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政党に要求するデフレ解消のための戦略
これから先どのような政党が生まれても、デフレを解消できなければ、成功しません。日本を破綻させてはならないのです。力強く借金をすべて返す必要があるのです。
いろんな党方針、信条を唱える前にに先ず、デフレに対する正しい経済政策が必要です。
突飛な策は、整合性がなく、また実現性に疑問なものが多く、またベーシックインカムなどの社会主義的な策では、新興国が台頭してきた競争のより激しくなる近代世代では、通用しないでしょう。
デフレは簡単に直ります。不治の病いではありません。やり方だけです。
まずデフレとはどんなものかを知ってください。でなければ間違った政策を選択します。
いつも長くなってしまいますが最後までお付き合いください。デフレがどんなものであるか分かっている方は、デフレ解消の船中八策から読んでいただいて結構です。
「デフレとはどんなものか」
デフレは資金が生産量に比べ著しく少なくなった市場で起こる現象です。
デフレの生じる原因は、大規模な金融資産や、土地価格の崩壊により、莫大な借金が生じ、その穴埋めのために巨額の資金が必要となり、市場から資金が流出することにより生じます。
あるいは巨額の戦争賠償金などにより発生した債務などに、重税を課すことにより、市場から資金が失われた場合などにも起こります。今、現在のユーロのギリシャ破綻による巨額の不良債務が銀行に発生した場合などもこの範疇に入ります。
デフレの循環的な収縮が開始されるのは、全体の借金の額が全体の貯蓄量を上回る時点です。市場において貯蓄額以上に借金が増えることにより、循環的な収縮経済が始まるのです。
デフレ市場の特徴
デフレの原因は、生産量(生産能力又は生産手段)がそのままで、資金が一気に巨額に減少して起こります。戦争で生産手段が破壊され、インフレが起こるのとは全く逆の現象です。
生産量(生産能力)がそのままで、資金量だけが著しく少なくなっているため、消費額が著しく減少します。
(注意:これは需給ギャップではありません。供給に対する消費額の欠損、消費不足です。お金が無いから買えないという現象です。)
そのため各企業は売上を確保するために激しい競争を余儀無くされます。低価格競争や、サービス過剰競争が行われる結果、製品単位辺りの、あるいはサービス単位辺りの付加価値が減少します。
それが企業の売上や利益額の減少を招き、リストラが繰り返され、労働賃金がどんどん減少していくのです。そして賃金所得の減少がさらなる消費不足を招き循環的に経済が縮小します。
最終的には、減少した消費額に生産額が一致する点まで市場が収縮します。しかし残念ながらこれでデフレが終わるわけではありません。
所得が低所得化しても、今までの国民負担分(税金、保険金、公共料金など)が変わらないためあるいは増加したため、資金が市場からさらに流出し、消費額がさらに少なくなります。
放っておけば市場が均衡する事なく、どんどん収縮していきます。最後には企業は利益を上げることができなくなり、個人は生活費以下の所得になり、産業が崩壊します。
このようにデフレは、市場の資金の著しい減少が起こり、それが生産能力に対する消費額の大きな欠損(不足)を招く結果、企業の低価格競争を通じて付加価値がどんどん下がり、低所得化し、資金がどんどん市場から流出していきます。
このようにデフレの原因は、資金減少による消費不足にあり、生産量が余る供給過剰や設備過剰や人員過剰ではありません。
バブル崩壊後多くの経済学者が唱えたような設備過剰が原因ではないのです。在庫過剰や設備過剰は、借金過剰が生んだ消費不足が原因です。
そのため生産量を削減するために、設備過剰を減少させると失業者が増え所得が減じデフレを余計に進行させることになります。
現在の生活保護所帯が増えた原因の一つは、企業淘汰という名の設備削減を無理に行ったことに有ります。
