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コラム:財政再建に向け求められる税制改革=サマーズ氏
2012年 02月 28日 15:23 JST
2月26日、米大統領選の結果がどうなろうとも、期限切れを迎えるブッシュ減税の延長問題、債務上限引き上げ問題、議会の合意で義務付けられている歳出削減という「3点セット」が待ち構えている。写真は2009年米ニューヨークで撮影(2012年 ロイター/Nicholas Roberts)
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ローレンス・H・サマーズ
[ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 26日 ロイター] 米大統領選の結果がどうなろうとも、期限切れを迎えるブッシュ減税の延長問題、債務上限引き上げ問題、議会の合意で義務付けられている歳出削減という「3点セット」が待ち構えている。その結果、選挙後の大統領や議会は財政問題と取り組まざるを得ず、その行方は将来の米国の財政に重大な影響を及ぼすことになろう。
専門家の目からすれば、最大の焦点は給付金制度をどうするかという問題だ。人口構成の高齢化や医療関連コストの増大に伴う給付金支出の増加は、連邦支出を左右する重要な要因となる。
だが、目先の政策変更が支出に及ぼす効果は、多くの人々が考えるほど大きくはない。労働者に対する年金生活者の比率が上昇していることは、何らかの増税なしには現行水準の社会保障給付を維持できないことを意味している。
遅かれ早かれ、増収策あるいは支出削減策に着手せざるを得なくなる。行動は早いに越したことはないが、給付金に手をつけることは避けられない。
連邦政府の医療関連支出を削減する必要性については関係者の見解がおおむね一致しているが、それは考えるほど容易ではない。
確かに、受益者の負担増額や医療制度の改革、予防医学の活用などの措置を講じる余地はある。だが、民間のヘルスケアシステムに手をつけない限り、できることには大きな限界があるが、それは政治的にまず不可能だ。結局のところ、連邦政府のプログラムでカバーされる医療を縮小する以外に方法はないが、それもまた受け入れ難い。
最新テクノロジー、ライフスタイルの変化、民間の医療保険システムの改革などをめぐる先行き不透明感が強いことを考えれば、ヘルスケア制度の改革は今後もしばらく時間がかかりそうだ。
ヘルスケア制度の問題はさておき、財政赤字削減策をめぐる議論において、税制改革の問題はこれまでさほど議論されてこなかった。だが、2013年には大規模な税制改革が課題となりそうだ。その理由はいくつかある。
第1に、米国は税収を増やす必要がある。今年は連邦政府の税収の対国内総生産(GDP)比率が16%弱にとどまり、第2次世界大戦以降の平均値を大幅に下回る見通しだ。
一方、社会の高齢化や医療関連コストの増大が支出を押し上げる上、金利が正常化すれば利払いコストが急騰しかねない。まともな職にありつけない人々も依然として多い。世界では米国の潜在的な敵対陣営の国防支出が急速に増大する一方、同盟諸国の国防支出は減少している。こうした要因は、いずれもGDPに対する将来の連邦支出の比率を押し上げる材料となる。
企業に対する限界税率などを引き上げることは、インセンティブ面での問題や、税制の抜け穴を探そうとする動きが活発化するなどの問題を引き起こすだろう。
増税は政治的に現実味が乏しいため、必要な税収確保に向けたより望ましい戦略は、超党派のシンプソン・ボウルズ委員会が採択した案からスタートすることだ。同委員会は、租税支出は政府支出の一形態であり、支出が正当化されない限り削減すべきだと提唱している。
第2に、特に格差が拡大している時期には、現在の税制はある意味で不公平だ。よく言われるように、米国では富裕層がますます裕福になり、上位1%の高所得者の収入は1世代前の全体の10%台から20%台に上昇。それに対し、中間層の収入は低迷あるいは減少している。
不平等拡大の原因や、不平等の是正を政策課題としてどれだけ重視すべきか、また、過度の累進課税がもたらす可能性がある弊害などについては、大いに議論の余地がある。
しかし、現在の税制が最も恵まれた人々を優遇していることは、大きな副作用を生んでいる。最近の議論では、普通の人々が免税のIRA勘定(個人退職勘定)に拠出できるのは2000ドルに制限されているのに対し、ごくわずかな富裕層は税制の抜け穴を用いて何千万ドルも拠出できるといった問題が指摘されている。
米国企業の稼ぎが最も多かった上位5管轄区域のうちの3区域がアイルランド、バミューダ、ルクセンブルクであるという事実は、企業が節税に励んでいることを如実に示している。2007年のデータでは、米国企業がバミューダで稼いだ利益は、バミューダのGDPの646%に達した。
