02. 2012年2月10日 21:50:50
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不正受給をしている生活保護者はいるだろうが、 割合はごくわずかだ。それよりも問題なのは、生活保護制度という制度の欠陥。 捕捉率は、わずか20%以下。 日本の生活保護は、他の先進国に比べて著しく捕捉率が低い。 「水際作戦」のせいだが、これは法律自体が欠陥品だからだ。 「入りやすく出やすい」負の所得税型に法改正するべき。 ■「再起のチャンスほしい」 熟年男性目立つ派遣村 (1/2ページ) 年末年始の8日間、住まいを失った求職者に宿泊場所や食事を提供する都の「公設派遣村」(渋谷区)。 開設2日目の29日、利用者の中で目立ったのは50〜60代の熟年男性だった。 再就職が厳しい年齢に、不況が追い打ちをかける。 「もう一度人生をやり直すチャンスがほしい」。 寒風が吹き付ける年の瀬に、初老の男性たちは声を詰まらせながら語った。(後略) http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/091229/tky0912291934005-n1.htm ■<ニッポン密着>東京の路上生活者、6割に精神疾患 救済対策手つかず 厚生労働省は「精神疾患の患者や知的障害者がずっと路上にいるのは好ましくない」としつつも、 特別な対策はとっていない。・・・ こうした路上生活者を救済する方策はまだない。 「精神保健福祉士ら専門職を雇うため補助を増やしてほしいとの自治体要望はあるが、 そんな視点で検討したことはない。 どんな対策がとれるかも分からない」。 厚労省地域福祉課の担当者はこう話すと口をつぐんだ。 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091206ddm041040100000c.html 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(憲法25条)。 この国では、憲法25条がまったく空文化しています。 いまこそ、憲法25条を具体的な権利として保障する制度が必要ではないでしょうか。 すなわち、普遍主義(非選別主義)に基づく最低所得保障制度を構築するべきでしょう。 ■「ドイツの派遣労働者は解雇されても、路上に放り出されることはない」〜ドイツ労働総同盟(DGB)法務担当幹部に聞く http://diamond.jp/series/worldvoice/10043/ ドイツでは、失業給付が切れても再就職できなかった人や 最初から失業給付のない人などを対象に「失業給付2」が設けられています。 食費や家賃など最低生活を維持するための扶助で、仕事が見つかるまで支給されます。 単身者で月350ユーロ(約4万6000円)ですが、 これがあれば非正規社員が仕事を失っても路上生活を強いられることはなさそうです。 【参考文献】矢部武著「世界で一番冷たい格差の国日本」 ■生活保護の捕捉率 ドイツで稼動年齢層に対応する「失業手当U」の捕捉率は85〜90%、 イギリスの「所得補助」の捕捉率は87%と言われています。 日本については、上記各研究のうち最も低い数値は9%、最も高い数値でも、19.7%にすぎません。 困窮者のうち、8割以上の者が放置されているのが現状です。 http://www.nichibenren.or.jp/ja/publication/booklet/data/seikatuhogohou_kaisei_youkou_leaflet.pdf ■後藤 猛氏(オランダ)ビジネストピックスレポート(2003年度第4四半期) (前略)日本のオジサン方がホームレスになった理由は経済的理由という。 オランダでは経済的理由でホームレスになることはない。 ここに「生存権の保障」という言葉が浮上して来る。 オランダでは生存権を保障をするためオランダに合法に住んでいる人に対し、 各自治体は月額720ユーロ(約9万円)の生存金を無条件で支給している。 オランダのホームレスはこの720ユーロから施設利用費用、食事代として約550ユーロくらい天引きされ、 生存権の残り170ユーロがかれらのお小遣いになるのだ。 日本でも生活保護支給金という制度はある。 しかし、あくまでも制度であって、日本人でも資格を満たしてないとその支給を受けることが不可能である。 支給を受けるにはまず住民票が必要だ。 オランダの場合、全国に何千とあるNPO福祉施設がホームレスの住所となり、家族となる。 それが日本では不可能なのだ。・・・ 毎月9万円の生活権が保障されていれば、 毎年上役や部下、奥さんや家族にいじめられて自殺していく3万人の尊い中核日本人サラリーマンの命が、 いくらかでも救われていたかもしれないとある学者が指摘した。 以上、720ユーロのため、オランダには経済的貧困者はいない。 http://www.pref.miyagi.jp/gb/mba/fy16/MBAreport(H15_4)/gotou2.htm ■書評:矢部武『世界で一番冷たい格差の国日本』 (前略)日本の派遣社員が、一斉にレイオフされた問題や、 地方の役所が、貧しい人に援助することなく追い返し、自殺させている例が、並べられる。 「意外に聞こえるかもしれませんが、生活保護の受給条件はアメリカより日本のほうが厳しいと思います。 アメリカで問われるのは個人の受給資格のみだが、日本では家族の所得なども事実上調査される。」(矢部) 日本の役所がなぜ、困っている国民を「助け」ないのか。 それは、国民を助け「ない」のが、自民党の「政策」だから。 まずこの、あまりにも自明な前提を思考の出発点にしなければなりません。・・・ これが、あの有名な「水際作戦」です。 