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日銀がインフレ目標で「政治の圧力に屈した」と報じるマスコミの無知  長谷川 幸洋 (現代ビジネス) 
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/189.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 2 月 18 日 12:04:29: igsppGRN/E9PQ
 

日銀がインフレ目標で「政治の圧力に屈した」と報じるマスコミの無知
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31830
2012年02月17日(金) 長谷川 幸洋「ニュースの深層」 :現代ビジネス


 日銀がインフレ目標を導入した。日銀はこれまで「物価安定の理解」という表現で政策委員が考える物価安定を数値で示していたが、今回「物価安定のめど」と言い換えて目標である点をはっきりさせた形だ。

 とはいえ、数値自体は従来と変わらない。「理解」では、消費者物価指数の前年比が「2%以下のプラスの領域で中心は1%程度」としていた。「めど」に変わっても「「2%以下のプラスの領域で当面は1%」を目指すとしている。

 日銀はこれまでインフレ目標を頑なに拒んでいた。米国の連邦準備制度理事会(FRB)が1月下旬にインフレ目標の導入を決めた後も、白川方明総裁は国会で「私の感じでは、むしろFRBが現在、日銀が行っている政策に近づいてきたとの認識を持っている」と語っていたほどだ。

 もしも、白川が言うように「FRBが日銀に近づいてきた」のが本当なら、一歩先を行っていたはずの日銀がなぜ、いまさらFRBの後追いをするのか。事実は正反対である。FRBが先んじて動いたから、日銀が追っかけざるをえなくなったのだ。まったく厚顔というか白々しいというか、よく恥ずかしげもなく言えたものだ。

■マスコミはびこる「日銀信仰」

 もっともFRBが動いただけでは、日銀は動かなかっただろう。白川が動かざるをえなくなったのは、国会で与野党が日銀の金融政策を批判し、日銀法改正が現実味を帯びてきたからだ。自民党は次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に日銀法改正を盛り込む、と報じられている。

 法改正となれば、インフレ目標の設定どころか、達成できなかった場合の責任条項まで入りかねない。少なくとも日銀総裁の解任規定をどうするかが議論になるのは確実である。そんな悪夢を避けるためにも、ひとまず妥協に動いたというのが実態だろう。

 そんな展開をみて、多くのマスコミが「日銀は政治の圧力に屈した」と批判的な論調で報じた。白川の記者会見でも「マーケットの一部には、政治的な圧力に屈したのではないかという見方もある。どう考えるか」という質問が出た。これに対して、白川は「日銀が本来考えていないことをしたということはまったくありません」と答えている。

 こうなるとご愛敬としか言えないが、問題はむしろマスコミのほうだ。

 たとえば毎日新聞は「背景に政治の包囲網 問われる『距離感』、独立性揺らぐ懸念も」という見出しを掲げて「『金融政策の独立性が揺らぐ』との懸念も出ている」と伝えた(2月15日付け朝刊)。

 私自身もかつて日銀を担当していたからよく分かるが、多くの記者は「日銀の独立性は神聖不可侵のもので、政治が圧力をかけて日銀を動かすのはとんでもない話」という単純素朴な観念を抱いている。信仰に近いといってもいい。

■中央銀行の独立性がわからない記者

 日銀が巨額の赤字を抱えた政府の言いなりになってしまうと、国債の大量引き受けを迫られて、戦争直後のような大インフレになってしまうのではないか、という通説に支配されているからでもある(事実は違って、いまでも日銀は毎年、財政法5条のただし書きにしたがって、国会議決の下で国債を引き受けている)。

 業界では知られた話だが、記者に対する日銀の対応は、実は他に例がないほど極めてていねいでもある。それだけでも、記者の側は日銀に対する親近感というか「悪い敵から守ってやらねば」というような気持ちを抱いてしまう。

