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[その1]で止まっている「「追加金融緩和策」の目的と「消費税増税」の意図そして「国債発行増加」は誰のため?」の[その2]の「「消費税増税」の意図」をまとめるために、今一度消費税制のあれこれを調べていて出くわしたブログの記事です。
考えにすべて同意するわけではないが、そういう考え方をできるひとが、とりわけ官僚・政治家・経営者・学者・ジャーナリストのあいだで一人でも多く増えて欲しいと思っています。
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大山俊輔のブログ
消費税減税と法人税増税?TPP反対?−そもそも国富って何なんだろうと思ったキッカケ
投稿日: 2011/06/30 作成者: admin
経団連の会長や巷にあふれるビジネスマンの方々、そして、何よりも日経新聞の主張を聴いていると、自分達のように内需産業のビジネスをしている経営者とは主張がかなり違うなと思う体験があったので、今回はその点をまとめてみた。
まず、誤解無いようにしたいのは、私自身もかつては今回非難の対象としてしまった側のビジネスマンでありよく一世を風靡してブームになった海外MBA留学組でもあった。そして、社会人としてかなりの期間−それも2000年代初頭〜中盤を−外資系投資銀行やファンド業界で仕事をしていた人間なので、どちらかというと上記の人達とかなり近い考え方だったが、自分自身が事業に携わるようになって完全に考え方が転向してしまったこと、をまずお伝えしておきたい(あとは、留学組ではあれど、もともと国益重視派でかつ、現実主義者でもあったが)。
また、このブログは、誰かに読んでもらうことは期待せず、自分が思ったことをまとめる備忘録帳と思っているので思ったことを率直に書かせていただいている。
だから更新頻度も、自分の考えがまとまったときに勢いで書いてその後は1ヵ月、2ヵ月放置してしまう(その間に思ったことはツイッターでつぶやいている)。また、本来、私はビジネス側の人間がとやかくマクロ経済に偉そうに口をはさむべきではないと思うようにしているが、今回の私の主張というか考えは日本人がもう一回「国富ってなんだろう?」そして、その「国富」を増やして日本人が豊かになるためにはどうしたらいいんだろう?と考えてもらえるキッカケを、国富(ここでは単純化しGDPと同義として書くが厳密にはストックとしての国富とフローとしてのGDPは別)の最大の担い手である内需産業に属する一事業主の発言として、偶然でも読んでくださる方に伝えることが出来たらと思っている。
まず、今回のタイトルの消費税。
よく、巷の新聞やちょっと名前の知れたビジネスマンや評論家の方々の多くが
消費税増税を議論するべきだ
日本の法人税は高すぎるから海外からの投資が来ないんだ=法人税減税の主張
所得税は減税するべきだ
日本は貿易立国だからTPPに参加したほうがいい=参加しないと世界の孤児になるという主張
といった話をしているのを耳にする。
最近では、2000年代初頭を席巻した小泉内閣下の竹中平蔵氏の経済政策に反対していたはずの民主党代表である菅直人総理大臣まで平成の開国(壊国の間違い!?)といってTPP導入を言い出したり消費税増税を言い出したりとその主義主張はブレにブレまくってる。
私自身の頭の中でも、実は、最近まで消費税に関してはこころのどこかで「いつか増税しないと日本は破綻する。だったら痛みに耐えてでも増税は仕方ないのでは・・・」なんて世のビジネスマンが思っていることと同じようなことを考えていたのも事実だ。日本人て基本真面目だから、マスコミがそう言うと信じちゃうわけですね。