日本の役所は、生活に困り、苦しんで、国に助けを求めて来る国民を、 「なんとしてでも」生活保護を与えず(絶対に生活保護の申請書すらくれません)、追い返します。 そして、一人でも、多くの国民を追い返した、役人を「優秀」だと、表彰するというわけです。(後略) http://d.hatena.ne.jp/martbm/20090729/1248813234 ■「生活保護申請を記録して逮捕って何だよ!?」抗議集会開かれる(さとうしゅういち=民主党員・連合) http://www.news.janjan.jp/living/0912/0912244747/1.php ■水際作戦の福祉事務所「逆切れ」、生活保護申請者不当逮捕 http://www.news.janjan.jp/living/0911/0911283759/1.php こんなひどいことをやっていては、自殺者は減りません。 現在の不況下では多くの人が働く能力を持ちながら、職に就くことができないでいます。 “水際作戦”で生活保護申請者を門前払いする役所の対応は、 それらの失業者は死ぬべきであると言っているのと何ら変わりません。 自民党政権時代の政策の根本的な転換が求められています。 今こそ、生活保護法の抜本改正が必要です。 改正の趣旨は、 (1)水際作戦を不可能にする制度的保障、 (2)保護基準の決定に対する民主的コントロール、 (3)権利性の明確化、 (4)ワーキングプアに対する積極的な支援の実現 (日弁連の改正要綱案より) http://www.nichibenren.or.jp/ja/publication/booklet/data/seikatuhogohou_kaisei_youkou_leaflet.pdf ■「年越し派遣村」後の生活保護、入りやすく出やすい合理的な制度設計を http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/e7af0fe01d0f796f45f3ee108b447500/page/3/ ■貧困層をより貧しくする日本の歪んだ所得再配分 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/a7a46973b48f0cf47a3a4b47e7024ac5/page/1/
■国民生活の最低水準を守るものとして、「生活保護」「最低賃金」「基礎年金」が挙げられるが、 本来はそもそもの最低生活水準を適切に決め、それをベースにこれら三者の水準が設定されるべき。 しかるに、わが国の場合、これらが別々の考え方に基づいて決められている。 その結果、最低賃金でフルタイム働いても生活保護水準の所得が得られない「貧困の罠」が発生し、 また、基礎年金が生活保護水準を下回る状況にあり、老後は年金保険料を払って基礎年金で暮らすよりも、 生活保護に頼ったほうが収入が多くなるため、年金保険料の納付インセンティヴを減じる形になっている。 こうした意味で、これら三者の水準の整合性を採ることは喫緊の課題。 さらに、セーフティーネットを「就労促進型」に改革していくことも不可欠。 「最後の砦」である生活保護制度では、現行、給付を受ける際に極めて厳しい条件が課せられており、 その結果、いったん適用を受けると「出にくい」制度に。 これを、何らかの理由でフルタイムで働けなくなり、一時的に稼得所得のみで生活ができなくなった人が、 フルタイムで働けるようになるまで利用できる「入りやすく出やすい」制度へと変える必要がある。 同時に、「負の所得税」の考え方に基づく給付つき税額控除制度を導入するとともに、 きめ細かいワンストップ型の就業支援策を手厚くすることで、高い賃金が得られる能力の習得を促すことが不可欠。 (11p) http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/other/pdf/2906.pdf ■生活保護法改正要綱案 生活保護法改正要綱案 http://www.nichibenren.or.jp/ja/publication/booklet/data/seikatuhogohou_kaisei_youkou_leaflet.pdf ■日弁連・生活保護法改正要綱案 http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/081118-4.html http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/data/081118_3.pdf 高齢世者・障害者等の就労困難者には補足率の上昇を含めて、セーフティネット機能の維持・拡充が求められる一方、 就労可能者に対しては、「負の所得税」型制度への変更が求められているといえるでしょう。 生活保護制度に求められているのは一律の拡充や削減でなく、目的に合った形でメリハリをつけることだと考えます。 また、「複数の複雑な制度」よりも「一本化された単純な制度」によって問題に対処したほうが 総コストは低くすみます。(「脱貧困の経済学」飯田泰之・雨宮処凛著=248ページより) マイナスイメージの強い生活保護法を生活保障法(仮称)に名称変更するとともに、 現行の生活保護制度を「入りやすくて、出やすい」合理的な制度、 すなわち「負の所得税型」に改正した上で、 林立している既存の様々なセーフティネット・福祉制度をこの新「生活保障制度」に集約。 「就職支援基金」等のような使い勝手の悪い「第二、第三のセーフティネット」を林立させるよりも、 総コストは低くて済みます。 東京新聞(中日新聞)の社説はすばらしい。 大新聞のなかでは、東京新聞(中日新聞)がもっともマシ。 【社説】年の瀬に貧困を考える 窮乏から目を背けずに ◆「水際作戦」という非情 生活保護者数は二百六万人と史上最多に達した。 