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日銀は本当に変わったのか、「玉虫色の結果」に市場は答え出せず
2012年 03月 13日 20:02 JST
3月13日、「本当に日銀は変わったのか」──マーケット参加者が見つめるなかで日銀が選択したのは成長基盤支援資金の拡充だった。写真は昨年10月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)
日銀総裁、デフレ脱却に向け金融緩和の推進をあらためて表明
独連銀総裁がユーロ圏分裂の見方一蹴、「ばかげている」
日経平均は反発、金融政策維持に失望売りも
中国人民大会堂の大型画面を日本製から国産に、自国ブランド後押し
[東京 13日 ロイター] 「本当に日銀は変わったのか」──マーケット参加者が見つめるなかで日銀が選択したのは成長基盤支援資金の拡充だった。追加金融緩和は見送られたが、ゼロ回答でもない結果に、マーケットは判断を下せずにいる。
ただ「玉虫色の結果」を評価する声もある。若干の失望感をもたらしたとはいえ、株高・円安が進む中で無理に追加緩和をすれば財政ファイナンス懸念などが強まるおそれがあった。一方、市場の緩和期待を完全に否定すれば現在の株高・円安トレンドが反転しかねない。政治圧力もかわしつつ、緩和期待を維持しながら過度な思惑も排除する妙手であったとの評価も出ている。
<海外勢の一部は失望>
株高、円安、景気も堅調、通常なら追加金融緩和は考えにくい状況下で、市場の緩和期待は高まっていった。13日午後の東京市場でドル円は82円台半ばまで上昇し、日経平均.N225は特段材料もないなかで1万円を回復。「金融緩和を期待する海外短期筋が不動産株や保険株を買っていた」(準大手証券)という。
こうした期待を市場に抱かせたのは、日銀が2月14日に実施した追加金融緩和などの施策が大きなインパクトを市場に与えていたためだ。当時も円安気味で株価も堅調、追加緩和を予想する声が少ない中で、日銀は基金による長期国債買い取りを増額し、物価上昇率1%を「目指す」とした。実質的なインフレターゲットが導入されたとみた海外勢が、円のロングポジションや、日本株のアンダウエート修正を進めた結果、約1カ月で、日経平均.N225は約800円(9%)上昇し一時約7カ月ぶりに1万円を回復。ドル/円は78円台から82円台に、ユーロ/円は102円台から108円台に戻した。
株高・円安が続く状況で、日銀がさらにダメ押しの追加緩和を行えば、強引にでもデフレを解消させる日銀に完全に変わったと受け止められる可能性があり、一部の海外勢はそれを期待して株買い・円売りポジションを構築していたとみられている。
しかしながら、日銀は期待感に反し追加緩和を見送った。一時は1万円台を回復した日経平均.N225は日銀会合後に上げ幅を縮小し、一時はマイナス圏に沈んだ。ドル円も82円台半ばから82円割れ寸前まで下落。「円売り要因を模索していた海外勢にとって今回の日銀金融政策決定会合は肩透かし感が強いだろう」(野村証券・金融市場調査部チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏)という。
<国内勢は冷静、追加緩和期待は維持>
とはいえ、マーケットに「日銀はやっぱり変わらなかった」との完全な失望感が広がったわけではない。ドル円は82円台を割り込まず、白川方明日銀総裁の会見を受けて上昇に転じており、日経平均先物もイブニング・セッションで上げ幅を拡大している。
もともと先走っていた一部の海外勢とは対照的に、国内勢の多くは今回の決定会合では政策据え置きとの見方が多かった。前回の追加緩和から時間が経っていないほか、景気が堅調で株高・円安も続いている中で、追加緩和を行えば、財政ファイナンスへの懸念が台頭したり、金融政策の透明性を失わせる危険もあったためだ。政治サイドからの圧力は相変わらず強いが、政治に屈したとのイメージは「悪い金利上昇」につながりかねない。
また日銀は「ゼロ回答」を選択したわけではなかった。金融政策ではなかったが、成長基盤支援の拡充を打ち出し、貸付額総額を3兆5000億円から2兆円増額。新規の貸し付け期間を2014年3月末まで2年延長するとともに、対象を小口の投融資や外貨建てにまで広げた。2月に決めた金融政策姿勢の明確化や金融緩和の強化とパッケージであることを強調している。
