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C# シリア・イラン危機や量的緩和の効果もあって、商品投機熱やインフレ圧力が徐々に高まり、それが大衆の生活を圧迫し、消費や投資を減らし、景気を抑制へと導く
FRBの金融政策の転換が早まる可能性もある
米ガソリン価格高騰と大統領選
2012/02/26 (日) 12:59
今年に入って、米国のガソリン価格が高騰している。米EIAのデータによれば、レギュラーガソリンの全国平均価格は、昨年末の1ガロンあたり3.25ドルから8%上昇し、3.52ドルに達している。ガソリン価格は、通常年央に向かって騰勢を強める傾向があるが、この時期に3.50ドルを上回ったのは初めて。このままのペースが続くと、4月にも4ドルに達しそうな勢いだ。4ドルを越えれば、原油価格が140ドルとなった2008年7月に4.11ドルの最高値を記録して以来の事となる。
ガソリン価格の高騰は、回復の兆しを見せ始めた実体経済にも打撃を与えかねない。4ドルを越えると、経済成長を阻害し始めるというのが通説だ。今回の上昇の不思議さは、米国のガソリン需要自体は減少し、1997年以来最低の水準に落ち込んだ状態で起こっている点にある。需給が原因でなければ犯人と疑われるのは、ヘッジファンドなど投機資金のガソリン先物市場への年初来の大量流入だ。直近1ヶ月程は、記録的なネットのロングポジションが形成されている。
全国平均は上昇傾向しているものの、地域によって価格差が広がっているのも今回の特徴。カナダやWTI価格にリンクした原油で精製している地域のガソリン価格上昇幅は抑えられているのに対し、東部や西海岸など、中東情勢の影響を受けやすいブレントにリンクした原油を使用している地域は価格が高騰している。今後はイラン情勢の推移が、最大の波乱要因。イランからの輸出の完全停止や石油関連施設への軍事攻撃など最悪の事態が起これば5ドルまで上昇するとの見方もある。
危機は避けられても、このままじりじりと価格が上昇するようだと、個人消費の足を引っ張る可能性が高い。景気回復へ黄信号点灯に繋がれば、共和党にオバマ政権攻撃の格好の材料を与えそうだ。既に予備選でも、オバマ大統領の急進的な環境政策が価格高騰の原因だと批判を強めている。ガソリン価格の変動は、有権者が日々実感するものだけに、秋の選挙では争点となりそうだ。
大統領側は、ガソリン価格を政府は制御できないと反発している。しかし、ドル安や金融の超緩和策が、商品価格の上昇に影響を与えている事は間違いなさそうなので、株価の上昇は功績にして、ガソリン価格には責任なしとの理屈は通りそうもない。夏休みのドライブシーズンには価格が例年上昇するので、再選に向けて放置はできないと考えたのか、給与税減税を今年末まで延長する家計支援に踏み切った。
アラブの春に続きイラン情勢が緊迫化するなど、循環的に訪れる価格高騰対策の切り札は、国内消費に占める米国産原油の比率を高める事にある。オバマ政権下で米国の石油生産量は増加しているが、ブッシュ政権時代に開発に着手した油田の貢献で、オバマ大統領はメキシコ原油流出事故もあり、環境への配慮から国内の石油開発にむしろ後ろ向きになっていたのは確かだ。カナダのオイルサンドをメキシコ湾岸の精製施設に輸送するパイプライン建設承認の遅れも共和党から攻撃されている。
環境対策が厳しすぎるとの批判はあるが、燃料効率の上昇奨励により消費量が減少したのも事実で、選挙対策で環境への取り組みを中途半端にするのも問題だ。自らを苦しめかねないガソリン価格高騰が、量的緩和によるダブつく資金が原因であれば皮肉な話だが、欧州債務危機に代わってガソリン価格が、今後の米国経済の懸念材料として浮かび上がってきた。(了)
http://www.gci-klug.jp/tomita/2012/02/26/015099.php
景況感を表す二つの米指標に注目 〜消費者信頼感指数とISM製造業
2012/02/26 (日) 08:00
今週、欧州関連の注目に関しては、
23日のエントリーを確認していただくとして、
今回は、景況感を示す米国の二つの指標に注目です。
米国景気は、雇用統計の数字が好調なこともあって
回復への期待感が本格化。
ドル円が80円台を回復する要因の一つとなっています。
こうした中で、今週は景況感を表す二つの注目指標が発表されます。
一つ目は28日(日本時間29日午前0時)に発表される
コンファレンスボード消費者信頼感指数(2月)です。
前回1月の消費者信頼感指数は事前予想が68.0と
12月の64.8から上昇というものであったのに対して
61.1と予想外の低下を見せました。
特に雇用部門の落ち込みが目立ち、
雇用統計は改善しつつあるものの
一般個人レベルではその改善状況を実感し切れていない現状が浮き彫りになりました。
今回は、63.0と12月に比べるとまだ弱いものの
1月よりは強めの数字が出てきており
個人の景況感回復と、それを受けての個人消費回復の動きに期待したいところ。
予想通り、もしくはそれ以上の数字が出てくると
ドル買い及びリスク懸念後退での円売りに期待したいところです。
もう一つの注目指標は
1日(二日午前0時)に発表される
ISM製造業景気指数(2月)です。
前回のISM製造業(1月)は
予想の54.5こそわずかに下回ったものの
12月の53.1からは上昇を見せる54.1という結果に。
景気の善し悪しの判断基準となる50.0を上回る3ヶ月連続の改善で
好結果を意識させるものとなりました。
内訳を見ても、
新規受注が10年4月以来の高水準、
輸出受注も3ヶ月連続となる上昇を記録しており
全般的な米景気回復への安心感につながっているものと見られます。
今回の予想は54.6と、さらに改善傾向が続くという見方になっています。
米小売売上がややさえないなど
強弱が混在する指標結果の中で
注目度の高いISM製造業の結果が強めに出ると、
市場の安心感が強まって、ドル買い円売りの動きに拍車がかかる可能性がありますから
要チェックです。
なお、3月は雇用統計の発表が9日と
月初からやや間が空くこともあり
ISMなどの関連指標は、実際の発表前に出そろう形となります。
翌週に発表されるISM非製造業やADP雇用者数と合わせ
9日の雇用統計への影響も含めてみておきたいところです。
http://www.gci-klug.jp/yamaoka/2012/02/26/015082.php
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