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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu258.html
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金融緩和は株式市場を1日上昇させるのではなく、一定期間上昇
させるので、昨日の上昇が1日で終わる可能性が低いと申し上げました。
2012年2月20日 月曜日
◆続伸=円安好感し大幅高〔東京株式〕(20日前場)☆差替 2月20日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120220-00000007-jijc-brf
【第1部】円安を好感して輸出株を中心に買い進まれ、日経平均株価は前営業日比128円76銭高の9512円93銭、東証株価指数(TOPIX)も同10.98ポイント高の821.43と、ともに大幅続伸して午前の取引を終えた。東証1部の66%が値上がりし、26%が値下がりした。出来高は12億9186万株、売買代金は7027億円。
業種別株価指数(全33業種)は輸送用機器、電気機器、銀行業などが上昇する一方、建設業、空運業、水産・農林業が下落した。
◆世界同時株高へ その背景は? 2月15日 ケンミレアイ
http://www.miller.co.jp/report/eye/20120215.html
今年に入ってからの世界の株式市場は全て上昇、直近でもほとんどの市場が最高値近辺で推移しています。この背景に何があるのか?
昨日のNY市場は15日の欧州財務相会議が延期になったことで、ギリシャ支援に対する懸念が再浮上したとして下って始まりましたが、大引けは若干のプラスで終わっています。
欧州のギリシャ支援問題は、既に「セレモニーの段階」に入っています。欧州とIMFがギリシャを支援することはほぼ確定していると思われます。今回の財務相会議延期の原因は、3億ユーロの財政削減の追加とギリシャの誓約書提出がなかったからとしています。
なぜ、決まっているギリシャ支援を「延ばし延ばし」にするのかと言いますと、森田の独断と偏見かもしれませんが、ギリシャ支援の後のギリシャの出方が分からないことから、ギリシャ支援後にギリシャが予想外の行動(EUの脱退など)をしたときの、国民向けの言い訳のためではないかと思います。何度も延期する材料を探して延期することで、ドイツは議会や国民に「ここまでやった」という姿勢を見せなければ、政治生命を失ってしまうかもしれない、というリスク回避でギリシャ支援を遅らせているのではないかと思います。
つまり、ギリシャ支援は確定的な事実なのですが、支援する国の政治家の自己防衛のための舞台づくりのために1300億ユーロの支援の決定が遅れているだけであり、ギリシャ問題は株式市場の材料から一時的に遠退いたと考えてもよいと思っています。
■世界同時株高の背景
欧州危機から出てきたことは、欧州各国のGDPのマイナス成長、欧州に輸出している新興工業国の景気の悪化、日本やアメリカの欧州危機による景気へのダメージなどが原因となって、世界の金融政策が一方に流れ出したからだと思います。
米国は4−6月の間にQE3を行うという見方が大勢ですし、FRBに対してアナウンスが下手だと言われている日銀も漸くアナウンス方法を変えたことで、株式市場にプラスの影響を与えてきました。
一番大きな問題は、景気が良すぎてバブルが発生し、インフレを抑えるために金融引き締め政策を取っていたインドが金融緩和に動き、さらに中国も間もなく金融緩和に転換することです。
これによって、欧州の金融緩和、米国の金融緩和、日本の金融緩和、中国の金融緩和、インドの金融緩和と、先進国も新興国も「金融緩和」に向かうという体制が確定しつつあることです。
株式市場が上昇する要因の一つは「金融緩和」ですが、今回のような世界が同時に金融緩和を行うという形は非常に珍しく、その点で世界の株式市場が今年に入ってから上昇しているのは当然なのかもしれません。
森田も株式市場は上昇するだろう、その段階では根拠がなく「方向性として上昇するだろう」と言っていました。その後に米国の14年までの金融緩和、日銀の金融緩和、インドの金融緩和、間もなく起こる中国の金融緩和と、世界同時株高の材料が次々と出てきました。
昨日の『四路五動』でも、金融緩和は株式市場を1日上昇させるのではなく、一定期間上昇させるので、昨日の上昇が1日で終わる可能性が低いと申し上げました。
こう書きますと、株式市場はこれからもどんどんと上がっていくという気になると思いますが、実は、そうではありません。
好材料を生む環境が徐々に出来てきたと同じように、悪材料を生む環境も徐々に熟成されてきています。
■悪材料とは何か?
