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株式日記と経済展望
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株価は1万円目前まで上昇して、円は82円まで円安になった。まさに
インフレターゲットを財務省や日銀のバカ官僚は理解できなかったのだ。
2012年3月9日 金曜日
◆エルピーダ破綻とAIJ事件日銀のデフレ・円高が招いた悲劇 3月8日 高橋洋一
http://diamond.jp/articles/-/16477
ただし、デフレでなかったら、運用問題は生じなかったかもしれない。日銀がデフレ脱却にあまり熱心でないのは、今金融機関が国債運用で儲けており(金融商品中最低金利であるべき国債の運用で儲けるというのも奇妙な話だが)、デフレ脱却して金利上昇すると金融機関が困るという話がある。
先週の本コラムでも、金利が上昇すると金融機関が大変という記事を批判した。国会でも、白川方明日銀総裁が金利上昇の懸念を述べている。
2月23日の衆院予算委員会だ。「仮に金利が全期間に渡りまして一律1%上昇するというケースを想定しまして、金融機関の保有する債券の下落幅、損失を計算いたしますと、大手行につきましては3.5兆円、地域の銀行については2.8兆円でございます。」
リスク管理をやっている者であれば、損失額は、「保有額」×「金利上昇幅」×「平均償還期間」になることを知っている。都銀の保有国債は100兆円ほどで、金利上昇幅は1%、平均償還期間は3.5年程度だから、暗算でもだいたい3.5兆円というのは出てくる。地銀と第二地銀の国債保有額は40兆円程度、金利上昇幅が1%だとすると、平均償還期間は7年程度ということになってしまう。これはちょっと長すぎる。もし本当ならあまりにリスクを抱えすぎである。日銀はこんな数字を知っているなら、金融機関のリスク管理をもっと指導すべきだろう。
もっとも、この金利シミュレーションはあまりに一面的だ。白川総裁の答弁でも「貸出金利も上がる」といったが、これは国債から貸出に資産を変えれば損失は相殺されることを意味する。また、資産面で 金利が上がると国債では損がでるが、負債面の預金では低い調達金利のものが長く残るので、利ザヤの面ではプラスがでる。
いずれにしても、資産と負債の両方を全面的に見直してリスク管理を行う。これができない金融機関はプロとして失格と言わざるをえない。こうした分野は資産負債総合管理(ALM:ASSET LIABILITY MANAGEMENT)といい、金利上昇だけをとらえるのはその知識が欠如している。
財務省が使う
数字のトリック
また、金利上昇の一面的な懸念は、財務省にもある。財政破綻論者が使う「経済成長すると破綻する」という奇妙なロジックである。ちなみに、昨年4月21日、OECD(経済協力開発機構)対日審査報告書の発表会見で、「経済成長すると破綻するのではないか」というフロアからの質問があった。
それに対して、グリアOECD事務総長は、「その質問は罠か」と冗談を交えながら、「金利が上がって財政が大変になるからといって、成長を諦めるわけにはいかない。成長がすべて」と言い切った。
その時の質問は、成長すると金利上昇によって、国債の利払いが増大して財政が破綻するというものだった。もちろん、成長すれば税収も上がる。しかし、財政破綻論者は税収より利払いが大きいと主張する。
彼らは財務省の「後年度歳出・歳入への影響試算」を根拠としている。1月に出された2012年度版によれば、名目成長率が1%上昇した場合、13、14、15年度の税収増はそれぞれ0.5、1.1、1.7兆円である。一方、金利が1%上昇した場合、国債費の増加はそれぞれ1.0、2.4 、4.1兆円としている。
これをもって財務省にも高い名目成長を否定する人は多い。私が知っている首相秘書官経験者は、名目成長が上がると財政破綻すると信じ込んでいた。そのためか、その首相は本来成長論者であったにもかかわらず、在任中は成長をあまり主張しなかった。
この数字にはトリックがある。国債残高は600兆円として、もしすべて1年債であったなら、金利が1%とすると次の年に6兆円増加して、その後は増えない。実際には1年より長期の国債もあるので、徐々に上がり数年経って6兆円まで上がるが、その後は増えない。
ところが、名目成長が1%アップすると、時間が経過すればするほど税収は大きくなる。数年経つと6兆円以上増える。財務省の資料は、3年までしか計算せずに利払費が税収より大きいところだけしか見せないのだ。
ある国会議員が3年より先まで計算するように要求したが、財務省が頑として計算しなかった。それを行うと、マジックがばれるからだ。
名目金利の上昇は
物価が上がり始めてから3年後
もしデフレ脱却後に経済成長し、名目金利が上昇して財政破綻するなら、2000年代の名目成長率で日本は世界で最下位なので、日本以外の国はとっくに財政破綻しているはずだ。ところがそうなっていない。成長は財政再建を含めて多くの問題を解決できるからこそ、OECDが目的のトップに掲げている