また、一応日本の産業界を代表する(私はこれっぽっちも思わないけど)経団連の米倉会長の主張を見ていると、同様に消費税増税、法人税減税と所得税減税、最後にTPP加入、という主張をしている。
私はどうも生理的に米倉氏の顔が嫌いらしく(笑)、彼が尖閣諸島沖の日中の対立の時にも「中国と事を荒立てないほうがいい」としつこく発言していたし、新幹線の技術移転を含む話の際にJR東海の葛西会長が猛反対していることに対して、「経済のためだ。賛成しろ!」とかっこつけてテレビにしゃしゃり出ているのを見たときに、「このおっさん、なんか胡散臭いな。自分達のことしか考えてないやろ・・・」と私の中小企業経営者としての直感が思うようにさせていた。
ということもあり、きっと、今彼らの経済政策面での主張も、日本経済(マクロ経済)の事など考えるほど天下国家のことを考えているのではなく、実は非常に狭い業界や視野で主張しているのではないのか?もしくは、何も考えてないだけかも?そんな風に思っていた。
そこで、今回の消費税での私自身の実体験。
当社は、4月決算なので6月末までに法人確定申告を行って、法人税、消費税、事業税等の納付を行う。
震災などがあり、3月は厳しかったもののその後何とか立て直しが奏功し、無事通期で黒字決算ではあったが、自分達は中小企業。利益なんてそんなに出ない。
ところが、税理士から消費税と事業税の納付書を見てギョっとした。
なんと、会社が計上している経常利益(ほぼほぼ、税引き前の利益に相当)と同額がこれらの税金で納付することになってしまうことが判明したからだ。
幸い、法人税は当社が創業来赤字だった時期の繰越損失が残っていたので納付は必要なかったが、これに法人税が乗っかってきたら、利益よりも多くの額を税金納付で吸い取られてしまうということだ。
法人税がなくても、単純に前期の当社の実効税率は、90%以上。
その前の期はいろいろと過去のしがらみなどの整理から赤字決算だったが、今思うと、それでも消費税と事業税の納付はあったので、前期も実効税率は100%以上だ。ちなみに、前期は会社にこの負担をかけられる余裕はなく、自分が個人的に税金の支払いを建て替えした。
私は、こう言うことがあると頭に来てしまうところと、オタクな部分があるからどのような仕組みになっているのかを徹底的に調べてしまう癖がある。そして、調べれば調べるほど今の経団連が主張したり、所謂、エリートビジネスマンが信じ込んでいる主張(ほぼほぼ、日経新聞の主張と同じ)には、日本国全体の国富を増やすというごくごく国家が目指すべき経済政策の方向性に対して、大きな誤謬が内包されているのでは。。。と思うに至った。
先ほど書いたように、このブログはビジネスマンとしての自分についてというよりは、ごくごく普通に国内で事業をやっている自分が素朴に感じたことをまとめることを心がけている。
とはいえ、私自身もビジネスマンといえばビジネスマンだ。(厳密には事業家であり、世のブームとなった定義としてのビジネスマンとは自分は切り離して考えている)。
通常は、私自身国の経済政策に関してこうあるべき!なんてことは主張する立場にあるとは思わない。だって、マクロ経済の政策の担い手である国家が、民間企業の主張を聞いたからと言って国富が増えるとも思わない。ヘタをするとマイナスになってしまうことだってある。
そりゃ当然だ。
企業の利益が最大化したからと言ってGDPは増えない。
これをすっかり日本人は忘れてしまってると思う。
自分は幸い、マクロ経済学を大学で専攻していたからこの仕組がどこか頭に残っているが、国の富、所謂国富というのはある一時点で見た国のストック(財産)目録で会社で言うとバランスシートにあたり、フローの部分がGDPだ。
そして、そのGDPを構成する式はマクロ経済学を取った人なら真っ先に学ぶ、
Y(GDP)=C+G+I+(EX−IN)
の式に当てはまる。
