01. 2012年2月25日 17:58:19
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格付け機関が09年に「日本版マドフ」と警告 AIJ運用資産消失問題 2012年 2月 25日 14:08 JST 【東京】運用していた企業年金資産の大半を消失させた投資顧問会社、AIJ投資顧問について、 格付け会社の格付投資情報センター(R&I)が2009年に発行したニュースレターの中で米国の巨額金融詐欺事件になぞらえて、日本のマドフ事件になりかねないと警告していたことがわかった。 日本の金融当局は24日、AIJが運用する年金資産1830億円の大半が消失しているとして、同社に業務停止命令を出した。 画像を拡大する イメージ Bloomberg R&Iは2009年の顧客向けニュースレターの中で、市場が落ち込んでいるにもかかわらず、AIJの運用利回りは不自然に安定していると警告した。ニュースレター「年金情報」編集長の永森秀和氏は、ニュースレターでは名指しこそしなかったものの、ほとんどの年金専門家にとってはAIJだとわかるような書き方だったと述べた。 R&Iがニュースレターで警告する1年前に、R&Iが実施した年金基金の顧客満足度調査ではAIJが1位となった。投資業界に詳しい複数の銀行関係者によると、AIJが常に高収益を上げていることは大手の資産運用会社の間で知られていたという。 「年金情報」の永森氏はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、R&IがAIJについて懸念を抱いたのは、同社の運用利回りが市況がどのような状況でも10年にわたって平均リターンを上回っていると年金基金の顧客から聞いてからだったと述べた。永森氏は日本の金融当局者ともこの懸念について議論したと述べた。 永森氏によると、複数の年金基金の顧客がR&Iに示した報告書では、AIJは運用する3つのファンドが2009年から2011にかけておよそ5%から10%の年間利回りを達成したと主張していたという。永森氏は、日本の投資運用会社のうち3年連続でプラスの収益を上げていたところはほとんどなかったと述べた。 投資運用業界内部ではAIJについて疑問の声が上がっており、怪しいところがあるとの見方が出ていたことから、警告を発する必要があると感じたと永森氏は話している。 あまり知られていなかった投資顧問会社で今回、多額の運用資産消失問題が起きたことは、日本の金融監督状況の実態を浮き彫りにしている。 金融庁は24日、AIJ投資顧問の年金運用資産1830億円の「大半」が消失した件について調査中であるとした。消失したと思われる正確な金額やAIJの顧客数、さらに不正行為の疑いがあるのかなどは発表されておらず、詳細は明らかにされていない。 しかし、AIJが不正行為をしていたとすれば、少なくとも日本の監督機関がそれを察知していた可能性はかなり低いと言える。 金融庁によれば、AIJのような資産運用会社は1年に1回、規制当局に業務報告を提出することが義務付けられている。規制当局が問題の可能性があると判断した場合は聞き取り調査を行うことができる。一方、自発的に自社の業務を監査する資産運用会社もある(AIJではない)。 疑わしい業務活動を行っている企業があったとしても、証券取引等監視委員会の年次監査に引っかかる企業はかなり運が悪いと言わねばなるまい。2011年3月期の1年間で監査を受けた投資運用会社は15社だ。つまり、国内投資運用会社合計299社のうち、監査を受けたのは20社に1社という計算になる。 金融庁はAIJと同様の資産運用業務を行う投資顧問会社263社を一斉調査することを発表した。 日本経済新聞によると、AIJは長年にわたって、累積利回りの実績は240%などと顧客に虚偽の情報を提供してきた疑いがある。 今回の件は日本の金融業界を監督する規制当局にとってかなり憂鬱な話だ。AIJの年金資金消失が発覚するほんの数カ月前には、オリンパスが13年間にわたって約1200億円以上の損失を隠してきたことを認めたばかりだ。 記者: Kana Inagaki and Atsuko Fukase and Phred Dvorak AIJ「租税回避地」通じ資金運用=活動実態隠した可能性―金融庁、登録取り消しへ
2012年 2月 25日 14:12 JST 投資顧問会社、AIJ投資顧問(東京)が企業年金の資産2000億円余りの大半を消失した問題で、同社が租税回避地の英領ケイマン諸島を通じて資金を運用していたことが25日、分かった。租税回避地は金融監督当局も監視が難しい。証券取引等監視委員会は、AIJが自社の活動実態を把握しにくくしていた可能性もあるとみて調べている。 金融庁は証券監視委の検査結果を待ち、AIJの資金運用業者としての登録を取り消す方針。 租税回避地は情報開示に積極的ではなく、不透明な金融取引の温床になりやすいとされている。 [時事通信社] AIJ投資顧問とは一体何者か
24日に明らかになった年金資金1830億円の大半が消失したとされる事件で、その渦中にある企業についてはまったく知られていないといってよいかもしれない。
Bloomberg News だが、日本の資産運用業界関係者によれば、全くの無名だったわけではなさそうだ。ダウ・ジョーンズ・ファクティバのデータベースをざっと検索してみると、AIJは少なくとも過去に1度、英語記事の見出しを飾っている。その当時はもっと肯定的な内容だったが。 2008 年11月の日本経済新聞の記事によると、AIJは格付投資情報センター(R&I)がまとめた年次アンケート調査の結果、年金資金運用業界でトップの評価を受けている。同記事によるとR&Iの調査は資産運用企業を「運用能力とその他の要因」に基づいて各企業が評価するもので、大手の資産運用会社が首位の座を占めなかったのは調査開始以来14年間で初めてだったという。 その記事によれば、AIJがアンケート調査で首位となったのは、「乱気流となった2007年度も運用実績が安定していた」ことが理由だったとして、オプションやその他のデリバティブ商品を主体とした同社の運用手法について言及している。 AIJとAIJに年金を委託していた企業にとって不運なことに、2012年は2007年とは比べ物にならないほどの「乱気流」となりそうだ。 記者:Kenneth Maxwell 英語原文はこちら≫
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