実はデフレ脱却は簡単だ。本コラムでしてきたように、日銀がカネを刷れば終わる。それを阻むのが、上のような名目金利上昇の懸念だ。それを日銀や財務省がいうのだから、始末に負えない。杞憂であるし、そもそも名目金利の上昇は、企業の自己資金である内部留保を使い切った時なので、それはだいたい物価が上昇しだした転換点から3年程度遅れる。これは大恐慌研究からもわかっている。
日銀は2月14日、「中長期的な物価安定の目途」を当面「1%」とし、資産買い入れ基金の10兆円増額を発表した。それを受けて、円ドルレートは円安にふれ、それを好感した株式市場も上昇しはじめた。
世界標準の「2%インタゲ(インフレターゲティング)」ではなく、「1%」と「目途(メド)」という「へなちょこ“インメド”」なのに、本コラムで以前から主張していたとおりの効果だ。国会議員を含むいろいろな人から「高橋さんのいうことは正しい。もっと早く日銀はなぜ行わなかったのか」といわれる。
金融政策をきちんと実行させる仕組みは日銀法改正である。日本経済をしっかりさせるために日銀法改正は不可欠だ。日銀法を改正しても、先端企業の破たんや悪徳投資顧問の根絶はできないが、それらが現れることをできるだけ少なくするようなマクロ環境を整えることはできる。それが国会・政府の責務だ。
(私のコメント)
90年代から現在に至るまで、大蔵省は景気が回復し始めると増税や財政再建に重点を置いて景気回復の芽を潰してきた。なぜそんな事をするのかというと国債残高に多さによる金利の上昇で利払いが増えて財政が破綻するのではないかと考えているのだろう。確かに現在では1000兆円もの国公債残高であり、1%上昇しただけで10兆円の利払いが増える計算だ。
ユーロ圏などではギリシャは金利が35%にまで上昇しましたが、イタリアも7%以上になった。日本の財務省はそれを恐れているからデフレにして金利上昇を抑えているのだろう。ユーロ圏は日本ほどではないにしても国債残高が大きいから金利が高騰するとデフォルトして金利すら払えなくなる。日銀がなかなか金融を緩めなかったのもインフレ恐怖症によるものですが、インフレになれば税収も増えることを忘れた議論だ。
銀行も金利が上昇して国債が暴落しても、貸出金利が上がるから短期国債ならさほどのマイナスにはならないはずだ。国債残高1000兆円というのも財務省のごまかしであり、多くが3年以下の短期国債であり、10年もの以上の国債残高は少ない。つまり国債が暴落するような状況になっても3年後位には元本が帰ってくるから実質的な損失はエコノミストが騒ぐほどではない。ただし高橋氏が言うように地銀などは7年程度なので短期にシフトすべきだろう。
銀行は金利上昇局面に入れば国債を売って貸し出しに回して金利を上げるから国債の評価損を相殺できる。日銀は1%の物価目標を明確にしたのだから名目物価が1%上昇するまで金融を緩める事になりますが、早くも株価は9900円まで上昇して円は82円台にまで下落した。安住のバカ大臣が直接介入しなくてもインフレターゲットを宣言するだけで金融の流れが変わった。
AIJ投資顧問が2000億円消失させたのも株価の低迷とゼロ金利のせいなのであり、国内の株価が上がらなければ投資運用は海外のハゲタカのところに行ってしまう。年金などの資金運用は5,5%の利回りを想定しているから国債のような堅実なものは敬遠してAIJのようなインチキ投資顧問に引っかかってしまう。国内の1500兆円の金融資産の資金運用を考えれば2%〜4%のインフレターゲットで行くべきだろう。
日本やアメリカで行なわれているゼロ金利政策は、分かり易く言えば銀行救済策であり、銀行はゼロ金利で資金を借りて国債で金利を稼いで不良債権を償却してきた。アメリカも同じ事を行なっている。同じゼロ金利でもアメリカは実質マイナス金利であり日本は実質プラス金利で、金利が日本のほうが高いから円高になってしまった。しかし1%のインフレになれば円高の状況も変わる。
昨日も公務員の資質が低下していることを書きましたが、財務省もバカ役人ばかりになって高橋氏が書いているように『金利上昇の一面的な懸念は、財務省にもある。財政破綻論者が使う「経済成長すると破綻する」という奇妙なロジックである。』というのは、一面しか見ないからであり、経済成長すれば税収も上がるから財政は破綻するという理論はおかしい。
このような事は数学的にシュミレーションできるから、高橋氏も『目成長率が1%上昇した場合、13、14、15年度の税収増はそれぞれ0.5、1.1、1.7兆円である。一方、金利が1%上昇した場合、国債費の増加はそれぞれ1.0、2.4 、4.1兆円としている。』と書いていますが、『ある国会議員が3年より先まで計算するように要求したが、財務省が頑として計算しなかった。それを行うと、マジックがばれるからだ。』というようにトリックがある。
名目成長率が毎年1%アップするということは3年経てば3%アップする。10年経てば10%アップすることになり税収は毎年増えていくのに国債利払い費は1%以上は増えない。日銀が頑なにインフレターゲット政策を否定してきた事は、その間違いは現在の状況を見れば明らかだろう。株価は10000円目前まで上昇して、円は82円まで円安になった。まさにインフレターゲットは魔法の杖であり、それを財務省や日銀のバカ官僚は理解できなかったのだ。
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