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株式日記と経済展望
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ソニーとサムスン、あるいはホンダと現代自動車の競争を例に取ってみる
といい。韓国企業は米国企業よりもずっと熾烈な世界的ライバルなのだ。
2012年3月11日 日曜日
◆日本を苦しめてきた円ウォン相場の呪い 3月7日 英エコノミスト誌
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34693
円の強さ、中でも韓国ウォンに対する円高は近年、日本の電機メーカーを赤字まみれにする一因となってきた。今や流血の惨事となった。日本のDRAMメーカーであるエルピーダメモリは2月27日、日本の製造業では戦後最大となる破綻(会社更生法の適用)を申請した。同社破綻による主な受益者は、韓国のサムスン電子だ。
為替レートが有利なだけでサムスンがエルピーダを倒したと批判する人はいないだろう。巨大エレクトロニクス企業であるサムスンは、多くの日本の競合企業よりも鋭敏で大胆だ。
苦境が厳しさを増すほど高くなってきた円相場
しかし、2008年半ばに世界金融危機が始まってから、円ウォンの為替レートは見事なまでに韓国の輸出企業にとって有利に働いた(図参照)。
2008年半ば以降、ウォンは円に対してざっと50%安くなり、韓国企業が価格面で日本企業の足をすくうのを後押しし、韓国経済を成長局面に戻す動力を供給した。
しかし円は、まるで呪いのような動きを見せてきた。日本経済の苦境が厳しさを増すにつれ、円は強くなっていったのだ。
円の対ウォン相場が昨年10月初旬につけた最近の高値から10%下がったことに、日本の輸出企業が安堵の溜め息をもらしているのは、このためだ。この下落率は、対ドルや対ユーロの下落率よりも大きい。主な要因は、世界的なリスク志向の変化かもしれない。ウォンの上昇は往々にして、アニマルスピリッツの指標になるからだ。
しかし為替の専門家は、日本が1月に過去最大の貿易赤字を計上したことに加え、日銀が最近、新たに設定した1%のインフレ目標(めど)に近づくまで国債を購入すると約束したことによって、円安の機運が高まったようだと話している。
証券会社CLSAのニコラス・スミス氏は、余分な流動性の大半は日本の資産市場に行き着くと考えている。実際、日経平均株価は2月29日に7カ月ぶりの取引途中の高値をつけた。
日銀が円ウォン相場よりも、円ドルや円ユーロの方に関心があることは間違いない。金融取引という点では、対ドル、対ユーロの為替相場の方がはるかに重要だ。
だが、産業の観点から見ると(輸出企業は日本で強力なロビー団体を構成している)、対ウォン相場も全く同じくらい重要だ。ソニーとサムスン、あるいはホンダと現代自動車の競争を例に取ってみるといい。日本の立場からすると、韓国企業は米国企業よりもずっと熾烈な世界的ライバルなのだ。
将来については、介入好きな韓国銀行(中央銀行)が、ウォン安誘導を控えることができるのか疑う向きもある。
最近の円安傾向は続く
しかし、HSBCのダニエル・ホイ氏は、ウォンが円に対して上昇し続ける可能性があると見ている。ホイ氏はその理由として、韓国が外貨準備高の水準に満足しているように思われること、そして、輸出企業が自社の回復力に自信を持ち、もうウォン安に頼らずに済むことを挙げている。
もう1つの要因は、ウォンに対する行き過ぎた円安を招く可能性がある。韓国の輸出企業は日本の輸出企業よりも積極果敢にアジアの新興国などの新市場を開拓してきた。日本企業がこうした市場で韓国勢に追いつくには、韓国銀行の対抗措置への圧力を和らげて、極端な円安に誘導することが必要なのだ。
(私のコメント)
今日は3月11日で東日本大震災の一周年になりますが、福島第一原発事故の一周年にもなります。しかし原発の処理はこれから何十年もかかるし、原発の安全神話が崩落したことで全部の原発が止まり、火力発電に頼らざるを得なくなった。テレビでは原発事故の特集なども昨日今日とどのテレビ局でもやっていますが、国民感情からして当面は原発の運転再開は無理だろう。
火力発電は燃料の輸入に頼らなくてはならないから、日本は当分は貿易収支は赤字になり電力コストの上昇は避けられない。貿易収支が赤字になることで円安が進んできましたが、エネルギー価格の上昇も避けられない。ガソリン価格も1リットル150円を超えてきました。
私自身は原発再開はやむをえないと考えていますが、原発の地元では理解は得られないだろう。何十キロにも及ぶ被害を出しては、電力会社がいくらマスコミを使って「原発安全神話」を振りまいても神話は崩壊してしまったのだから再開は難しい。何度も書いているように原発がいったん大事故が起これば一電力会社では保証能力も無いから国が管理すべきだったのだ。