細かい内容を書くブログではないし、私も経済学部を離れたから13年以上経つので自分の理解の範囲で本質的かつ単純化してしまうが、GDPは民間需要(C)+政府支出(G)+投資(I)+貿易収支(輸出−輸入)という式が構成要因だったはず。
さらに気になったので調べてみたら現在500兆円前後のGDP(名目)はこの15年殆ど伸びていない。むしろ、97年から見ていくと名目ベースは確実かつジワジワと減少している。みんなアメリカは不景気だとかヨーロッパも大変だ、なんて言ってるが普通にアメリカやイギリスは2倍まではいかないがそれなりに増えていて一人当たりGDPでは日本を抜いている。
バブル直後でもその後の公共投資などが(当時は非難されていたが)功を奏して名目で3%前後成長してことを覚えている日本人は少ないのではないだろうか。これが根本的にマイナス成長にしたのが、96年からの橋本内閣下の構造改革と、2001年の小泉内閣下の構造改革(間の小渕内閣時は財政出動による景気拡大により実は先進国でもかなり日本の名目GDP成長率は高かった)。
日本は結局バブル崩壊後、
・ 阪神大震災後の財政出動で景気が一定の回復
・ 橋元構造内閣で大恐慌
・ 小渕内閣下の拡大財政で再度回復
・ 小泉内閣下の緊縮財政で再度デフレに
・ その後、リーマン・ショック後の麻生内閣の景気対策で回復
・ 現在は、菅内閣で再度縮小均衡路線
と、アクセルとブレーキをずっと入れ替えてしまったことと、財政拡大を行うのは緊縮財政でこれ以上の経済縮小は日本を奈落の底に落としてしまうという中、苦渋の選択下行われてしまった。本来なら、適度なアクセルを公的部門が持ちながら、民間投資の呼び水を投資減税などで行っていたら、日本のGDPは800兆円くらいはあったのでは、という試算もあるくらいだ。
ただ、この期間−特に2001年〜2006年くらいは私も一番外資系投資銀行で働くサラリーマンとして日経新聞を読んでいた時期だが、当時の記事は、いざなぎ、いざなみ景気以来の景気拡大、なんて当時は書かれていた。私もこれは変だな・・・と直感的には思っていたが、調べてみると、これは大いなる虚構で、当時は実質GDP成長率で議論してたわけだ。実質というと聞こえはいいが、デフレ下の経済を実質で議論することは全く意味はない。というのも、名目GDPはマイナス成長であるものの、GDPデフレーターも同じくデフレなのでマイナスであったことから結果、実質GDPプラス、なんて、子どもでもおかしいなと思うようなことを一応天下の大新聞である日経が書いていたわけだ。また、学者の多くもそれでいいなんて言っていたわけだ。
ある意味、この期間の最大の戦犯はビジネスブームに乗って出てきた評論家やマスコミ、そして、当時の私のような人間も含むのかもしれないが、国家というものを経済の一主体にしか過ぎず、家計、企業や地方自治体といった経済主体とは全く違うことを理解していない人間達が青臭い理想論やビジネス理論を国家運営に当てはめてきた結果なのではとすら思ってしまう。
特にみんな忘れているのは国家と他の経済主体の一番の違いは通貨発行権があること。そして、日本の場合は国債の引き受け手の95%以上が日本国内であること。何よりも世界最大の債権国であることである。また、一般会計と特別会計を切り分けて国債発行残高だけで議論とかするから、実際の日本の資産と債務がどうなっているのかが、分からなくなって変な危機感だけ植えつけられていることだろう。
会社でいったら、本部と現場の貸借対照表を別管理していて、借入だけ見て議論は本部だけでやっているようなものだ。当然、会社であれば流動資産、固定資産と負債の部を見て、その会社の純資産(資本の部)がプラスかマイナスかを見るわけだ。こうやってみたら、日本は堂々たるプラスである。だからこそ、日本が第二のギリシャと国際会議で発言した菅首相は現状認識せず、ノリで言ってしまったのだろうが全くの誤認であり逆に国民や海外に不安を与えた点では責任が重いし、海外でも日本の実体を分かっている経済学者はきっと失笑したことだろう。