不況や非正規雇用の蔓延(まんえん)、雇用保険や年金の制度の脆弱(ぜいじゃく)さなどが原因だろう。 問題点はまだある。 生活保護が最多といっても全人口の1・6%だ。 日弁連によると、ドイツでは9・7%、フランスでは5・7%、英国では9・3%である。 日本では制度の要件を満たす人の20%弱しか、利用されていないという。 保護が必要な人を捕捉できないでいるわけだ。 「行政窓口で『水際作戦』が徹底された結果でもあります。 高齢になるほど就職からはじかれるのに、病院の診断で『就労可』を取り付けて、申請を押し返すわけです」(竹下義樹弁護士) しばしば不正受給の問題がやり玉に挙がり、財政圧迫や受給者の医療費増が問題視される。 確かに保護費の急増は行政には悩ましいだろう。だが、不正受給は全体の1・54%にすぎない。 受給開始の理由も「収入の減少・喪失」が〇八年の19・7%から〇九年に31・6%へと急増したように、不況と失業が大きな要因なのだ。 困窮者を見捨てていいはずがない。憲法が生存権を定め、生活保護は「最後の安全網」である。 行政が申請権を侵してはいけないし、社会の偏見払拭(ふっしょく)も課題だ。 所得が低く生活が苦しい人の割合を示す貧困率も16・0%と悪化の一途だ。 何より子どものいる世帯で貧困率が高まっている事実は見落とせない。 「とくに母子家庭の貧困率が高いのが日本の特徴です」と東京大大学院人文社会系研究科の白波瀬佐和子教授は指摘する。 貧困率の指数はほぼ生活保護水準の生活レベルを示すという。 「母子家庭ではパートなどで朝、昼、晩と三つも仕事を掛け持ちしている母親も少なくありません。 低賃金で、一つの仕事だけでは生活が成り立たないのです」 給食費や文房具などの費用も重くのしかかっている。 「仕事に追われ、子どもに接する時間も十分になく、朝ご飯を食べさせられない家庭もあります」 子どものときに、もう夢ある人生の“階段”を外されているのと同然ではないか。クリスマスの鈴の音も遠かろう。 ◆生活と教育インフラを http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011122402000067.html 生活保護制度を負の所得税(国民手当て)のような仕組みに変える必要がある。 ■「年越し派遣村」後の生活保護、入りやすく出やすい合理的な制度設計を 「生活保護を最後のセーフティネットと位置づけ、なるべく使わせない政策よりも、 生活保護を活用する政策のほうが、現存する多くの社会福祉を整理、統合することが可能になる。 逆説的だが、行財政改革にもつながる」と指摘する。 現在の生活保護は「入りにくく、出にくい」といわれる。 これを多くの人が人生の困難な時期に使える「入りやすく、出やすい」制度にすれば国民の安心感も高まる。 生活保護にかかわる非合理性やモラルハザードを排除したうえで、もっと使いやすい制度にする知恵を出すべきだ。 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/e7af0fe01d0f796f45f3ee108b447500/page/3/ 【負の所得税】 所得が一定額に達しない者に対し、政府が給付金を支払う制度。 課税最低限との差額の一定割合の金を給付する。 http://kotobank.jp/word/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E 世論調査で社会保障への要望最多 8年連続、内閣府発表 内閣府が24日付で発表した「国民生活に関する世論調査」によると、 政府に対する要望(複数回答)で「医療・年金等の社会保障の整備」が67・1%に上った。 昨年6月の前回調査の69・6%を2・5ポイント下回ったものの、2004年から8年連続で最多。 「社会保障と税の一体改革」の大綱素案取りまとめがヤマ場を迎える中、 社会保障制度への不安があらためて浮き彫りになった。 http://news.livedoor.com/article/detail/6145232/ ■雇用環境も福祉も欧米以下! ▼日本は「世界で一番冷たい」格差社会 米国の著名社会政治学者が大警鐘 日本の格差問題も英米に比べればまだまし――。そう考える人は多いことだろう。 しかし、ハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、 福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、 先進国で一番冷たい格差社会であると警鐘を鳴らす。 http://diamond.jp/series/worldvoice/10012/ 追記 追記: リフレ(年率2〜3%のマイルドインフレ)+累進課税強化・富裕層への課税強化+負の所得税(負の消費税) を実施。 累進課税強化+負の所得税は、ビルトインスタビライザーの強化にもつながる。
【負の所得税】 所得が一定額に達しない者に対し、政府が給付金を支払う制度。 課税最低限との差額の一定割合の金を給付する。 http://kotobank.jp/word/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E ■飯田泰之(経済学者):「負の所得税の財源。 現在日本では年間80兆円の相続財産があり、これに対する相続税収は1.5兆円。 2億円まではうまくやれば無税。日本は実質相続税が無い。 配偶者を除く次の世代への相続に20%課税すれば8兆円の財源ができる。」 http://twitter.com/#!/montagekijyo/status/13613237545 負の所得税+累進率を強くすることには賛成。すぐにでもやって欲しい。 http://twitter.com/#!/kuroseventeen/status/11698284587 |