直近のニュースをみますと、
ギリシャ統計局(ELSTAT)が14日に発表した10−12月期の国内総生産(GDP)は前年同期比で7%減少した。7−9月期の5%減から、落ち込みが広がった。
ポルトガル経済は2011年、政府予想よりやや小幅なマイナス成長にとどまった。だが、10−12月期の国内総生産(GDP)は前年同期比2.7%減少し、12年にはより深刻な落ち込みに突入することが示唆された。 政府は12年のGDPを3%減と予想している。
というニュースが出ていました。以前から申し上げておりますが、南ヨーロッパの景気が悪化したときに、南欧に頼っている中央ヨーロッパや東ヨーロッパの経済が好調を持続したり、現状維持となるとは考えられません。昨年前半にECB総裁が「中央ヨーロッパや東ヨーロッパも注意しなければならない」と発言したということを何度か書きましたが、この中央ヨーロッパと東ヨーロッパの問題は「潜行しながら、どこかで悪材料として表面化する」ことになると思います。
もちろん、その前後に当面の本命である「イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド」の問題も表面化すると思われますし、治外法権に置かれているようなイギリスも例外ではありませんので、どこかでイギリス問題も出てくると思われます。
中国やインドの景気は欧州依存が高いので、中国が金融緩和をすれば一時的に株式市場は上昇すると思いますが、上記の問題が表面化すれば「中国経済の鈍化」「日本経済の鈍化」に繋がりますので、やはり、新興工業国ががんばっても「欧州の第二次危機」が表面化すれば株式市場は再び下落すると思われます。(後略)
(私のコメント)
日銀が1%のインフレターゲット政策を明確にしたことで、円安が進行して一時80円台までつけました。さらに円安ということで輸出株が買われて日経平均も9500円台を回復して上昇しています。これまでは日銀が金融緩和については引き締めスタンスであり、結果的にデフレ経済にしてしまった。物価が下がれば金利はゼロでも実質金利はプラスになり、使うよりも預金で持っていたほうが得と言う事です。
金融はゼロ金利だから金融緩和しているということはなくて、実質金利で見なければなりません。物価が下落しているのに日銀がプラス金利で引き締めればさらにデフレになります。1%のインフレでゼロ金利ならマイナス金利で資金需要が出てくることになります。だから円も安くなり株が高くなっています。いかに今まで日銀が日本経済を苦しめてきたか分かるでしょう。
「株式日記」では日本が世界の資金供給元になっていることを指摘してきましたが、日本の金融緩和が世界の株を押し上げている原因だろう。アメリカの株式などは過熱の兆候が伺えますが、ゼロ金利は2014年まで維持するそうです。アメリカのゼロ金利もキャリートレードで世界の株を押し上げていますが、ドルの価値を支えているのは日本の円だった。
日本が1%のインフレ目標を掲げたことで、日銀は嫌でも物価が1%上昇するまで資金供給しなければなりません。資金供給を受けた金融機関は融資も拡大させなければならず、金や石油などの商品先物などにも投資せざるを得なくなります。円安を見込めばドル買いもでてきて円安ドル高がしばらく続くかもしれません。
このような世界的な金融緩和は、ヨーロッパの金融危機が原因ですが、PIIGS諸国の資金繰りをつけなければなりません。ギリシャ国債がデフォルトすればCDSに支払い義務が生じてCDSを引き受けた独仏の銀行が経営危機を招きます。ギリシャやイタリアなどが国の経済力以上の国債を発行して返せない懸念が出てきたからですが、ヨーロッパはいつまで支え続けられるだろうか?
本来ならばドイツが救済すべきなのでしょうが、イタリアやスペインにまで広がってしまったら、とても救済できない。ギリシャの国債は多くが公務員の給与や年金に化けてしまった。だから国債を発行できなくなれば公務員の人件費を減らさなければなりません。しかも脱税が多くて財政赤字が慢性的になっていたからだろう。
この意味では、日本もギリシャと同じ問題を抱えていますが、東北の被災地では被災者が職が無くて困っているのに、公務員は残業続きで1000万円以上の年収の人も出て来ています。このように地方に行くほど官民格差が広がり、国はこれを放置している。地方議会議員も公務員だから組合と議員が結託して給料を引き上げてきたから財政赤字が酷くなっている。
ギリシャやポルトガルなどは緊縮財政で余計に経済が縮小してしまっている。景気を回復させようにも国内には観光と海運しか産業らしい産業がない。そもそも産業構造が番うのに無理やりにユーロを導入したことは致命的なミスだろう。EUにはECBという名目的な中央銀行しかなく、むやみにギリシャ国債を買うことは出来ない。
日本やアメリカは自国通貨建てだから、いざとなれば中央銀行が全部買い取れますが、そうするとハイパーインフレになる。通貨は暴落して終戦直後は1ドル=360円にまで下がってしまった。外貨を稼ぐ手段もなくちょうど今のギリシャのような状態だった。しかし今起きていることは日本には経済力があって円高であり資金供給しなければ世界経済がおかしくなってしまう。
ケンミレアイでも今懸念されているのが、中央ヨーロッパ東ヨーロッパにまで影響が波及することであり、このような状況ではヨーロッパに市場を開拓していた中国や韓国が一番影響を受ける。日本はそれほど貿易依存度が高くないから影響は限定されますが、中国も不況に陥ってインフレ抑制から金融緩和に舵を切るかも知れない。
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