 それで永田町から日銀批判が飛んでくると、日銀担当記者はほぼ自動的に日銀側に立ってしまうのだ。「政府・政治=強くて悪い人々、日銀=ひ弱で善良な人々」というステレオタイプである。今回のインフレ目標導入でも、まさにそんな図式のような報道が渦巻いた。ちなみに日銀担当記者は経済部に所属し、政治部が担当する永田町は遠い世界である。

 こうした「記者の理解」は根本を探ると、中央銀行の独立性に対する誤解ないし無知に根ざしている。

 中央銀行の独立性とは、当コラムの筆者である高橋洋一があちこちで指摘してきたように「政策手段について独立性が認められている」にすぎない。物価安定を目指すインフレ目標のような「政策目標」は世界を見渡しても、必ずしも中銀だけに与えられているわけではない。

 たとえば英国やノルウェーは政府がインフレ目標を示している。ニュージーランドやカナダ、オーストラリア、ブラジル、コロンビア、アイスランド、ハンガリー、トルコなどは政府と中央銀行の協議で決まっている。

 インフレ目標の設定は中銀の専権事項ではなく、まして「神聖不可侵」などという考え方は完全な誤りなのだ。そこを日銀の神聖な仕事であるかのように思い込んでしまうと、先の記事のように、与党だろうが野党だろうが政治が口出しするのはけしからん、距離を保てという話になる。

 だが、よく考えてほしい。物価安定は国民経済が健全に発展していくための基本中の基本条件だ。インフレもデフレも結局、国民が苦しむのである。そうであれば、国民から選ばれた国会議員が中央銀行の金融政策運営について、どんな目標を掲げるべきか、注文をつけるのは当然ではないか。

 さらに議員の多数決によって構成される政府が物価安定の目標づくりに関与するのは、民主主義統治の原理原則からいって、まったく自然な姿であると思う。英国のように政府がインフレ目標を設定してもいいし、あるいはカナダのように政府と日銀が協議して決めてもいい。いずれにせよ、政府がしっかり目標作りに関与すべきなのだ。

■問われるのはマスコミの独立性

 逆に言えば、政府の関与の仕方がはっきりしていないから、永田町から金融政策の議論が起きると、ステレオタイプのマスコミがすぐ「政治の包囲網」と書いてしまうとも言える。政策目標をめぐるルールと仕組みが透明、明確になれば、的外れな批判もなくなるだろう。

 国民にとって、政府が関与するメリットは他にもある。政府がいつまで経っても自分たちが掲げた目標を実現できないなら、選挙で政権交代させてしまえばいいのだ。少なくとも4年に1回は成績を評価できる。大インフレやデフレを放置すれば、失格である。

 政府が政策目標を自分で作るか、日銀と共同で作るようになれば、責任も分担せざるをえなくなる。いい加減な日銀なら政権の途中で政府と大バトルになるかもしれない。それこそが健全な統治の姿である。

 いまのように目標作りも政策運営も日銀任せにしておいたら、国民はいつまで経っても日銀の失敗を追及できない。総裁任期は5年で、一度決まったら途中で解任もできない。総裁は辞めたら優雅な天下りが待っているが、国民はデフレで泣くだけなのだ。

 こうみてくると、マスコミの責任の重さを痛感する。

 中央銀行の独立性のような「大きな統治問題」は本来、政府や日銀から独立しているマスコミが広い視野からあるべき姿を考え、論点整理すべきなのだ。残念ながら実態は逆で、マスコミの仕事は記者クラブ制度の下で政府や日銀に依存している部分が多い。真っ先に議論すべきなのは、実は日銀の独立性ではなく「マスコミの独立性」であるのかもしれない。

(文中敬称略)


 

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コメント
 
01. 2012年2月18日 12:17:27 : wvwqgu776Y
縁故入社の多いマスコミの記者は
根本的に能力不足。

自分で何もできない=操られるしかない。


日本のマスコミの低レベルは、馬鹿ばかりも一因。


02. 2012年2月18日 12:24:33 : KvacDP9duk
無知ってより、犬なんだからしょうがない。
エサをくれる人にシッポ振るだけなんだから。

03. 2012年2月18日 18:25:34 : FijhpXM9AU
何度でもいうけど、中央銀行は大手独占金融資本のカルテル、同業者組合なんだよ。実際に出資も受けている。日銀だって半分は彼らの出資だ。FRBの場合はもっとひどくて100%だ!!

