に向けて追加緩和を辞さない構えを示す一方、米連邦準備理事会(FRB)による追加金融緩和の思惑が後退。海外市場で円は一時1ドル=83円09銭と、2011年4月以来11カ月ぶりの安値を付けた。銀行間市場での円安進行にもかかわらず、FXの個人は逆に円買いで対抗した格好だ。
店頭FX取引でも個人の傾向は同じだ。FX会社のFXプライムが顧客の売買動向をまとめたところ、「円・ドル」取引全体に占める「円売り・ドル買い」の比率は13日時点で71.4%と、前の日の74.9%から低下した。昨年春先の円安局面などで円売り・ドル買い持ち高を膨らませた個人が、円安進行で買い戻したことが主因だが、「82円から83円に大台が替わった場面では、逆張りで新たに円買いに動いた個人が多かった」(柳沢浩チーフアナリスト)という。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は「最近の個人の動きは危険な感じが漂う」と警鐘を鳴らす。円が83円台に下落したため、「チャート上では2011年の安値である85円53銭程度まで節目らしい節目が見当たらない」(神田氏)。銀行間市場でスルスルと円安が進んでしまえば、逆張りで円を買っていた個人は損失覚悟の円売りを迫られる可能性が高まるというわけだ。「さすがに85円台まで円安が進めば、『逆張り』の個人も『順張り』に宗旨変えせざるを得ないだろう」(岡三オンライン証券の武部力也投資戦略部長)との声も出ている。
「ミセス・ワタナベ」の通称で呼ばれる日本の個人投資家がさらなる円安の引き金を引くのか。個人の動向からも目が離せなくなってきた。
〔日経QUICKニュース 渡辺晃〕
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