また内需の停滞が、開発力を弱め、日本の花形産業の衰退につながっています。
「デフレの各人の行動は、全体の中で借金を持った人が多く存在するため、例えば所得が20万でその2割を借金の返済に費やしている人が多くいるとすると、先ず4万円を返済として返し、その残りを消費として16万円を費やすことになります。市場から4万円が流出し、その4万円分が不良在庫となります。
市場でこのような行動をとる人が、貯蓄ができる人よりたくさんいるために、循環毎に市場が収縮します。デフレは市場で人々がこのような行動をするため生じるのです。」
このことからデフレを解消させる基本は、消費不足を補うことに尽きます。デフレ解消の戦略もそれに集中したものでなければなりません。
デフレ下では統計的に、
1、名目GDPの成長率が実質GDPの成長率を下回ります。少ない資金を生産量を増やして取り合いをしている構図です。
2、労働曲線が右下がりになります。労働が増えるほど(働くほど)賃金が下がることになります。
3、収穫逓減の法則が通用します。
4、貯蓄以上に借金が多いため、乗数効果は望めません。逆に借金の負の乗数効果が現れます。
このため、ものを製造すればするほど、付加価値が下がり、コストが高くなります。市場全体が高コスト、低付加価値の非常に厳しい状態におかれます。
わずかな下振れでも大きく収縮する経済になります。
リーマンショックが日本に大きな痛手を負わせたのは、日本の産業経済基盤が脆弱になっていたからです。
デフレ市場は、今までの経済学が扱ってきた正常な経済ではなく、特殊な市場になっています。それゆえ経済学自身が対応できていないのです。
その結果、今まで政府が行ってきた生産刺激のための生産者に対する様々な補助金や、莫大な公共投資、企業へリベートを渡す形での雇用促進策、住宅ローンの軽減、医療費補助、エコカー、エコ家電、低開発国からの移民促進など、その他、多くの生産量を増やす政策は、デフレを促進させるものです。
(その他にも、リニアの設置、カジノ構想、残念ながら東北復興支援策などの公共投資もデフレを解消させるものではありません。)
このような紐付きの資金供与はデフレを解消させません。エコカー減税、エコ家電、医療費控除など。
(医療費などは、病気になって初めて助成されるものです、病気にならなければ出ません。このような助成金は、医療に携わる企業の育成、拡大を目指す政策になり、デフレ解消のための消費拡大にはなりません。)(これらは需給ギャップで生じた不景気を直すための政策としては有効であるが、消費不足から生じた不景気には有効ではありません。すなわち所得線上を上下する景気変動には有効であるが、所得線の角度が上下する景気変動には役に立ちません)
また金融政策として低金利、過剰金融緩和なども、資金が生産者に渡るだけで市場に増える分けではありません。低金利は、消費者の購買力や担保力を阻害し、減じるため、市場からの資金流出を意味しデフレを促進します。
低金利は、収穫逓減の法則を助長するためデフレを促進しているのです。
日本はバブル崩壊後、このような間違った政策を延々と20年以上に続けたために、資金がどんどんなくなり、究極の金詰まりになっており、名目GDPが20年以上前の水準にまで落てしまったのです。しかも莫大な借金により財政が破綻寸前に追い込まれています。
このようにデフレは資金がどんどん市場からなくなっていくため、所得税の増税のような広く薄く市場からさらに資金を奪う行為は、予想以上の経済の縮小を招きます。
消費税の増額は一気に大幅に資金を市場から奪う行為であり、デフレを引き起こす原理であるため再びデフレスパイラルを起こします。それゆえデフレ下での消費税引き上げは恐慌を引き起こすため絶対にやってはいけない政策なのです。
1997年の消費税を3%から5%に上げた行為はこれに該当します。その後のデフレ循環は皆様良くご存じでしょう。
デフレ解消には今までの景気拡大策をやめなければなりません。デフレ市場での本当に有効な景気拡大策を取り、経済を拡大再生産の軌道に乗せなければなりません。
