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トヨタ格下げ マツダ赤字転落「さようなら」ニッポンの自動車
http://gendai.net/articles/view/syakai/135281
2012年2月22日 掲載 日刊ゲンダイ
大手7社の利益は半減以下
さよなら自動車――。市場関係者から、そんなささやきが聞こえてくる。株式市場では円安を好感してトヨタ自動車や日産、ホンダなどの株価は上昇傾向にある。しかし、こんなもんは上っ面の一時現象なのである。
「12年3月期に赤字転落するマツダが、最大で1700億円の資金調達に踏み切ります。台所事情は予想以上に苦しいのでしょう。トヨタは15日に国内の格付け会社R&Iから格下げされ、最上級トリプルA格を失った。自動車メーカーの先行きは暗澹(あんたん)たるものです」(市場関係者)
経済評論家の杉村富生氏も言う。
「自動車大手7社の最盛期の営業利益は合計で約4兆5000億円ありました。ところが12年3月期は1兆円程度に低迷です。翌13年3月期は大震災やタイ洪水の影響が消え約2兆円を確保する見通しですが、トヨタは過去最高の世界販売台数を見込んでいます。過去最高なのに利益は最盛期の半分。自動車産業は利益の出にくい体質になってしまった。“さよなら自動車”が現実になりそうです」
日本の経済成長を支えてきた家電業界はソニーやパナソニックが巨額赤字に転落。さよならニッポンの家電と揶揄(やゆ)されている。自動車産業も同じ運命をたどることになりそうだ。
「販売台数の増加はインドや中国など新興国の需要増です。でも売れるのは儲からない小型車ばかり。利益率の高いクルマは売れません。主戦場の北米では家電と同じく韓国メーカーの台頭が凄まじい。日本車のシェアを大きく奪っています」(経済ジャーナリストの井上学氏)
成長市場の中国では米GMや独フォルクスワーゲンが売れ筋。日本メーカーは完全に出遅れた。若干の円安効果で自動車各社の業績は、しばらくは上向くだろうが、ビジネスモデルは崩壊寸前。家電に続き、自動車もこうだと、“さよならニッポン”である。
【大手7社の営業利益】
◇社名/08年3月期/12年3月期(予想)/13年3月期(予想)
◆トヨタ自動車/2兆2703億円/2700億円/8000億円
◆ホンダ/9531億円/2000億円/5500億円
◆日産自動車/7908億円/5100億円/5800億円
◆スズキ/1494億円/1100億円/1300億円
◆マツダ/1621億円/▲400億円/400億円
◆三菱自動車/1085億円/500億円/800億円
◆富士重工業/456億円/380億円/470億円
◇7社合計/4兆4798億円/1兆1380億円/2兆2270億円
12年3月期は会社予想、13年3月期は「四季報」予想ベース
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