宮尾龍蔵審議委員が資産買入基金を5兆円増額する追加緩和を提案したことも、市場の追加緩和期待を維持させた。
「本当に日銀は変わったのか」──、その判断を今回マーケットは下せなかったが、シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏は「玉虫色の結果」になったことは結果的に良かったと評価する。「経済も株価も関係なく無理やり金融緩和する日銀になったとみられることは得策ではない。かといって一部の市場参加者が抱く日銀は変わったとの印象を否定する必要もない。変わった、変わらない、その立場でどちらともとれる結果になったことは良かったのではないか」と話している。
(ロイターニュース 伊賀大記 マーケットチーム;編集 内田慎一)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE82C05I20120313?sp=true
日銀総裁、金融緩和の継続を強調:識者はこうみる
2012年 03月 13日 18:14 JST
3月13日、日銀の白川総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、成長基盤支援融資の拡充を決定したことについて、デフレ脱却を目指した一連の政策対応であるとの認識を示した(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)
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日銀総裁、デフレ脱却に向け金融緩和の推進をあらためて表明
独連銀総裁がユーロ圏分裂の見方一蹴、「ばかげている」
日経平均は反発、金融政策維持に失望売りも
中国人民大会堂の大型画面を日本製から国産に、自国ブランド後押し
[東京 13日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は13日、金融政策決定会合後の記者会見で、成長基盤支援融資の拡充を決定したことについて、2月に決めた金融政策姿勢の明確化や金融緩和の強化とパッケージだと述べ、デフレ脱却を目指した一連の政策対応であるとの認識を示した。
市場関係者の見方は次の通り。
●ドル/円は米政策にバトンタッチ、緩和後退で上昇か
<クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター 斉藤裕司氏>
白川方明総裁は強力な金融緩和継続をあらためて表明したほか、成長基盤支援オペ増額は前回の緩和強化とパッケージとの認識を示した。海外勢は白川総裁のこうした緩和をめぐる発言を待ち構えていたが、今回の成長基盤支援オペ2兆円増額したことと合わせて、円売りをしたのだろう。
今後については、追加緩和は難しいのではないか。4月に公表予定の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では景気の上方修正が見込まれるほか、日銀短観も4月以降に出てくるものは強いことが予想される。そうした状況の中で、資産買入等基金増額などの追加緩和は簡単にはできないだろう。
ドル/円の先行きについては、今後は米金融政策にバトンタッチすることになりそうだ。エネルギー価格が上がって、雇用が回復している状況で、QE(量的緩和)という言葉がだんだん遠のいてくると、ドルは自然に買われてくるだろう。ドル/円は上昇方向にあるとみている。
●デフレ脱却へ努力、展望リポート時に緩和も
<SMBC日興証券 チーフマーケットエコノミスト 岩下真理氏>
白川方明日銀総裁は会見で、前回会合で決定した金融緩和強化と今回の成長力強化はパッケージと指摘した。デフレ脱却に向けて努力ををしながら、一歩一歩前進していることを強調したかったのだろう。
日銀は4月に展望リポートを公表する。日銀がこだわる時間軸と物価見通しと照らし合わせながら、次の一手を考えることになるのではないか。展望リポートに向けて、追加緩和のウォームアップの段階。追加緩和策に踏み切るとすれば、資産等買入基金を10兆円増額し、長期国債買入額を増やしてくるとみている。いずれ買入年限を延ばす可能性はあるが、当面現在の買入年限を維持する姿勢ではないか。