財政の緊縮、倹約程度で日本の一千兆円からなる借金は返せません。今の日本の状態で財政均衡を図るのを優先する人達は、借金を返す気のない無責任な人達です。
消費税増税によるこれ以上の企業淘汰は借金を返す母体の喪失を意味します。それが日本の倒産、破綻です。
デフレの解消のためには資金を市場に増やす必要があります。需要を増やすのではありません。インフレにしなければならないのです。
ここが重要なところです。需要と供給のギャップを埋めるようなお金の増やし方ではいけないのです。紐付きの資金供給ではだめなのです。
生産量と関係なく、
所得線の角度引き上げるような資金量の増加が必要です。
もはや日本の破綻までそれほど時間がある分けではありません。急がねばなりません。下記にそのやり方を書いています。
*デフレ解消のための船中八策(増税せずにデフレを解消する方法)(成長に不必要なものを切り、成長する分野に回すこと。)
デフレ市場ではいかなる増税や、国民負担の増大も大きく市場を収縮させるため、増税せず、借金を増やさず、今までの出費額を変えずに、今までの支払い額の中でやり繰りすることが重要です。
成長に無関係な予算を削り、成長に必要なところに回すことが重要な政策になります。投資するところは、消費者です。生産者ではありません。
1、金利を引き上げよ。
現在、日銀がやっている、低金利過剰融資政策は即座にやめるべきです。これはデフレ促進策に過ぎず、インフレにはなりません。また世界をデフレに陥れる政策でもあります。
インフレにするためには、民間の担保力を増やさなければなりません。貸し出し余力を増やす必要があるのです。
今までやってきた過剰な金融緩和策や低金利は、個人預金金利を引き下げます。これは個人すなわち消費者の担保力や消費額だけでなく生産者の購買力や、担保力も引き下げるものです。
生産者に対しては、生産刺激のための補助金となりますが、消費が減退することが見込めるため、内需用の設備投資をしません。また新製品を出しても、消費額が減少しているため、売上が増えません。これが開発や起業が起こらない原因です。
今まで政府が行ってきた企業への様々な補助金は、消費の減少を補うものでないためことごとく失敗したのです。
デフレ解消のための金利政策は、消費を促すため個人預金を高くし、借金過多に苦しむ企業には、補助金として低金利にすべきなのです。
日銀が資金を供給するのは、この金利差に対する補助金として民間銀行に助成することです。
もう一度、マル優制度を設けたり、生活困窮者への優遇金利を復活させることが大事です。
日銀が民間の銀行を通してこのような金利を設け、預金金利を助成することがデフレを解消します。
デフレ時の日銀の役目は、低金利や過剰緩和ではなく、預金の引き上げによる消費者の購買力の向上です。
日銀は、貸し出し金利と預金金利の間に差額を設け、その差額を民間銀行に助成すべきなのです。
借金過多の企業には低金利で融資し、個人には並の金利で優遇すべきなのです。
2、ガソリン税を下げよ。リッター20円ほど下げよ。
これはばらまきや無駄使いではありません。デフレ下での最良の民間への資金注入策です。デフレ下でのばらまきや無駄な投資は、生産を刺激するような補助金や公共投資の方なのです。
またこれは、消費者の購買力を増やすためであり、石油会社、運送会社や、企業製品の配送費を安くすることに主眼があるわけではありません。
あくまでも消費者個人への補助金として資金援助し、他の消費を増やすためであり、運送機関への補助金ではありません。運送機関を保護育成するような援助は、デフレの解消にはならないからです。
なぜなら、デフレ下で運送機関に援助すると、顧客から余計に運送費が安くするよう、圧力をかけられ、運送費が下がる可能性が高いからです。それはデフレを促進するものです。(財源は存在します。いつでも取り崩せるものです。)