だから「中央銀行の独立性」というお題目は、「エネルギーの番人としての電力事業連合会の独立性」というのと同じくらい馬鹿げているのだ。「あの中立な電力事業連合会が原発を推進しているのだから、安心だ。」てなもんである。

とにかく日銀総裁と政策委員を公選制にしろや。そしたら「独立性」にも何がしかの信憑性がでてくるでよ。


04. 2012年2月18日 20:02:16 : mHY843J0vA

>マスコミの仕事は記者クラブ制度の下で政府や日銀に依存している部分が多い。真っ先に議論すべきなのは、実は日銀の独立性ではなく「マスコミの独立性」

独立性以前に、専門知が政治家やマスコミ内部に圧倒的に不足しているため、適正な批判ができず、衆愚的な批判か、逆に機関の情報への依存の両極端に偏りがちになる

人事情報を公開し、人材の流動性を高め、客観的な批評が相互にできる体制が必要でしょう


05. 2012年2月19日 06:29:17 : Arvv0plO32
長谷川幸洋氏にまったく同意同感。

■日銀法を改悪して、日銀の独立性が強まってから、
日本国民の年間自殺者数は、14年間連続自殺者3万人超だ。
貧困率も上昇している。
日銀官僚こそ、諸悪の根源。

■日銀会見と宮内庁会見は同類だ!? 記者、学者との癒着が生んだ“日銀タブー”がもたらす罪悪
──一部週刊誌では取り上げられるものの、全国紙の経済面や社説で日本銀行に対する批判はほぼ皆無。
日銀の政策は、常に正しいのだろうか?実は日銀と新聞社、
そして新聞に寄稿やコメントをする経済学者の間には、不健全な関係があるという。
深刻化する欧州金融危機と世界的な株安、史上最高値圏で推移する円相場、
さらには東日本大震災後の復興財源をどこに求めるかという問題──。
日本経済に降りかかる数々の難題を受けて、我が国の金融政策をつかさどる日本銀行への関心が高まっている。
例えば復興財源をめぐっては、財務省が提唱する増税案に対し、
エコノミストやジャーナリストの一部からは不況下の増税は景気を一層悪化させるとして、
日銀による国債の直接引き受け策を求める声も出てきた。
これに対しては、日銀引き受けが想定外の通貨安(円に対する信任低下)をもたらす危険性を指摘する声もあるが、
日本経済新聞をはじめとする大手メディアでは、こうした議論自体が正面から取り上げられることはない。
元日本経済新聞論説委員で、現「FACTA」の編集主幹・阿部重夫氏は、
「日銀は外部の批判にほとんど耳を貸しません。
それは日銀クラブ(日銀の記者クラブ)に所属している記者を早々と日銀の論理に洗脳して、無批判の環境で自らを囲い込んでしまうからです」と話す。
「私自身もそうでしたが、多くの新参記者は日銀クラブに入った時点で金融の実務知識が十分ではないので、
手取り足取り金融のイロハを教えてくれる日銀が師匠役になります。
そこで純粋培養されてしまうと、『金利を上げるインフレファイターは正しくて、下げるデフレファイターは弱虫』という日銀の価値観に染まり、
欧米の金融政策の常識や経済学の最先端と日銀がいかにズレているかが見えなくなります」(阿部氏)
さらに、新聞社の体質にも問題があるようだ。
例えば日銀記者が少しでも批判めいた記事を書こうものなら、デスク、部長、編集委員、論説委員といったお歴々が、
「こう書いたほうがいいんじゃないか」「こういう見立てが正しいんじゃないか」と暗に記事の方向性を変えるように仕向けるという。
大手新聞社の経済記者はこう語る。
「日銀が直接何か言ってくることはないけれど、なんとなく記事の方向性が社論として決まっていくのが実際の新聞社の有様です。
日銀はそうした新聞社の構造を熟知してか、経済部長だけを呼ぶ『経済部長懇談会』、経済担当論説委員を集めた『論説委員懇談会』などを、
1〜2カ月に一度、定期的に開いています」
部長や論説委員クラスになると、現場に足を運ぶ機会はほとんどないため、“ご進講”が貴重な情報源となる。
彼ら上層部が日銀の話を鵜呑みにすることは、想像に難くないだろう。
こうした日銀に対するメディアからの批判の少なさが、日本の金融政策の即応性と健全性を損ねているのではないか。
