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『日本国債「弱含み」への格下げも』
●日本国債「弱含み」への格下げも〜米ムーディーズ〜
日本国債が暴落し、デフォルトまで至るには、いくつかのルートがあります。一つは、格付け機関による大幅な格下げです。これに関しては、野田総理が、残念ながら準備不足のまま税と社会保障の一体改革を提案していますが、ここで示している、消費税10%の案が通らなければ、この格付け引き下げは確実に起こります。その場合には、おそらくほとんどの格付け会社が2段階程度引き下げます。そして、ヘッジファンドが加担して、売りを浴びせてくるので、確実に国債は暴落し、デフォルトに至る可能性があります。
ヘッジファンドというのは、短期的にはその機会を狙っているのです。日本の要因がなくても、今の状況から欧州が落ち着いてきた段階で、ヘッジファンドは日本に売りを仕掛けてくると思います。
そうすると、タイミングは一致します。欧州が落ち着いてきた頃に、ちょうど野田内閣崩壊、あるいは、税と社会保障の一体改革が失敗して、また政権交代や総選挙ということが考えられるのです。すると、暴落が起きても仕方がないのです。小沢氏や鳩山氏、亀井氏も、この問題を非常に軽視し、一体改革は無理だと言っていますが、日本国債を守るという立場からは、絶対に通さなくてはならないのです。
残念ながら準備不十分で、財務省に丸抱えされた野田総理を、本当は許す気にはなりませんが、ここまで来ると、日本人としてやはりこれは通さないともっと恐ろしいことが起こるのです。OECDのレポートもまさにその点をついています。困った問題ですが、選択肢がない状況だと言えるのです。
●日本株式市場 6カ月半ぶりに9500円台
日経平均が9500円を回復したとはやしていますが、つい去年の夏にはそれ以上あったのです。その後9000円を割り込み、8000円辺りまで下落し、暗い話が続きました。しかし、実は震災後でも9500円レベルは保っていて、ようやくそこまで戻したというだけなのです。
円ドルのレートを見ても、戻ったとは言うものの、去年の7月、8月の水準に戻ったに過ぎません。ユーロ円については去年10月の水準です。ということで、感覚では追い込まれて久しいと思っていますが、意外に、去年のはじめはいくらだったかと考えるとそうでもないのです。僅か過去1年の中で、ユーロは120円だった時もあるのです。
このように、人間の記憶は短いようなので、時々、1年分、10年分と長いスパンで見る癖をつけるといいと思います。金融のニュースは、今日はヨーロッパの危機が遠のいたからアメリカが行くところまで行くなどと言いますが、アメリカがそんなに急激に良くなってバラ色かというとそうではないのです。
全体としてそれほど良くなっていないのに、今現在はそういう楽観論者が中心となってトレーディングが行われているだけでなので、それは一夜で暗転するわけです。日本でも同様で、例えば野田総理の進めている税と社会保障の一体改革が上手く行かなかった時には、急激に暗転するということも認識しておく必要があります。
●日本貿易収支 1月は1兆4750億円赤字
日本は長期的には貿易赤字の国になり、アメリカ化すると思っています。日本企業自身が中国などに出て行き、国内の営業網に輸入する、つまり、日本のメーカーが海外で製品を作って輸入業者になるということです。まさにアメリカの通った道ですが、タッチダウンした後は、非常に大変な貿易赤字の国になると思っています。
原発再稼働論者はよく、油や天然ガスの輸入の重荷でこうなっていると言いますが、詳しく見るとそれは原因の一つにすぎません。輸出額、輸入額それぞれの推移を見ると、輸出がこれほど激しく落ち込み、輸入とこれほど乖離したことは少なくとも2008年以降ありません。これは今までになかった傾向で、中国の春節の影響というだけでは説明できないでしょう。
では、原発の停止による、LNGの輸入急増が原因かというと、鉱物性燃料輸入額は確かに震災後に増えてはいますが、グラフからは急増している姿は見て取れません。むしろ、貿易収支は徐々に落ち込んでいて、より本質的、構造的な要因による落ち込みが続いていると言えます。つまり、日本は構造的に貿易赤字に入ってきていて、さらに1兆円ほど燃料費が足を引っ張っているという状況です。さらに、全部の原発が止まった場合には、おそらく年間で4兆円くらい赤字になってくるだろうと思います。
●AIJ投資顧問 企業年金2000億円の大半が消失
これは、犯罪であり、事件だと思います。年金運用会社がこのようなことをやること自体が間違いです。委託していた百数十社が大きくロスを抱えることになるわけですが、こういうことを放置していた金融庁、監査当局が非常に問題です。国内の投資顧問263社への調査が始まったわけですが、こういうおかしな会社も混ざっているので、金融庁はその監査をしっかりしないといけません。
いわゆる有価証券報告書には取引法による監査がありますが、年金会社、投資顧問会社は、同様にやっていないということに、むしろ驚きました。やはりきちんと監査する必要があり、監査していてもやっていた場合はオリンパスの二の舞になるようにすべきです。これは極めて深刻な監査上の問題で、金融庁の手抜きがあったと言えます。
さらに、こうした問題がなかったとしても、年金の総合利回りは0です。常に平均リターンを上回っていると言って営業していたAIJはとんでもない会社ですが、平均利回りでさえもタッチダウンで0という時代ですから、この事件に対する国民的な関心は非常に大きいはずです。そのことを金融庁はもっと深刻にとらえるべきで、制度が甘過ぎたということだと思います。
ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ
資産形成力養成講座 学長
大前 研一
http://www.ohmae.ac.jp/ex/kabu/magmail/index233.html
#格下げされても、思ったほど円安国債安にならず、
#油断して、さらに放漫財政が進んで、
#数年後に、暴落というパターンでは
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