現在の日本の多くの企業は、間違った政策のせいで苦しい長いデフレの中でもたくましく生き残っています。後わずかな援助があれば拡大再生産の軌道に乗るところまできています。このガソリン税の20円/リッターの軽減だけでも、1年も続ければ確実に回復軌道に乗るでしょう。
(残念なことは、新聞やメディヤ、経済専門家のせいで、ガソリン税の軽減などが、ばらまきであり、浪費であるとの間違ったプロパガンダがなされています。実際はガソリン税の軽減が正しい政策なのです。)
3、高速代金を3割負担で全線実施せよ。
これもガソリン税を安くする理由と同じ。トラック運送業者の援助ではありません。
いつも利用している消費者に還元するものです。しかし当然トラック業者への恩恵にもなりますが、あくまでも、市場全体の資金を増やすためです。
3割負担にすることにより、高速道路運営会社が赤字にならないように経営させることが重要です。無駄な道路の建設をやめれば、当然、3割負担でも利益が出ます。
土日だけ、休日だけの援助は、高速道路運営者や、サービスエリア施設に対する補助金となり、デフレ解消にはなりません。
本来なら他の地域に出掛けるはずの人達が高速を利用することになるため、育成費と同じ効果を持ち、市場に資金が増えることにはならないのです。
また他の地域への人の流入を枯渇させていることになります。紐付き援助と同じなのです。
4、雇用保険を全額支給しその期間を延長せよ。
前に働いていた会社の8割や6割ではなく同じ給料を支払う方が市場に資金が増えデフレの解消に役立ちます。失業しても消費が減少しないからです。
今までのような、労働者を雇用するとそれに対して補助を与えるようなやりかたでは、余計にデフレを推進します。企業は新人を雇った方が得だからです。それにより製品価格を低く押さえ、生産量を増やすことになるからです。
財源は今まで、雇用促進費として企業に支払っていたものを、回せばよいのです。
あるいは公務員に民間と同等の雇用保険料を支払うようにすればよいだけです。
足りなければさらに公務員財源(公務員の退職金、ボーナスをなくし、地域の民間企業と同等の賃金に減額して余った額)から、不足分を補う事で賄えるでしょう。
最もやってはいけないことは、公務員財源を捻出するため、公務員の給料削減などすることは良いのですが、それを借金返しに使うことや、再び間違った成長戦略に使うことです。東北の復興も公共投資をするより、義援金方式のような直接消費者に還元する方が効果的です。
デフレも同じく生産増や、公共投資より義援金のような消費者への直接投資が有効なのです。
5、税金の物納を大幅に認めよ。
デフレでは現金資産が最も価値のある財産です。これを市場から税金として奪われるのを少なくしなければなりません。
物納を増やせば、市場から資金が流出するのを防げます。納められた資産は、それを元にしてお金を発行すれば問題ありません。
デフレで一番価値があるのは、現金です。他の資産は、株式であれ、国債であれ、どんどん下がります。デフレヘッジは現金なのです。
それを税金として徴収することは、民間に取って最も厳しいものであり、土地資産があるのに価値がなくなってしまって、換金できないため、税金が払えない事がままあります。
物納を大幅に認めても、政府はその分を担保にして、お金を刷れば良いのです。これも資金が市場から無くさないための政策です。政府はお金を市場から奪ってはならないのです。
今の政府は大借金を背負っているため、それを返そうっと必死になっています。しかし政府がその借金返しのために、重税を課して市場から資金を奪ってはならないのです。それがさらなる市場の縮小を招き余計に借金を増やすのです。
今の日本で困っているのは、以前の資産家と言われた人達が、資産価格の低下とともに税金の支払いが滞る
ことです。資産で納められれば、資金が市場に残るため消費が減少しません。
景気が良くなった時、その分を買い戻すことができるようにすれば良いのです。
資産や、貯蓄(現金資産)に税金を掛けようとすることは病人に鞭を打つことです。現金が増えているのは、他に有効な運用先がないからです。