こうした例は、米政府が税収を米国に取り戻し、税制を公平なものに是正する余地が大きいことを示している。特定の利益集団が経済政策の根本的な部分を左右しているということであり、連邦政府に対する失われた国民の信頼を取り戻すには改革が重要なステップとなる。
第3に、現在の税制は十分な税収をもたらしていない一方で、さまざまな抜け穴を探す余地を与えているばかりか、経済活動に過度の負担をもたらしている。
法人税率が世界で最高水準にあるため、企業は移転価格などを通じて米国で稼ぐ利益を最小限に抑えようとしているほか、エクイティファイナンスよりもデットファイナンスを多用している。
雇用主は従業員が高い税率を課されるのを防ぐため、現金よりも、課税されない手当てで報酬を支払おうとしている。
個人に対する高い限界税率と、低いキャピタルゲイン税率との著しい格差により、個人は通常の所得をキャピタルゲインに見せかけようとしている。
米国では頻繁に税制が変更されてきたが、大規模な改革は久しく行われていない。最後に大規模な改革が行われたのは1986年で、すでに時代遅れとなっている。
あらゆる租税支出を削減し、税率を大幅に引き下げるべきだとするシンプソン・ボウルズ委員会の提案は、米国が行うべき税制改革に関する議論の絶好のスタート点となる。
デリケートな問題は、政治的風景が一変する可能性のある2012年終盤から2013年にかけて、米政府がどうやって大規模な税制改革を遂行するかという問題だ。
税収問題に対する取り組みが進まなければ、財政赤字削減策ばかりでなく、支出面の改革を進めることも困難なため、税制改革のタイミングは重要だ。
大統領選を目指す候補者は、税制改革に関する詳細な案を提示し、有権者の判断を仰ぐべきだと言いたいところだが、それがうまく機能するとは思えない。選挙戦を通じ、税の問題は何度も議論に上るだろうが、候補者はできもしない約束をしがちだからだ。その結果、税制改革はますます困難になる。
代わりの案を示そう。民主、共和両党のリーダーは、成長、公正、赤字削減を目指した税制改革にコミットすることだ。彼らはスタッフにさまざまな選択肢をそろえさせ、あらゆる租税支出や税制優遇措置について検討しなくてはならない。
議会の関連委員会はあらゆる分野の専門家から意見を聴き、選挙を終えた後すぐに交渉を始めなくてはならない。今後4年間に行われる作業が、何より重要だ。
(ローレンス・H・サマーズ氏はハーバード大学教授。元米財務長官)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE81R03420120228?sp=true
1月米耐久財受注は09年1月以来の大幅な減少
2012年 02月 29日 01:04 JST
2月28日、米商務省が発表した1月の耐久財新規受注は、多くの部門で需要が減退したことを反映し、前月比4.0%減となった。写真はワシントン州のボーイングで2011年2月撮影(2012年 ロイター/Anthony Bolante)
[ワシントン 28日 ロイター] 米商務省が28日発表した1月の耐久財新規受注は、多くの部門で需要が減退したことを反映し、前月比4.0%減となった。予想の1.0%減を超えて減少し、2009年1月以来の大幅な減少となった。
耐久財受注は11月に4.2%、12月の3.2%、と堅調な伸びを示していた。
1月の輸送機器を除く受注は3.2%減となり、横ばいになるとの予想を下回った。一般機器は10.4%減となり、2009年1月以来の大幅な減少となった。
民間設備投資の先行指標となる、航空機を除く非国防資本財の受注は4.5%減と、約1年ぶりの大きな減少となった。
輸送機器受注は6.1%減。これに含まれる非国防航空機・部品の受注が19.0%と大きく減少し、全体の足を引っ張った。米航空機大手ボーイング(BA.N: 株価, 企業情報, レポート)のウェブサイトによると、同社の1月の航空機受注は150機と、前月の287機から減少している。ただ、自動車・部品の受注は0.9%増加した。
国内総生産(GDP)統計に反映される、航空機を除く非国防資本財の出荷は3.1%減となり、2009年4月以来の大幅な減少となった。
FTNフィナンシャルの首席エコノミスト、クリストファー・ロウ氏は「第3・四半期のGDPを大きく押し上げた在庫積み増しがピークを過ぎつつある。機器に対する国内需要の減速に加え、海外からの需要も低下している」と指摘。
ただ「2011年に実施されていた資本投資に対する税制優遇措置が今年は打ち切りとなったことも響いた」とし、「前年よりペースは鈍るものの、2012年を通して耐久財受注は伸び続ける」との予想を示した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81R00O20120228
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