日本より財政状況が厳しく債権国どころか純債務国であるアメリカですら、リーマンショック後はグリーン・ニューディールと言って結局は、かつてのニューディールと同じことをやっているのが実情じゃないのかな。
また、財政赤字について。
赤字、というと聞こえは悪いが国の財政が赤字であるということは他の経済主体である企業、もしくは、個人はプラスであったはず。何故なら国の借金が増えた分は、日本が海外からほぼ借金をしていないことからも、家計か企業へ所得移転か支払いがなされているわけだから、どちらかの主体がプラスであるはずだ。ところが、個人所得は増えるどころか減ってしまったわけで中小企業も8割以上が赤字であった。
結局は、この間、国富は毎年ジワジワと減少したわけでその中で富を増やせたのは大企業だけだったということになる。
ところが、大企業の大部分は上場企業なわけで現在だと海外株主比率も5割近いような会社が多いため、結局毎年、ここでたまった富(内部留保)は株主配当として海外に流出するか一部上場会社経営者の場合は役員報酬として得ることになり、社員給料はそこまで増えなかった。
この15年の構図の中で得を出来たのは大企業の株主と一部上場企業経営者だけではなかろうか。大多数の個人、そして、中小企業はほとんど売上も所得も増えない中、低成長の日本経済の中何とかやりくりしてきたと言うことが言えるだろう。
しかも、GDPを分解したらその多くが、一般個人の消費(所謂個人消費)と投資(国と民間)がGDPの実に9割近くを占めている。貿易など輸出の占める割合は実に2割ないのが日本の実情である。
よく言う日本は貿易立国、というが、この貿易の占める比率の低さは先進国では日本とアメリカが双璧だ。昔から言われてきた、
日本は島国で資源がない
だから、モノづくりをして海外に売るしか生きていく道はない
というのは、日本が小国だと言っていた(実は意外と面積は広いし、領海面積まで入れたらかなり大きな国になる)昔も含め、日本人の印象をそのようにまとめたということでは別に構わないが、実体としては、日本の経済を元気にするためには輸出産業をこれ以上優遇させるよりは、日本の内需を増やしてGDPを増やすしかないのではと思うのが自分の考えだ。韓国やドイツといった輸出産業がGDPに占める割合が高い国なら、TPPも含めて妥協を求められるだろうが日本の場合には関税障壁は世界的に見ても既に低いわけだし、これまたノリで参加するメリットは全くないと思う。
そして、個人消費を増やそうにも今の状況では所得も増えないわけだし、公的部門が投資を行うことで、民間投資への呼び水となり、乗数効果を生み出しそれが、中小企業の業績を後押しし、個人所得に連鎖していくことを期待するのが一番経済学の王道、と思うのは内需型産業の経営者をしている元経済学部学生としてはしごくまっとうに思うわけである。
逆に、消費税を上げてしまうとただでさえ縮小している消費が更に減少する。また、中小企業のほとんどが赤字だから、法人税には影響はないが消費税負担が増える(細かく書けないが人を雇って商売をする限り消費税課税仕入れとならない人件費分は企業は必ず損となる。ここが消費税のからくりだと思う)。そして、ここにさらに大きなからくりがあるわけだが、大企業の中でも輸出産業は消費税は還付として国家から返ってくるいわば、「輸出戻し税」という税金ではなく助成金優遇制度があること知っている人は少ない。
トヨタ自動車が1兆円の利益を出したとき実は2000億円近くはこの助成金だったことは意外と知られていない。
もし、これが消費税10%になったときどうなるのだろう?
