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高橋洋一氏「日銀も年貢の収めどき!米国がインフレ目標導入」2012/02/10(ZAKZAK)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20120211/ecn1202110838002-n1.htm
FRB(米連邦準備制度理事会)が1月25日、2%インフレ目標を導入したことについて、日銀の反応が面白い。
これまで国会議員などに、FRBもやっていないからインフレ目標を導入しない、と安直な説明をしてきた日銀にとっては不都合な事実だ。私は、バーナンキ議長がFRB理事になった2002年から、FRBはインフレ目標を導入すると言い続けてきたが、いよいよ日銀も年貢の収め時だ。
この期に及んで日銀は国会議員などに「ご説明」の絨毯爆撃をしているようだ。その趣旨は「あれはインフレ目標ではない。バーナンキもそう言っている」というものだ。前原誠司民主党政調会長などは、日銀の言うことをうのみにして発言している。
バーナンキ議長の発言というのは25日の記者会見のことだ。「インフレ目標か」と聞かれ、「すばらしい質問だ」と前置きしながら、「もし“インフレ目標”を物価を最優先して雇用などを二次的なものとするということを意味するのであれば、その答えはノーだ。というのは、FRBは2つの目標を持っているからだ」と述べた。
要するに、FRBには「物価の安定」と「雇用の最大化」の2つの責務があるので、物価“だけ”を目標とするインフレ目標ではないと言っただけだ。その証拠に、バーナンキ議長は「物価安定の目標達成を遅らせた方が雇用に良いなら、喜んでそうする」と言い切っている。
それなのに、雇用の最大化という責務もなく物価の安定をもっぱら行えばいい立場の日銀が「インフレ目標でない」とのバーナンキ発言の一部のみを取り上げるのはお笑いだ。
さらに、傑作なのは白川方明日銀総裁の国会答弁だ。2月6日午前の参議院予算委員会で、物価だけでなく持続的な経済の成長を実現するために金融政策を行うという意味で日銀もFRBも似ている、と指摘したうえで、「FRBが日銀の政策に近づいてきたという認識を持っている」と語った。これをバーナンキ議長が聞いたら苦笑するだろう。
前述したようにFRBは、日銀と異なり2つの責務を持つ。インフレ目標を導入するに当たり、雇用や景気を重視するとバーナンキ議長は議会関係者に説いて回ったようだ。バーナンキ議長がインフレ目標論者であるのは、米議会関係者は知っており、それが雇用や景気無視になるのでは困るという意見が多かった。その懸念をバーナンキはリーマン・ショック後の景気回復などの実績で払拭してきた。
一方、白川総裁は任期があと1年余にもかかわらず、デフレ脱却はできず、円の過小供給で円高不況の元凶となっている。もともと雇用の最大化の責務もないが、物価の安定の実績もない。日銀は先頭を走っているつもりが実は周回遅れで、1周先んじているFRBが近づいてきたのだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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