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日本株が魅力的な理由―米投資家の視点から
2012年 3月 5日
WSJ http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Stock-Markets/node_402834?mod=WSJFeatures
ダウ平均は2月28日に1万3000ドル台に乗せた。しかし、今年熱狂に包まれているのは日本株だ。
MSCIジャパン・インデックスの2月の上昇率は11%超と、月間ベースで2008年以来の大幅な上げとなった。ダウの上昇率をほぼ9ポイント上回った上、中国、韓国、ブラジルといった好調な市場より高い。上昇が続くと考えられる理由はいくつもある。しかし、大きな理由の1つである円の下落のため、米投資家が上昇局面に完全に乗じることは難しいかもしれない。
これまで日本株を押し上げてきた要因は2つある。まず、世界経済の情勢と欧州のギリシャ債務危機対応能力が上向いたことが、最もリスクの高い複数の資産にとって追い風となった。さらに、日銀が米連邦準備理事会(FRB)、イングランド銀行、欧州中央銀行(ECB)の「量的緩和」強化に加わる形で国債購入規模を拡大する計画を発表。これが日本株の追加的な支援材料となった。
これを受け円の対ドル相場が下落した。円安は大手輸出企業の支援になるため、一般に日本株は上昇する。
■インフレ率押し上げ
さらに重要なのは、日銀が年1%を当面のインフレ率の目途とする方針を示したことだ。ただ、実現は難しいかもしれない。日本のインフレ率が1%ないしそれ以上だったのは、2002年初めのわずか8カ月だ。このことは、国債の買い入れが、まだ終わらない可能性があることを意味する。
JPモルガン・アセット・マネジメントの市場ストラテジスト、レベッカ・パターソン氏は「インフレ率が1%に達するまで増刷を続ければ、円がじゃぶじゃぶになるだろう」と述べ、「円が弱含めば日本株にプラスになりそうだ」と付け加えた。とはいえ、日本株はなお世界で最も割安な部類に入る。株価純資産倍率は現在1.3倍と、09年2月につけた0.9倍よりわずかに高い水準にとどまっている。
これに対し、S&P500種指数は2.2倍と、09年3月の1.5倍より大幅に高い。
上場投資信託(ETF)を提供するiSharesのラス・ケステリッチ氏は「日本株は大幅に上昇したが、スタートが非常に安く、依然として割安感がある」と語る。ただ、米投資家の大半はこの大幅な上場局面に乗り遅れている。これは、同指数のリターンが円相場下落を加味していないためだ。円は2月に6%近く下落。月間ベースで09年以来最大の下げを記録した。
円をドルに替えた投資家が手にしたリターンは5%と、MSCI USインデックスをわずか0.9ポイント上回るだけだ。これは、先進・新興45市場のおおよそ中央に位置する(ドル換算)。
シティグループのロバート・バックランド氏は「日本国内の投資家であれば、為替のことは考えていない。ただ相場が上昇しているだけだ」と語る。一方、「外国人投資家にとっては、見かけほど良くないかもしれない」という。投資家が上昇に懐疑的な一因に円の難しい状況がある。また、1999年や2010年など、過去の上昇局面が最後には崩れたことも理由だ。
もっと最近では、昨年3月の原発事故後の復興が日本株を押し上げるとの予想が相次いだ。しかし、日経平均は震災後の安値をつけた3月15日の後の3カ月は15%上昇したものの、その後5カ月で16%下落している。
このほか、投資家の懸念が再燃し、株から逃れて、円などの安全資産を購入するリスクも存在する。方程式が崩れ、円に対するエクスポージャーを保持していた投資家の受ける痛手が最小限になる一方、円をヘッジしている投資家の受ける痛手が倍増する可能性がある。
どっちつかずの米投資家は、円に対するエクスポージャーを維持している上場投資信託(ETF)含む投信を検討してもいいかもしれないとシティグループのバックランド氏は語る。「上昇した場合、すべてではないが上昇のおこぼれにあずかれる」ためだ。また、「予想が外れて日本株が下がった場合、円が上昇すれば少しは回収できる」という。
■投資の方法
すべてを日本に投入したい投資家にとって完ぺきな解決策はない。将来の上昇をすべて享受するには、円投資に対するヘッジが必要だとソシエテ・ジェネラルのグローバルストラテジスト、アルバート・エドワーズ氏(ロンドン在勤)は言う。しかし、モーニングスターが追跡している日本に特化した円ヘッジつき投信12本の2月のリターンは、いずれもMSCI日本指数を下回っている。
DBX MSCIの日本株ETF(ヘッジ有り)とウィズダムツリーの日本株ETF(同)は、ともに欠点がある。DBXの2月のリターンは15%を超えたが、出来高は1日平均2000株だ(モーニングスター調べ)。これだけ商いが少ないETFは、成り行き注文をすればやけどしかねない。注文は指し値にすべきだ。
ウィズダムツリーは平均20万株以上の売買がある。ただ、連動するウィズダムツリー独自の指数が相場上昇局面でMSCI指数に遅れをとる傾向にある。2月の上昇率は9.8%だった。
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