http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/293.html
Tweet |
焦点:先進国の流動性供給策、「金融のアナーキー」招く懸念
2012年 02月 29日 16:15 JST
2月28日、日米欧の金融当局による積極的な流動性供給策の結果、市場のいたるところにバブルの兆しが現れ、世界が「金融のアナーキー」状態に陥りかねないとの懸念が広がっている。写真はニューヨーク証券取引所(2012年 ロイター/Brendan McDermid)
大日住薬が米バイオベンチャー買収、がん幹細胞薬を発売
消費増税法案めぐり続く迷走、3月政局化回避の動きも
ユーロ/ドル下落し欧州株上昇、ECB3年物オペ受け=欧州市場
総務省、ソフトバンクへのプラチナバンド割り当てを決定
[ロンドン 28日 ロイター] 日米欧の金融当局による積極的な流動性供給策の結果、市場のいたるところにバブルの兆しが現れ、世界が「金融のアナーキー」状態に陥りかねないとの懸念が広がっている。
2011年にも、潤沢な資金供給が原油価格を押し上げる一方、景気回復の鈍化や新興国市場への投機マネー流入を招いた経緯がある。今回も、当時の市場環境と不気味なほど多くの類似点がある。
米連邦準備理事会(FRB)は2010年終盤に「量的緩和第2弾」に着手し、6000億ドルの債券買い入れプログラムを発表。さらに、2014年まで金利を低水準に維持する方針を表明した。
日銀は2010年10月に55兆円規模の資産買い入れスキームを発表。今年2月にはそれを65兆円に増額した。それに加え、円高を食い止めるため過去最高の8兆円に上る資金を投じた。
英イングランド銀行(BOE)は昨年10月に資産買い入れプログラムを2750億ポンドに増額した後、今年2月にも再び3250億ポンドに拡大した。
そして欧州中央銀行(ECB)は、29日に2回目の3年物長期資金供給オペを実施する予定。1回目同様、5000億ユーロ前後に達する多額の低利資金を銀行に供給すると見込まれている。
こうした動きは、2011年の金融市場を見ているような錯覚にとらわれる。当時と同じように、原油価格は今年になって15%上昇。その結果、株式などリスク資産は今年の高値から若干押し戻されている。
世界的な金融危機が始まって以来どれだけのマネーが創出されたかは、中央銀行のバランスシートを見れば分かる。
JPモルガンによると、G4(FRB、ECB、BOE、日銀)のバランスシートは2007年以降、倍以上に拡大し、国内総生産(GDP)に対する比率は全体で24%に達した。今年は26%に上昇すると予想されている。
ノムラ(ロンドン)のタクティカルアセットアロケーション部門のヘッド、ボブ・ジャヌア氏は、あらゆる資産クラスでバブルが発生していると指摘、「現在のサイクルが崩壊すれば、バランスシートを著しく拡大させた中央銀行が問題を悪化させる恐れがある。彼らは信頼性の高い最後の貸し手として行動できなくなりかねない」と語る。
さらに「実物資産は比較的魅力が大きいが、投資に乗り出すのは現在の『中銀バブル』が崩壊してからだ。最終的には、『金融のアナーキー』が急激なインフレか、あるいはデフレを伴う信用の崩壊をもらたすだろう」と警告している。
<緩和策の副作用>
G4中銀による積極的な金融緩和を受けて市場は一時的に上昇したが、その効果は持続していない。その理由は、原油価格の上昇で支出意欲が損なわれるためだ。しかも、コモディティや食品価格の上昇を受け、新興国は金融引き締めを強化している。
例えば、MSCIオールカントリー・ワールド指数.MIWD00000PUSは2010年10月から2011年4月までに18%上昇したが、その後、9月までに26%下落した。それ以降は、ECBによる3年物長期資金供給オペをきっかけに再び25%近く上昇している。
しかし、市場の関心はユーロ圏債務危機の行方に集まっているため、低利の資金供給がもらたす悪影響は目に見えにくい。
SLJマクロ・パートナーズのマネジングパートナー、ステファン・ジェン氏は「昨年春にはFRBの金融緩和でコモディティ価格が急騰した結果、消費が失速した。現在はギリシャの債務危機が一巡した一方で、原油価格の上昇が世界経済に対する次の脅威となっている」と指摘、投資家はギリシャ危機に目を奪われるあまり、原油価格がもたらす脅威を軽視していると警告する。
ゴールドマン・サックスは、各国中銀による一連の流動性供給策を「競争的金融緩和」と称し、それが新興国市場に再び大きな問題をもたらしかねないと指摘。「生産が潜在力に近い水準にあり、インフレ率が当局が満足できるレンジを上回っている場合、先進国による金融緩和は新興国市場にとって好ましくない。当局者は過度な為替相場の上昇を容認するか、あるいは国内経済の過熱を受け入れざるを得なくなる」としている。
(Natsuko Waki記者;翻訳 長谷部正敬)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE81S04N20120229?sp=true
ECB3年物オペ、800行が5295億ユーロ応札−予想と前回上回る (1)
2月29日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の2回目の3年物資金供給オペの応札額は前回を上回った。記録的な規模の流動性供給は債券と株式相場を押し上げる公算がある。
ECBの29日の発表によると、1092日物オペには域内の800の金融機関から計5295億ユーロ(約57兆2700億円)の応札があった。ECBは全額を供給する。ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査では、エコノミスト28人の中央値で4700億ユーロが見込まれていた。昨年12月の初回の3年物オペでの供給額は4890億ユーロだった。
INGグループのシニアエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は発表前に、「ECBはまた水門を開く。実際これが、今のユーロ圏で銀行と経済を支える唯一の作戦行動だ」と話していた。
初回の3年物資金供給後には債券と株式相場が上昇。銀行がECBからの資金の少なくとも一部を高利回り資産に投資していることが示唆された。
記事に関する記者への問い合わせ先:Gabi Thesing in London at gthesing@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:Matthew Brockett at mbrockett1@bloomberg.net
更新日時: 2012/02/29 20:38 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M05H8S6K50Y901.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。