そう指摘するのは『デフレ不況 日本銀行の大罪』(朝日新聞出版)の著者で、上武大学教授の田中秀臣氏だ。
「日経新聞の喜多恒雄社長が財務省と蜜月関係にあることに表れているように、新聞社の上層部では、財務省・日銀支持の姿勢が打ち出されている。
そんな中、現場の記者は批判的な意見を持っていても、上層部に従ってしまう」という田中氏の話を聞こう。
「今回のギリシャ債務危機をきっかけに、世界経済はすでに不況局面に入ったと見ていいでしょう。
景気に関するあらゆる指標が悪化しており、各国で緊縮財政策や金融引き締め策の見直しが始まっています。
ですが、日銀は相変わらずデフレ状況を放置したままで、さらなる金融緩和などの対策を打とうともしない。
金融政策は本来、民主主義のプロセスで決めるというよりも、一部の政策エリートが責任を持ってやるという性質がありますが、
それが正しく機能するには、きちんとした批判が存在することが前提です。
しかし、金利は上げるものという伝統的な金融政策にとらわれている日銀に対する批判の声は、逆に小さくなっているのが現状です」
それでは実際に、日銀に対する取材現場では、どんなやりとりが交わされているのだろうか。
経済ジャーナリストとして長年にわたって日銀を取材してきた須田慎一郎氏は、日銀総裁会見の様子を次のように語る。
「日銀総裁会見は、宮内庁の皇族会見と大変似ています。日銀総裁とのやりとりは、いわば皇族とのやりとりとまったく同じ。
記者が厳しく詰め寄ることはなく、総裁が言ったことに対して『ごもっとも』と拝聴する空気です。
私たちが考えている以上に、マスコミにおける日銀総裁の権威は高い。
なおかつ、あたかも絹の手袋をしているように、(政治家との水面下の裏交渉など)汚れ仕事を避けているのが日銀総裁といえるでしょう」
1998年の日銀法改正で、政府による総裁解任権が廃止されるなど、日銀総裁の立場は格段に強くなった。マスコミ報道においても、
しばしば「日銀の独立性」が好意的に報じられるが、前出の阿部氏はそれこそが日銀の独善性を助長したと指摘する。
「法改正以前の日銀は大蔵省(現財務省)の下部機関みたいなもので、公定歩合の上げ下げも大蔵のOKがなければ不可能でした。
経済記者も判官びいきで日銀の独立性を守れと肩を持ってきました。
それが法改正で過剰な独立性が認められてしまい、今の日銀は物価と通貨の安定という漠然とした目標があるだけで、
結果責任も問われず、どんなミスをしても総裁は自ら辞任しない限り、任期の5年間は誰も引きずり下ろせない存在になってしまった。
制度上の大きな欠陥と言うべきです」(阿部氏)
■経済学会が群がる「日銀審議委員」利権
こうした中、日銀クラブに属し、日銀の意見に同調することは、記者や経済学者、エコノミストらにとってもメリットがあるという。
まずは新聞社のエリートコースという日銀担当記者から見ていこう。
須田氏の話。
「経済部の記者クラブでは、格において日銀クラブは最高峰。
日銀クラブのキャップをやった人間が、ワシントン支局長など海外のトップ級支局長に転ずるケースも多く、
『失敗しないできちんと勤め上げると、出世コースが見えてくる』という幹部への登竜門なのです。
また、日銀クラブは日銀だけでなく民間金融機関の動向もフォローするため、所属記者が他業界の記事をハンドリングすることも多く、
記者自身が次第に『自分はトップエリートで特別な存在なんだ』と錯覚する。
その結果、多くの日銀クラブ記者は将来の出世に備えてインサイダー意識を持ち、日銀幹部との人脈作りにいそしむという構図が出来上がります」
では、大手紙の経済面にコメントや解説記事を寄せる経済学者やエコノミストたちはどうだろうか? 
彼らの中にも“日銀シンパ”が広がっており、中には憧れの日銀審議委員の座に就きたいために、日銀批判を控える人物もいるという。
「計9名からなる日銀審議委員の席は、日銀から3名、産業界から1名、銀行界から1名、アカデミズムから1名……と割り当てが決まっています。
日銀は金融学会にも補助金を出していますから、多くの学者たちが陰に陽に媚びています。