それこそ、内需産業(主に中小企業と個人)から更に富を吸い上げた上に、その富は一部の産業に補助金として還付される。そして、その富の幾分かは配当として国外に流出してしまううえに、法人税まで下げてしまえば更に税収は下がってしまう。これが96年の橋龍改革の時の失敗経験だ。わざわざ、もう一回同じ過失をする必要はないだろう。
法人税が高いと外資系企業が日本に入ってこないという主張があるが、これはまやかしだと思う。税金というのは法人税だけではなく、消費税、法人住民税や事業税、固定資産税など様々である。実は消費税などの還付が戻ってくる輸出産業の実効税率は20%前後で、世界で最も安いとも言われている。その一方、中小企業などだと100%を越えてしまったりもしているわけだ。
大事なのは法人税減税ではなく、適切な実効税率をどのように設定するかだろう。残念ながら、メディアはこの点、正論を伝えるのではなくスポンサー側のコマーシャルを流すように本質をすり替えたプロパガンダを伝えていると思う。
しかし、これでは、日本経済が成長できるはずもない。結果的に税収は更に減るだろう。
個人的に、政治家にお願いしたいのはデフレ退治だけだ。あとは、国益を考えて日本人のためになる政策をすれば、必ず日本は再度離陸する。
あとは、ブレーキとアクセルを踏み変えたりと変なことをしなければ、経済が回復していく中で日本人ももう一回自信を取り戻すだろう。中国や隣国と仲良くすることは大事だが経済面で自立していれば、媚びへつらうこともなくなるし、適度な距離感をおいたお隣さんとして付き合える。そして、何か不条理なことをしてきたらやり返すだけの国防力だって自国で維持することが出来る。
少子化問題だったり、国際競争力の低下、高い自殺率、グローバル化、そして、教育問題など色々と日本には課題があるという声があるが、私は、まず、一番の問題の本質であるデフレを退治する経済対策を打つことがこうした周辺の問題を解決する呼び水になると信じてならない。
例えば、私は一時期保育園を運営する会社に働いてきたことがあるが、もちろん、社会資本として例えば保育園を作ることも重要だが、少子化という本質の解決をするのは、やはり、経済が回復することと、家族や地域社会の枠組みを日本が取り戻さないことには難しいだろう。
唯一経団連に感謝することがあるとすれば、Ex-Imの式のみを重視する彼らの期待することと全く反対の政策を打てば、先程の式で言うところの
C+G+I
の部分が増えて結果、YであるGDPが理論上は増えるという構図が明らかになったことくらいだろうか(笑)。
つまり、はじめに書いた経団連の主張を書き直すと、
消費税は減税・若しくは現状維持
法人税は上げるか現状維持(あげなかったとしても、フェアに全ての業種から正しく税金を正しく税金を取れるような実効税率案を作る)
所得税は累進性があるから増税してもいいと思う
TPPは日本全体で見たらメリットないから入らない
そして、実は、ここまで書くと大企業アンチと誤解されるかもしれないから、大企業の為に付記するとしたら一番、大企業にとってありがたいのは円安政策だろう。こんなTPPとか法人税減税を主張し、こっそり消費税を補助金として使うなんてせせこましいことをやるよりも、よっぽど国際競争力強化に繋がる。Samsungがいいというけどかなりの部分はウォン安に助けられている。アメリカや中国もみんな自国通貨安でやってる。日本だけが耳障りのよい言葉でTPPとか議論している最中に、世界は皆、したたかに戦っている。アメリカでは公共投資をする際は、Buy American条項で内需でまかなう法律まである。
これが政治の仕事じゃないのかな。そういう意味では、アメリカも中国も韓国も、そしてEUも皆、したたかだ。日本だけが冷戦後、世界はグローバル化し平和になると信じてお子ちゃま議論をしてると思う。今の経済の現実は、第一次大戦と第二次世界大戦の戦間期と同じくらい、それぞれの国が自分達の利害を考えた行動をとっているわけで、その中、日本だけがラブアンドピースで呑気にやってるのかな。
また、上記の対策がなされて国内消費が増えれば、結果としてEx-Imの部分の担い手と思っていた、経団連系の企業だって増大するC(国内消費)の部分で利益が出る。そうなれば、全ての経済主体の利害関係が一致するとともに、彼らもその中で恩恵をこうむるだろう。そうすれば、上記の式の主体である、国、家計、大企業、中小企業(中小企業は家計に近いが)が、みなハッピーとなる。