●脱デフレ姿勢前面に、流れ変わらず市場には中立
<しんきんアセットマネジメント投信 運用部 投信グループ長 藤原直樹氏>
今回の日銀の金融政策決定会合における日銀のスタンスは現状維持のままだった。続けざまに緩和策をやってくるとは思っておらず、ある程度必要になってきた段階で、積極的にやってくるのではないか。緩和と言いながらも限界はある。そのような中にあって、デフレ脱却を前面に出すなど、今後についても緩和の姿勢を打ち出しており、流れは変わらないとみている。
市場では失望感があったのかもしれないが、個人的には期待をしていなかった。(決定会合の発表後に、株式市場の上昇幅が縮小したことについては)一部では、前回にサプライズがあったこともあり、今回も市場を後押しするようなものが出るのでは、との期待感が盛り上がっていたのかもしれない。
市場へのインパクトはニュートラル(中立)。1日で織り込んだのではないかとみるが、もし下げるようなことがあっても、尾を引くようなことはないだろう。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE82C04H20120313?sp=true
日銀が変わったのは政策ではなくコミュニケーションのうまさ
2012/03/13 (火) 20:23
今日の日銀金融政策決定委員会では、
1. 政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0〜0.1%程度に据え置く
2. 資産買入等基金(国債などを買い入れる資金、前回10兆円増額)を据え置く
⇒ 宮尾審議員が5兆円の増額を提案しましたが、1対8で否決
3. 成長基盤支援融資制度の申し込み期限を今月末から2年延長し、3.5兆円から5.5兆円に増額
という結果でした。
海外勢の期待としては、2.の資産買入等基金を前月に続き拡大する、というものでしたので、最初の反応としては、失望売り(円買い)となりました。
しかし、白川日銀総裁の会見後、再び円売りが強まっています。
総裁は会見の中で「前回金融政策決定会合で物価1%上昇を目指して強力に金融緩和を推進していくと表明し、一段の金融緩和に踏み切ったことが最近の円安、株高の一つの要因となっている」とした上で、「前回の金融政策姿勢の明確化と金融緩和の一段の強化と、今回の成長力強化はパッケージとして打ち出している」と強調しました。
また「デフレ脱却には成長力強化が不可欠、短期的な到達は難しい」としながらも「今後も残された金融緩和余地を最大限追求していくとともに、緩和環境の活用を促していく」として追加緩和を示唆しました。
海外勢は、当初の結果を受けて「緩和なし」で円買戻しに動いたのですが、会見の内容を、小幅な追加緩和実施と、今後の緩和継続、とのメッセージと取って円売りに動いたと考えられます。
実はこれまで、日銀自身の位置づけとして「成長基盤支援融資制度は金融政策ではない」としていました。ですから、今日の決定は本来金融緩和ではないはずです。
今日は一部海外勢の追加緩和の期待が高まっていましたので、何もなしとなれば、最初の反応がそうであったように、ここまで進んできた円安の動きに水を差す結果になったと考えられます。それを懸念した結果、声明や総裁の会見で慎重に言い回しを選んだ結果、資産買入等基金の増額をしなかったものの金融緩和をした、との印象を与えることに成功したのだと思います。
今回の日銀は、ある意味で市場とのコミュニケーションを非常にうまくとったのだと思いました。これまでと政策運営が大きく変わっているとはまだ考えていませんが、少なくとも市場とのコミュニケーションの取り方には大きな変化がありました。
今後、日銀が本当の意味での緩和策を連続して打ち出していく、というのはこれまでの日銀のやり方から考えると非常に違和感を持ちます。そんな中で、実質的にはそれほどのことをしていないにも関わらず、市場の期待を維持する、という今回のような事をどこまで続けられるのか?ということが今後の円相場の大きなポイントになって行くのではないでしょうか。
http://www.gci-klug.jp/takano/2012/03/13/015237.php
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