例えばある私立大学の有名教授は、審議委員への指名を意識しだすと、それまでの日銀批判をピタッとやめてしまった。
日銀に覚えのめでたい経済学者ばかりが優遇され、日本の経済学のレベルが低い理由になっています。
現に日本ではノーベル経済学賞を受賞した人はひとりもいないでしょう?」(前出・阿部氏)
彼らの羨望の的となる日銀審議委員の年収は約2600万円。
もっとも、大手メディアにおいてもこうした慣例を嫌う例外的な日銀批判がないわけではない。
かつては毎日新聞社の社会部記者が経済部に移り、日銀総裁に容赦ない質問を浴びせかけたこともあったという。
「警視庁二課四課担当だった原敏郎氏が日銀クラブに配属され、
マル暴刑事を見習ったかのような態度で、日銀総裁を総裁とも思わないような言動をしていました。
原氏は経済部長に上り詰めましたが、あれは極めて特殊なケースでしたね」(須田氏)
また、このところ産経新聞紙上で財務省・日銀批判を繰り広げている田村秀男記者が日銀ウォッチャーの間で話題になっている。
「産経新聞で『増税はおかしい』とはっきり書いた田村氏は、元日経新聞記者。
日経時代に日銀を担当した経験を踏まえて、なぜ増税を先にして国債発行を後にするのか、順序が逆ではないかという正論を展開しているのですが、
朝日や読売など他社の記者は誰も追随しようとしない。
というのも、増税を避けて復興財源を確保するためには、国債の直接引き受けなどの量的金融緩和策を取る必要がありますが、
それは日銀にとって金利を下げるのと同じ。
日銀と価値観を同じくする記者にとっても“負け”を意味するからです」(阿部氏)  
そもそも、金融緩和イコール悪という発想はどのようにして生まれたのか。
田中氏は、その発想は第二次世界大戦直後の日銀体制にさかのぼると指摘する。
「終戦後のGHQ占領時には、大内兵衛などのマルクス主義経済学者が日銀の金融政策に関与しました。
彼らは1929年に起きた大恐慌後のニューディール政策がアメリカを戦争に導いたと考えていましたが、
そうした史観と、高橋是清元大蔵相の金融緩和策で日本経済が復活したために戦争に至ったとする GHQの史観がピタリと一致してしまった。
以来、インフレは悪で、量的金融緩和などとんでもないという考えが日銀内に定着し、現在の幹部もそれを踏襲しているのだと私は考えています」(田中氏)
それでは、今後の日銀報道はどうあるべきか。須田氏は、日銀自身がもっと国民に語りかける必要があると語る。
「金融政策を議論するには専門的な知識が必要であるため、日銀にはいくら説明しても国民にわかってもらえないという被害者意識があるのでしょう。
しかし、現在のような金融政策が日本経済を左右する状況では、日銀はもっと懇切丁寧に政策内容を説明する必要があります。
財務省が高飛車な説明不足だとすると、日銀は低姿勢の説明不足です」(須田氏)
阿部氏は日銀クラブ記者としての経験を踏まえ、次のように提言する。
「日銀クラブはかつてよりも開放され、総裁会見などにロイターなどのウェブメディアが参加するようになりました。
しかし、ウェブメディアでは速報性が一番求められるために、十分な分析をしないまま情報を発信する風潮が記者の間でも広まっています。
その結果、高い専門性を持つ日銀職員と対等に議論できる記者が減り、むしろ日銀批判は聞かなくなりました。
健全な日銀報道のためには、十分な金融知識と分析力を持った記者が育つ必要があります」
現在は08年のリーマンショック時と比べて各国の財政状況が悪化しているため、大規模な財政出動策などが難しくなり、
「もはや不況入りを防ぐ手段はない」との声も出始めた。
そんな中、日本経済の落ち込みを防ぐためには、大胆な金融政策を含めた、あらゆる選択肢が検討される必要がある。
そのためにも、大手メディアには日銀に対する活発な問題提起を期待したい。
(取材・文/神谷弘一 blueprint)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111126-00000301-cyzoz-soci
年間3000万円以上報酬をもらっておきながら、何も仕事をしない日銀総裁や審議委員。
国民を見殺しつづける日銀。


