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株式日記と経済展望
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預金で10年国債を購入すると、0.89 %儲けがあることになります。
銀行は国債金利の大半を預金者からピンハネしているのと同じなのです。
2012年2月18日 土曜日
◆「銀行が国債を購入する理由」(EJ第3242号) 2月17日号
http://electronic-journal.seesaa.net/article/252633160.html
日銀が中途半端であるとはいえ、金融緩和に踏み切ったことはデフレ脱却に向けてひとつのささやかな前進であることは確かです。しかし、その一方において消費増税をしたのでは何にもなりませんが、日銀が何もしないよりはマシです。
しかし、こうなってくると、問題なのは銀行なのです。不況が根強く居座っている現在の経済状況に銀行は一枚加担しているのです。今回はその問題を考えてみることにします。
銀行のビジネスモデルとは何でしょうか。 銀行は実質預金──表面預金から他行払いの小切手・手形を差し引いたもの──としてお金を借り入れ、貸出金として民間企業などに貸し付け、金利差を稼ぐのがビジネスモデルです。この場合、銀行にとって「貸出金」は資産、「実質預金」は負債ということになります。もし、銀行が預金として集めたお金を貸し出しに回せないと、預金者には金利を払わなければならないので、銀行のビジネスモデルは揺らいでしまうことになります。
添付ファイルの上のグラフを見てください。これを見ると、橋本政権が消費税を上げ、緊縮財政を開始した1997年をピークとして、その後は下落傾向が6年ほど続いたものの、リーマンショック(2008年9月)までの好況期には回復の兆しをみせていたのです。しかし、リーマンショック後は再び減少傾向になり現時点まで横ばいの状況が続いているのです。
「実質預金」から「貸出金」を引いた額を「預金超過額」というのですが、2011年6月の時点で176兆円に達しているのです。これを「過剰貯蓄」と呼んでおり、これを抱えているのは銀行だけでなく、生損保会社なども同様です。つまり、国内に借り先のない自国通貨が膨大な量余っているので、政府は超金利で国債を発行できるのです。
全国銀行協会の最新の統計調査によると、2011年12月末現在では次のようになっています。
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実質預金残高 ・・・・ 584兆円
貸付金 ・・・・ 421兆円
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163兆円
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この163兆円を銀行は何で運用しているのでしょうか。それが国債です。およそ預金超過の80%が国債で運用されているのです。あのブログ「闇株新聞は」は、これには大きな問題があることを指摘しているのです。
貸すところがないから国債を購入する──しかし、これは絶対確実な投資なのです。銀行はプロですから、日本の国債のような自国通貨建ての国債が絶対破綻しないことを知っているので、リスクなしの安全投資であるといえます。
超低金利である現在、預金者への利息は0.03 〜0.05 %ほどです。しかし、国債を購入すると次のように高い利息が得られるのです。
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5年債 ・・・・・ 約0.35 %
10年債 ・・・・・ 約1.00 %
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しかし、預金には年利0.084 %の保険料がかかるのです。仮に銀行が預金で10年国債を購入したとします。そうすると、次のようになります。
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1.00 −0.03 =0.97 %
0.97 −0.084 =0.886 %
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預金で10年国債を購入すると、0.89 %儲けがあることになります。つまり、銀行は国債金利の大半を預金者からピンハネしているのと同じなのです。しかも、国債は企業への貸付と違って与信審査が必要なく、人件費を含むコストは非常に低くて済むのです。しかも、企業への貸付に比べると、ほとんどノーリスクなのです。
