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日経新聞 web刊
【NQNニューヨーク=滝口朋史】金融派生商品(デリバティブ)の取引慣行などを決める国際スワップデリバティブズ協会(ISDA)は9日、ギリシャ政府の債務再編がクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の損失補填の支払いが発生する「クレジット・イベント(清算事由)」に該当すると発表した。決定は全会一致。
ギリシャが国内法に基づいて発行した同国債に付与した「集団行動条項(CAC)」が全ての投資家に元利金の削減を強いることが清算事由に該当すると判断した。ギリシャは同日、同国債を保有する民間投資家の83.5%が債務削減に応じたと発表。参加率を一段と高めるためにCACを発動する構えだ。
CDSはデフォルト(債務不履行)のリスクに一種の「保険」をかける商品。CDSの買い手はデフォルトによる損失をCDSの売り手から補填してもらえる。ISDAの決定に強制力はないが、事実上の世界標準になっている。デフォルト認定を受け、ISDAは19日に清算対象となるCDSの清算価格を入札方式で決定する。
先進国のCDSが清算されるのは初めて。市場で取引されているギリシャ国債のCDSの想定元本は総額32億ドルとされている。清算対象となる銘柄については追って発表する予定だ。
ギリシャの債務再編では、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が2月27日に一部の債務が履行されない「SD(選択的債務不履行)」と認定。同業のフィッチ・レーティングスも3月9日に「一部債務不履行(制限的デフォルト=RD)」とした。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2日に長期債務格付けを最低の「シングルC」に格下げし、事実上のデフォルトとみなしていた。
ISDAはギリシャの債務再編が投資家自身の判断を前提とした「自発的」なものとして、デフォルト認定を見合わせていた。市場ではCDSの本来の目的である「損失の保証」機能を疑問視する声が高まっていた。強制的な債務削減が実施される可能性が高まったことで、格付け会社の判断に沿った決定となった。
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