06. 2012年2月19日 08:36:46 : Arvv0plO32
白川と安住は、ほんと辞任して欲しい。
安住なんか官僚の犬。

■財務大臣も日銀総裁も落第です
見過ごせない答弁もあった。インフレターゲティングに関する質疑だ。
山本議員はまず、白川方明日銀総裁をやり込めた。
FRBは1月25日、新たに2%の長期的な物価目標を導入したが、
日銀が「これはインフレターゲティングではない」と説明しているのは「完全な誤訳だ」と切って捨てたのだ。
実際、バーナンキFRB議長は「物価安定だけを目標とする政策をインフレターゲティングと解釈するなら、そうではない。
FRBは物価安定と雇用最大化の二つを達成するのが責務なので、その両方を同時に目指すからだ」と述べたのである。
インフレターゲティングの世界的権威であるだけに正確に説明したのだが、
日銀はその一部を取り上げて曲解させる文章に仕立て上げたわけだ。
日銀らしい姑息な手だ。
この狡っ辛さを指摘した上で山本議員は安住大臣に、日銀に対してインフレターゲティング政策導入を求めるか、と質した。
安住大臣は、日銀には独立性があるので任せている、と逃げを打った。
すると山本議員はすかさず、
「独立には目標設定の独立と政策手段の独立があり、日銀に目標設定の独立はないことを知っているか」と畳みかけた。
安住大臣は「知っている」と答えたものの、「では日銀に2〜4%程度の物価目標を与えるべきだ」と迫られると、あとはもうシドロモドロ。
答えにならない答弁をモゴモゴ繰り返すばかりだった。
それにしても、日銀の二枚舌には呆れ果てる。
国会でインフレターゲティング論争をしたのと同じ2日、山口廣秀日銀副総裁が高松市で、
「日銀は中心値1%程度が中長期的な物価安定の数値と理解している」として、
2%の目標を掲げたFRBの手法と「基本的に変わりはない」と言っているのだ。
白川総裁に至っては6日の参院予算委員会で平然と、
「むしろFRBが日銀の政策に近づいてきたという認識」とまで語っている。笑止千万だ。
だが、いくら日銀は優れていると言い張ったところで、実績を見ればそのウソは一目瞭然である。
'98年の新日銀法施行以降、日本で前年同月比のインフレ率が0〜2%に収まっていたのはわずか1割6分。
一方、FRBが1〜3%に収めたのは実に7割以上だ。
20点も取れない落第生は、つべこべ言わずに70点超の優等生を見習うべきだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31801


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