これに税金を掛けても、需要が増える分けではありません。より担保を少なくさせてしまうからです。
6、ローン破綻懸念者に対し国が代わりに金融機関にに立て替えて支払え。
デフレが深刻化する原因の一つは、借金を持った人達が非常に多く存在し、その人たちの消費が著しく減退することです。
又ローンの破綻は著しく生活の困窮を招き、モラルの喪失から、社会不安を招きます。
彼らの消費の向上が、デフレ解消の一つのカギを握っていると言えるでしょう。
最低5年から10年ローンを払った人達で、支払いが困難になった人達のローンを国が代わって支払うような政策を取るべきです。ローン破綻懸念者の資産を国が代わりに払うにつれ所有権を国に移転させれば良いのです。
これはばらまきではありません。明らかにデフレを長引かせ、低所得化させた政府の政策が原因です。
景気がよくなり支払い余力が出てくれば再び国が代わって支払った分を支払ってもらえばよいことです。
財源は住宅ローンへの補助金を削って、こちらに回せばよいのです。
7、最低賃金が生活保護所帯以下の所帯にその差額を給付せよ。
消費力を引き上げるためには、消費者に資金を直接注入する必要があります。
しかしこの時絶対やってはいけないことは、企業自身に賃上げを強要することです。これをやれば企業のさらなる淘汰を招き、デフレを促進します。
そのため国や公共の団体がそれを埋め合わせしなければなりません。
現在政府がやるようなパートの人への年金保険の徴収は、企業と、パートさんから、資金を奪います。その程度で年金問題が解決される分けではありません。
全体の損失を招くでしょう。。
特に低賃金の所帯層や高負担を強いられている所帯層で、給付金がすぐに使う人々に直接資金を給付することは重要なデフレ解消策です。
今までのような紐付きの助成金や、援助、控除ではなく、生産手段や、サービス部門と関係の無いフリーな給付が消費を引き上げデフレを解消します。
しかしこれはあくまでデフレ解消の手段であるため、恒久の制度にしてはなりません。それでは社会主義的な処置になります。
現在の新興国が台頭し、以前の欧米先進国だけが主要な工業国であった頃と違います。
このような社会主義的な行き方は、市場の停滞を招き、競争力の低下が付加価値を生まず、ますます経済を衰退させ、結局貧乏国家となり、社会保障の貧困化を招くことになるからです。
北欧型の高負担、高福祉は間もなく大きな転機を迎えるでしょう。
今までの経済学は、このような生産手段と切り離された給付やばらまきを、社会主義的なものとしてモラルの喪失を招くことから忌避してきました。
しかし経済学にモラルはありません。あるのは経済の仕組みに関する理論だけです。キリギリスがいなくなり、アリが多くなり過ぎては、共食いするのです。それが今の日本です。
無理やりキリギリスを増やし、拡大再生産の軌道に乗せる必要があるのです。デフレ解消の軌道に乗ってから、キリギリスを減らせばよいだけのことです。
乱暴な言い方ですが、これがデフレ解消のやり方なのです。
そのためには、市場に単純に資金を供給する必要があるのです。それが、所得線を上昇させインフレを起こす鍵になります。
所得制限付きの子供手当、農業の個別所得補償、などはデフレにおいてはれっきとした経済政策であり、余計な公共投資や、補助金に比べはるかに経済を拡大させるものです。
公務員給料の削減により余ったものを、最低賃金の引き上げ分や、年金支払額の物価スライド制により減少したものに追加するなども効果的です。
社会主義的な要素が含みますが、それはあくまでもデフレ解消のためであり、デフレが解消した後は、それを廃止できるような制度であるべきです。
8、消費税を下げよ。
これが最も効率のよいデフレ解消策です。欧米は消費税の高い国が多いので、自国の生産能力が高ければ、消費税を大幅に下げれば、現在のデフレは解消できるでしょう。
