03. 2012年3月02日 15:31:49
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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ | エコカー補助金の欺瞞 2012/03/02 (金) 13:14 3.11の大災害から1年が経とうとしています。 1年前を思い出します。災害の直後、テレビ番組は一斉に自粛ムードに切り替わり、重苦しい雰囲気が漂っていたのです。 それまでは悪い印象がなかったACの公共広告も大変煩く感じられるようなったのです。 そして、災害の前までは、毎日毎日テレビに登場していたこども店長も、知らないうちに姿を消してしまったのです。 覚えているでしょ? トヨタのこども店長? こどもには興味はない? でも、なおこお母さんには興味があったかもしれませんよね。 いずれにしても、エコカー補助金と減税で自動車業界を後押ししていた日本であったのです。 そして、それから1年近く経ち、今ではこども店長のCMを見ることはありませんが、またぞろエコカー補助金をにんじんにした車の売り込みキャンペーンが始まっているのです。 どう思います? 確かに、車を買おうとしていた家庭にとっては恵みの雨であるのです。だって、黙っていても10万円とか7万円のお得になるからです。 もちろん、潤うのは車を買う家庭だけではありません。当然のことながら車のディーラーやメーカーも、大変な恩恵を受けることになるのです。 しかし、何故大きな声を出して反対する人がいないのでしょうか? それは、車を買わない人も、別に損をする訳ではないから? そこに大きな錯覚があるのです。今回のエコカー補助金の予算規模は3000億円だというのですが、これは、大人の日本人が1人約3千円を負担する計算になるのです。つまり、子どもを除いて日本人は全て3千円を徴収されているのと同じだということなのです。 で、車を買う予定のない人は、3千円が取られっぱなしである一方で、車を買う人は、例えば10万円か7万円を補助されることになるので、ネットで9万7千円か6万7千円のプラスになるという訳なのです。 「でも、そうやって補助金を与えるお蔭で車の売り上げが伸び、その結果経済の下支えになるのだから、いいじゃん!」 そう思って我慢している人も多いと思うのです。例え国民1人当たりが3千円の負担をしても、それで景気回復の下支えになりさえすれば、と。 でも、それは本当なのでしょうか? というのも、補助金が支給される間は、当然のことながら車の売れ行きがよくなるのですが、補助金が切れたら、途端に車の売れ行きが落ちるからなのです。そんなこと、もう何度も経験してきたではありませんか。 何故最近薄型テレビの売れ行きが悪く、価格が大きく低下しているのか? それは、家電エコポイント制度の終了と地デジ放送移行という二つの反動に他ならないのです。 つまり、今回のエコカー補助金も、補助金制度終了後にはその反動に見舞われ、売れ行きが落ちることが確実であるのです。 ということで、補助金制度は車の売れ行きの振幅を大きくはするものの、本当に景気の回復に寄与することになるのかは定かではないのです。仮に、補助金が支給されている間の景気下支え効果を認めることができても、その後の反動をどのように評価するのか、と。つまり、将来は、景気を引っ張ってしまう効果があるのに、そのことを真面目に考えようとしていないのです。 それに、そもそも補助金を出すにしても、何故車だけなのか? そのことへの明確な答えがありません。 プラス、車の補助金を出すにしても、何故エコカー補助金なのか? 本当は車が売れなくて、車に乗る人が少ない方が、環境の改善のためにはプラスになるのではないのか? 本当に環境のことを考えるのであれば、車を保有しない人、車を廃車に出す人にこそ補助金を支給した方がエコではないのか? まあ、そんなことばかり言っていると、この大人の世界では嫌な顔をされるということでしょう。何せ政治の世界には、車関係の政治家が大勢いらっしゃるわけでもあり‥ しかし、総理にはどうしても言いたい。 お金がなく、どうしようもないから消費税を引き上げたいという一方で、エコカー補助金を出すために国民1人に3千円も負担させるのですか、と。 無駄の排除が先ではなかったのですか? 以上 |