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「ギリシャ・デモの矛先は?」・・・メルケル首相とパパデモス首相への人気度が示す欧州の格差
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/116.html
投稿者 稲垣勘尚 日時 2012 年 2 月 10 日 10:23:39: Je/tdYZdw47GA
 

http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2012/1145.html

昨晩も、欧米市場はギリシャ最終交渉の進展に、一喜一憂の展開。
現地では、先週筆者が歩いたアテネの中心街シンタグマ広場が、デモ隊による抗議活動の場と化している。
あのデモ隊の怒りの矛先が向けられているのは、パパデモス首相ではない。ドイツのメルケル首相である。

自国首相には、とっくに愛想を尽かしている。そもそも国内政治への信頼感が欠如している。(日本のギリシャ化というべきか、ギリシャの日本化というべきか・・・。)「誰が首相になろうと、政治はひと握りの特権階級の人たちの間で実質世襲制のようなもの。」というアテネ市民の声が忘れられない。

だから、「ギリシャ国民は、法を守るという意識が希薄なの。」と自ら認める発言を何回も聞いた。そこで引き合いに出される現象が、郊外駅の周辺の慢性的交通渋滞。通勤者の違法駐車だらけなのだ。それを規制する動きもないという。要は野放図である。

緊縮政策受け入れについても、パパデモス首相は、トロイカ(EU,ECBそしてIMF)の意を伝えるメッセンジャーに過ぎぬと言い切る。彼がギリシャ救済協定に署名しても、「私たちとは別世界の話よ。」と市民たちは語る。

つまり、3月20日の大量国債償還というXデーを控え、時間との闘いの中、仮に最終合意に達しても、それが実質的に守られる保証はないのだ。昨日本欄で、今回、デフォルトが瀬戸際で回避されるだろうが、ギリシャ問題は未だ「5回裏」と書いた理由がここにある。

アテネのアクロポリス博物館では、都市国家アテネがスパルタなど近隣都市国家と協調合意、協定反古を繰り返した歴史が伝えられている。放漫財政を監視する役人への任命状が展示され、それでも事態は改善されなかった、という説明書きには思わず苦笑してしまった。

ギリシャがデフォルトすれば、ポルトガルに伝染する。このユーロ危機で、一番失うものが大きい国はドイツ。次の一手はドイツ次第。「ボールは、メルケル・サイドにある。」との一言が印象的であった。(豊島逸夫)

★メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)への支持上昇の背景
http://blogos.com/article/31441/

ブルームバーグは調査会社フォルサが8日発表した結果でメルケル首相率いる与党、キリスト教民主同盟(CDU)への支持率が2009年以来最高の38%に達したと報じています。

僕の考えでは去年の年末にメルケル首相が音頭を取って財政統合(fiscal integration)に向けてイギリスを除く欧州各国の合意を取り付けたことが大きく貢献していると思います。

財政統合とはおのおのの国が自ら緊縮財政の目標を設定し、それに向けて努力するとともに、若し目標に達成できなければ自動的な予算一律カットなどの条項を設ける事で規律を守るという自主宣誓を指します。

今回、欧州の大部分の国がメルケル首相のこのイニシアチブに賛同したことでドイツの威信はグーンと高まりました。

さらにドイツはユーロ通貨圏を護ることで比較的弱い通貨、つまりユーロを使う事の輸出競争力面でのメリットを最大限に享受しているのです。

ドイツのモノづくりの基盤は強固で、しかも巨大です。その反面、ドイツの国内消費市場は小さいだけでなく、虚弱です。
つまりドイツ産業界は国内の消費者に期待をつなぐことは出来ないのです。

ドイツは80年代終盤に「ベルリンの壁」が崩壊して以来、西ドイツと東ドイツが統合する過程を通じて、如何に産業基盤を維持し、雇用を維持するか?という難問に直面しました。

その時、ヘルムート・コールは「統合によってドイツ人の一人として置き去りにしてはいけない」という事を主張し、そのためには産業界と社会の構成員の一人ひとりがある合意をしなければいけないと考えました。

それは単純に言えば「当分の間、賃上げは諦めよう。その代わりに給料の高い西ドイツの工員をクビにして薄給の東ドイツの工員だけを雇用するなどの目先的な経営判断は控えて欲しい」ということです。

このような努力もあり、ドイツは輸出競争力の維持に成功しました。

この一方でギリシャ、イタリア、スペインなどの国々は通貨ユーロを使用しはじめて以降、じりじり単位労働コストが上昇していることがわかります。

ドイツが製造業の基盤の維持に成功し、輸出型経済モデルのままでも成功していることは経常収支を見ればわかります。
国内産業が健全で、工場がガンガン稼働しているからこそドイツの雇用市場は健全なのです。
ドイツの為替政策(それは共通通貨ユーロの維持にほかならないわけですが)の正しさは他の欧州各国の雇用市場を見た時、極めて明白です。
日本も少しドイツの爪の垢を煎じて飲めば良いのではないでしょうか(広瀬隆雄)

 

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コメント
 
01. 2012年2月20日 23:26:02 : uedOxvXjMU
ドイツの輸出経済が強いのは割安なユーロ圏だからなわけで、以前のようなマルク経済ならばマルク高で、未だに財政赤字に経常赤字という双子の赤字を抱えていたでしょう。通貨統合は「渡りに船」だったわけです。日本とはぜんぜん立場が違います。ちなみに、伝統的に財政均衡型(財政規律)の国だったのはドイツではなくフランスです。

こちらのブログが正確で参考になるかと思います。

ユーロ圏の経常収支は黒。ドイツの賃上げが危機打開のカギ 土佐のまつりごと
ttp://wajin.air-nifty.com/jcp/2011/12/post-87a1.html


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