デフレ下では消費税を引き下げた方が税収が増えます。なぜならデフレ下での所得線は、45度以下の角度になっているため、生産量を増やして所得を得るより、資金を増やした方が所得が多くなるからです。
またデフレ市場は、生活保護所帯や、低所得層が非常に多いため、消費税の引き下げは、即消費の購買力の引き上げになり、拡大再生産の循環が見えてきます。
最重要点:
デフレ解消のためには、首尾一貫した消費市場への資金注入が必要です。一方で、増税し、他方で国民負担を軽減するようなやり方ではだめです。
一方でデフレを促進し、他方でそれを軽減する政策を取ってちぐはぐにやっては効果が上がりません。確実にデフレが解消する方向に舵を切る必要があります。
国民の人気取り政策である、エコカー、エコ家電や、土日の高速無料などはデフレを解消しません。
これは自動車業界や家電業界の育成費や、サービスエリアの補助金になるのであり、全体の消費向上には結び付きません。他の業界がそれにより売上が落ちているのです。
国家公務員の削減だけでなく、地方公共団体が一丸となって、地方公務員の削減や給料カットを行い、それらを、直接消費者の購買力が増える方向へ使えば、大きな力となってデフレは解消されるでしょう。
有料道路の3割負担も、大阪や、名古屋、東京などの主要都市が行えば効果が上がります。生活保護所帯や、母子家庭への給付は、消費力を確実に向上させます。
国ができなければ全都道府県が行えばよいのです。デフレの場合、その投資先は企業ではありません。消費者です。
消費者から企業の売上を通じて資金が回って行くのです。これがデフレの重要な資金循環の流れです。逆の企業から消費者にはデフレにおいて資金は回りません。
そのため、デフレ下における低金利による生産者への補助は、無意味です。悪戯に資産市場へ資金が流出するでしょう。低金利はあくまでも過剰債務企業への補助であるべきです。
デフレ解消のための要点事項
1、デフレでは、増税はしてはなりません。デフレ下ではわずかな資金減少でも大きく経済を縮小させます。消費税であれ、所得税であれ、さらに公共料金などの国民負担も増やしてはいけません。お金を民間から奪ってはいけないのです。
2、市場にお金を増やす算段をすること。減税などの国民負担の軽減や、年金、雇用保険の増額などにより消費者の購買力を引き上げることが、デフレを解消させるための真の方策です。
3、デフレ解消の政策は、市場から流出する資金以上に流入する資金を増やすことにつきます。これが拡大再生産の循環を確立するのです。
上記のデフレ解消の船中八策は、これを成し遂げる方策です。
4、今、最もしてはいけないこと。
*増税をしてそれを借金返しに使うことです、
*増税をしてあるいは借金をしてそれを公共投資や生産量拡大に使うことです。(残念なことですが、デフレ下では、復興のための公共投資もそれに入ります。)
次にだめなのは、
せっかく国民負担分の軽減をしながら、それを借金返しや生産刺激策に使うことです。(リニアの建設、カジノ構想、オリンピックなど)
今までの識者や、専門家は往々にしてこのような間違ったことをしがちであり、今も多くの政治家がこのようなことをしようとしています。しかしこれではデフレ解消しません。
公務員の給料削減や、人員削減、あるいはあらゆる方面の財源のカットしてもその分を借金返しに使うこと。これをやれば徒労です。しかもこれは非常に重要なことですが、あらゆる無駄を削減しても、消費税を増税すれば、すべてが無に帰します。
日本は何を差し置いてもデフレを解消しなければなりません。社会保障の充実も、年金制度も、そして豊かなくらしも、すべてがデフレ解消がなければ実現できないのです。
デフレ解消は簡単です。ここに書いたことを実行すればよいだけです。
一言主
デフレ・インフレの一般理論著者
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou
(デフレ(スパイラル)と消費税)参照
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