そうなると、少しでも経済状況が悪くなると、銀行としてはリスクの高い企業への貸出金を抑制し、ノーリスクで確実に儲かる国債投資に傾斜してしまい勝ちになります。これでは日銀がいくら金融緩和で通貨量を増やしても企業への貸付金は増加しないことになります。
そこで経済の状況と銀行の貸出金の関係を調べてみることにします。これは「銀行の貸出態度判断DI」というものを調べればよいのです。これは、銀行がお金を貸したがっているかどうかを判断する指標です。
添付ファイルの下のグラフを見てください。これは、日本の企業を大企業、中堅企業、中小企業の3つに分けて銀行の貸出態度判断を見たものです。
バブル期に高止まりをしていた貸出態度判断DIはバブル崩壊でとくに大企業に対して絞り込まれ、その後総合経済対策によって大きくプラスに戻ったのですが、1997年の橋本政権の緊縮政策によって再び大きくダウンしたのです。これを見るとわかるように、やはり橋本政権は経済失政を冒しているのです。
その後小渕政権の財政拡大政策によってプラスに戻った貸出態度判断DIは、今度は小泉政権の緊縮財政によって再びマイナスに向かったのですが、米国の不動産バブルに基づく世界同時好況によってプラスに戻っています。
そこに襲ったのは、あのリーマンショックです。これによって貸出態度判断DIは4たびマイナスに落ち込んだのですが、2010年〜2011年とプラスに転じつつあります。このように経済情勢と銀行の貸出態度判断DIはリンクしているのです。ある意味銀行は正直なのです。
――─ [財務省の正体/68]
(私のコメント)
「株式日記」ではなぜ財務省が不況が大好きなんかを考えてきましたが、不況だと銀行が国債を買ってくれるからです。「株式日記」がいくら景気が良くなる効果的な政策を提言しても採用されないのは、景気が良くなる見通しが良くなると、銀行は預金を融資に回して国債に回らなくなります。
本当に景気が回復し始めると、銀行は手持ちの国債を売り始めるかもしれません。だから景気が良くなり始めると消費税増税を打ち出して景気の芽を摘むことにするのでしょう。銀行も融資に回すよりも国債を買ったほうが0,886%の利鞘が稼げるのだから、銀行はいい商売です。
国債残高が1000兆円近くになりましたが、ゼロ金利政策で10年物の国債でも1%の金利だから10兆円の利子負担ですみます。銀行にすれば国債をどんどん発行してくれないと資金運用に困ることになります。円は高くなる一方だし、最近では外人が国債を買い始めています。2007年頃は1ドル=120円くらいだったのが今では1ドル=76円だから為替差益だけでも利回りは高い。
ドルやユーロがどんどん値下がりしているから、世界に資産家たちは円を買って金融資産を守ろうとしている。東日本大震災が起きても円高には影響がなかったくらいだから、それだけ円の信用度は高い。アメリカの格付け会社がいくら日本国債の評価をボツワナ並みに引き下げても、円が高ければ通貨に順ずる国債の評価が低くなるはずがない。
日銀がなかなかインフレターゲット政策に抵抗していたのも、1%のインフレになるまで金融緩和を持続することだから、恣意的な政策は出来なくなる。しかし不況感は維持しなければ銀行が国債を買ってくれなくなるから消費税増税で景気は悪いままになるのだろうか? デフレ経済のままでは預貯金ばかり増え続けるから金が回るようにしなければなりませんが、国債で財政の穴埋めでは景気にはマイナスだ。
財政で積極的な投資が望まれますが、先日は藻でバイオ燃料を作れと提案しましたが、このような新エネルギー政策に投資すべきなのだ。ところが日本政府は減反政策といって米を作らせないで補助金をばら撒いている。水田で藻を栽培してバイオ燃料を買い取るようにすれば石油の自給体制が出来るようになるだろう。
財務省の硬直した政策は、増税で財政再建というものであり、デフレ状態でそれをすればさらに税収は落ち込むことになります。ヨーロッパのギリシャやポルトガルなどもそうしていますがますます酷くなってデモ騒ぎが起きている。日本の経験からすれば財政出動を続けることで景気刺激策で行かなければなりませんが、有効な公共投資がなかなかなかった。
ヨーロッパの再生可能なエネルギー政策も結局は失敗であり、補助金が出せるうちはいいが出せなくなれば電気は買い取れなくなる。残るのはユーロ安で輸出による景気拡大ですが、それではドイツの一人勝ちになる。もし日本が円安政策をとれば日本の一人勝ちになるから、欧米は為替介入に批判的だ。
日本の国債発行は、一種の銀行救済策であり国民の預貯金から国債を買って0,88%の利鞘を与えていることになる。だから1000兆円もの国債残高になりましたが、それでも銀行は国債を買い続けている。現金や国債で持っていればデフレでは目減りしないからこれほど安全な運用はないからだ。
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