経済の本質は、国民が全体的に豊かになってその結果、増大した国富を正しく再分配することで、更に拡大の呼び水を生み出すことだろう。
もちろん、財政出動を万能として見ているわけではない。むしろ、逆に、過度に景気が拡大し、日本がデフレを脱却し慢性のインフレの状況に仮になることがあれば、確かに、引き締めのため消費税の増税も必要かもしれない。ただ、今はデフレだ。現在の経済対策は、どちらかというと緊縮であり、インフレ時にするべきことを何故かデフレ経済下でやろうとしている。
デフレ下の消費税の増税は、果てしない失敗をまた、日本が経験することになるので避けて欲しい。96年の橋龍改革の大失敗の記憶を思い出すべきだろう。亡くなられた橋本龍太郎元総理も構造改革と日本版ビックバンの失敗はかなり、悔やまれていたそうだし。
残念だが、こんな大学1年生でも分かることをみんなが忘れてしまった一番の原因は、変なビジネス本等の信奉も多いと思うし、そうしたビジネス界の評論家やメディアの言う事が民意と思ってしまった政治家にもある。ただ、何よりも一番悪いのは私達一人一人の国民が思考停止に陥り行動を取らなくなったことだろう。
だからこそ、前回のエントリーでも書いたが民主主義というのは原発と一緒でリスクを分かって使いこなすことが必要だと思う。民意が成熟せず、更には暴走したときに民意が万能である可能性なんて誰も担保してくれたいないのだ。会社だって、市場や株主が正しいとは限らない。もし、市場が正しければその市場の声に惑わされたアンダーセンやエンロンの問題など起きるはずはない。
逆に、リスクを取って最後は身ぐるみを剥がされるかもしれない覚悟の人間のほうが正しい判断をすることだってあると思う。例えば、オーナー会社の社長や国で言うとシンガポールのような開発独裁型の国家がそういえる。どうも、上場会社とか民主主義という言葉は聞こえがいいからか、万能だと思っている気がする。
そもそも、英語でいうDemocracyの(demo)の語源から派生した言葉にデマゴーグがあることを思い出して欲しい。衆愚政治と民主主義は紙一重だ。株主至上主義や市場原理主義というのも民主主義のと本質は一緒で、全てを得体のしれない民意に放置するわけだから、うまくいかないこともあるのは普通に考えると当たり前だと思う。もし、市場も民主主義も株主も完全ならば、国家も警察もいらなくなってしまう。面白いのは普段は国は介入するべからず、と言っていたアメリカの金融機関がリーマン・ショック時は共産主義国家もビックリな政府救済を求めたことだ。これはブラックジョークだと思う。
普通の日本人が少しでも裕福になり消費や投資を増やすことが今の日本が昔の良さを取り戻すために真っ先に取り組むべき課題だと思う。その為には時には、メディアの言葉や民衆の言葉に踊らされず、覚悟を決めて日本の為に自分を犠牲にするだけの政治家が出てくれば私は必ずその人を応援すると思う。
いずれにせよ、縮小から拡大均衡路線に転じれば、うちのような普通の会社に来てくださるお客様の所得も増えて結果、利益も増えて納税額も増えるだろう。ただ、増益の中の税金増であれば、結果、実効税率も減り内部留保だって増える。そして、社員の給料も増えて私だって給料を増やせる。更に設備投資などで日本経済に貢献できる。
どうしても、ちょっとした上場ベンチャー企業経営者とか若しくは大企業のそれなりの道を歩いていると自分と正反対の意見の人も多いし、こう書くと「こいつはケインジアンだ」なんて言われるかもしれないと思うけど、私自身も、証券会社で勤務していた頃は経団連とかとかなり近いことを思ってた(というか、本質的なことを考えないで新聞だけ読んでたのだろう)。
丁度私が大学生の時期は、ケインジアンは否定され、フリードマンのマネタリストに代表されるサッチャリズムとレーガノミックスが人気があった。日本は周回遅れで、このブームに乗ったのはいいが、アメリカもイギリスも70年代〜80年代に失敗したことをいまだに信奉して15年ロスしてしまったような気がする。しかし、アメリカやイギリスは賢いから一度した失敗は政権が変わってもしないところはさすがだと思う。
ここに至るまでは自分自身が一経済主体となったときに、率直に考えたことをまとめたに過ぎない。
何をしたほうが日本全体のパイが大きくなって、結局みんながハッピーになれるか考えるきっかけとなったらと思って書いてみました。
http://shunsukeoyama.com/blog/?p=57
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