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AIJ問題:企業 年金損失穴埋め困難で連鎖倒産の危機
2012年3月6日 21時47分 更新:3月6日 22時27分
AIJ投資顧問の入るビル=東京都中央区で、山本晋撮影
AIJ投資顧問の企業年金損失問題で、厚生年金基金の運用を委託していた企業が、経営難に陥るのではないかとの不安を強めている。厚年基金は、企業年金のほかに公的年金の厚生年金の一部の積立金を借り、国に代わって運用している。損失が膨らみ、代行部分の返済を迫られて基金が存続できなくなれば、企業年金が受け取れなくなるおそれもある。過去には倒産したケースもあり、与野党は救済策の検討を始めた。【田所柳子】
AIJに年金資産の3割超の約65億円を委託していた長野県建設業厚年基金(長野市、約370社)。加入する長野市の建設会社幹部は「『AIJ連鎖倒産』が起きかねない」と危機感を募らせている。
同厚年基金では10年に事務長が約23億円を横領する事件も発生。「AIJへの委託分がゼロになれば、厚生年金の資金は70億円以上不足する」との見方もある。不足分の返済額は1社平均で約2000万円に上る計算だ。
厚生労働省によると、AIJに委託していた84企業年金のうち中小企業などでつくる厚年基金は74。約2000億円の委託資産の大半は既に消失したため、厚年基金は資金の大部分を返してもらえない公算が大きい。
積立金に損失が生じれば、加入企業が穴埋めするか、掛け金を引き上げたり、給付額を減らしたりする必要がある。企業年金は受け取れなくなる基金の解散もできるが、代行運用している厚生年金の資金の返済が前提だ。
しかし、給付減額は受給者らの3分の2以上の同意が必要で、企業による穴埋めも難しい。同厚年基金の加入企業の幹部は「基金を解散したいが、赤字企業も多い。返済できる体力はない」と話す。
厚年基金が、自前の積立金に加え、厚生年金の一部を代行運用していたのは、資産が大きいだけ利益を得られるとの計算に加え、運用成績が厚生年金の想定利回りを上回れば、その分を企業年金の利益にできたからだ。
しかし、バブル崩壊後の景気悪化で運用実績が想定利回りの5.5%に届かず、その分が損失になっている。
厚労省によると、厚年基金の4割近くが代行部分まで損失が食い込む「代行割れ」に陥り、計6289億円の資金が不足している(昨年3月末)。一方、超低金利時代でも5.5%の高利回りに据え置く厚年基金が約9割に及ぶ。企業は損失分を穴埋めする余裕もなく、解散もできず、損失が膨らみかねない危うい現状にある。
◇「代行割れ」で14社倒産のケースも
「代行割れ」による倒産は現実に起きている。タクシー会社が加入する兵庫県乗用自動車厚年基金が06年1月、運転手の高齢化などによる掛け金不足で行き詰まって解散。厚生年金の資金の不足額71億円の穴埋めを迫られた。民間調査会社の東京商工リサーチによると、加入企業50社のうち14社が今年1月までに倒産した。
不足が生じた場合、加入企業ごとに返済額を割り当てられ、5〜10年の分割返済もできる。ただ、倒産する企業があると、残りの企業がその分を返済しなければならず、「連鎖倒産」を招く。
同厚年基金の解散を巡っては、10年11月の衆院厚生労働委員会で公明党の坂口力・元厚労相が「倒産企業の分も残った会社が負担を求められ、新たに倒れる会社が出かねない」と指摘、国による救済制度創設を求めたが、議論は進んでいない。
民主党は7日、AIJ問題に関する作業チームの初会合を開くが、同党内には救済に前向きな意見も出ている。ただ、厚生年金で損失を穴埋めするような仕組みは、加入者のサラリーマンなどの反発を招きかねない。
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http://mainichi.jp/select/today/news/20120307k0000m020076000c.html?inb=fa
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