これは国のエネルギー政策も大転換を迫られますが、当面は火力で補わなければならない。つまりLNGなどのエネルギーの輸入増大で日本は赤字体質になり円安傾向は続くだろう。同時に日銀がインフレターゲット政策に踏み切ったのも、コストインフレを計算してのことかもしれない。給料は上がらないけれどもガソリンなどの物価が上昇していく。
英エコノミスト誌が書いているように「エルピーダメモリは2月27日、日本の製造業では戦後最大となる破綻」となりましたが、韓国ウォンが7割も安くなってはどうすることも出来ないだろう。韓国は早くからインフレターゲット政策を取り入れてきたから、欧米の金融緩和にあわせてウォンを安くしてきた。それに対して日銀はインフレターゲットをひたすら拒否して円高とデフレにしてしまった。
日銀が何を考えてこうしているのか分かりませんが、製造業では戦後最大の倒産が起きては政財界も悲鳴を上げざるを得なくなった。今や日本の家電業界は虫の息であり、テレビやパソコンの値崩れが止まらない。国内では韓国製や中国製の液晶テレビやパソコンが溢れて安売り合戦が行なわれている。通貨の安い中国や韓国から円高の日本に輸出すれば安売りしても利益がでるからだ。
これはアメリカ政府が意図してやってきたことであり、アメリカ政府は中国や韓国の通貨安は認めても、日本の金融緩和には批判してくる。それは日本が世界第二位の経済大国だったからですが、中国の追い上げで日本は第三位に転落した。そこでアメリカは徐々に中国に対して対応せざるを得なくなってきて日本はようやくアメリカに金融緩和のお許しがでたのだろう。
◆円高は終わった 3月8日 S氏の相場観
http://ssoubakan.blog102.fc2.com/blog-entry-1231.html
対ドルでと限定しておきますが、円高の流れは変わったと見るべきでしょう。どこまで円安になっていくかは分からないのですが、時と共に円安は更に進んでいくと見ておいた方が良いでしょう。
これは、米の戦略の変更が影響しているからであると言えるのですが、何が変更になったかと言えば、対日政策よりも、完全に対中政策を重要視する様になった点でしょう。少々悔しさがあるのですが、やはりこれからの世界の中心は中国であると考えるべきであり、米は完全に中国に向けた政策を中心にして来たと言う事が言えるのです。
今まで、日本からの輸出が脅威であった米ですが、主要な日本の製造業は米に拠点を構えて現地生産を進める様になりましたし、年々米に対する影響力は縮小して来ていたのです。東日本大震災が起きても復活してくる日本は、今でもある程度の脅威ではあるとしても、中国の成長力に比べれば「重要視」する必要は無いと言うレベルになってしまったのでしょう。
今までは日本政府がデフレを止めるために金融緩和を!としても、絶対に「YES」とは言わなかった米ですが、ここまで影響力が落ちれば問題ないと判断したのでしょう。日銀のインフレ目標の設定を評価し、日本株を力強く買う様になってきたのです。
実は、この材料は最初はかなり過小評価してしまっていたのですが、実は凄い材料でありまして、インフレ目標を達成するまでお金をばらまき続けると言う話でありますので、経済指標がインフレを示すまでは次々に資金供給が成されていく事になるのです。これで株を買わない方がどうかしているわけで、こうして株価は上昇を続けてきているのです。
米はこれまでドル安による輸出の拡大を景気回復に繋げようとして来たわけですし、それはここまで上手く機能してきたように思いますので、政策は成功していると言って良いのですが、これ以上ドル安にしてもあまりメリットがないと判断したからこそ、日銀のバラマキを肯定しているのだと思うのです。(後略)
(私のコメント)
福島第一原発の事故で、日本の国力は大きく低下することは避けられない。東日本大震災は関東・東北地方に原爆が何発も落とされたようなものだ。そして54基の原発が使えなくなることは致命傷になるだろう。これでは日本の製造業は韓国や中国にバタバタとやられて行きかねない。そう見たから円が売られて82円にまで下げてきた。
S氏の相場観でも書かれているように、アメリカは今度は中国に標準を合わせてきたようです。中国の経済成長が軍事力増大と周辺諸国への影響力増大はアメリカの脅威になる。日本は死んだふり政策でアメリカに叩かれ続けてきましたが、東日本大震災で本当に死にかけてしまった。三陸沿岸の被災地はまるで原爆が落とされたかのような瓦礫の山ですが、アメリカ政府もようやくこれで気が済んだのだろうか。
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